魔王「やあ、よくここまで来たね。ボクが魔王だよ」
魔王「おっと、ボクを見た目で判断しない方がいいよ。これでも魔界の王だ
君が望むなら世界の半分をあげてもいいが……
え……?」
勇者「君が魔王か。何か僕とキャラが被ってないかい?」
魔王「勇者がボクっ娘とか…」
勇者「君には言われたくないね」
魔王「…」
勇者「…」
魔王「普通に考えたまえよ
この場合勇者はヤサ男で『やれやれこんなチビッコが魔王か』とか言う感じだろう
そして『む。失礼なことを言うね。見た目で判断しないよう言ったはずだよ』
『あー、はいはい』とか」
勇者「…」
魔王「ボクはそんな勇者に反発しながらも認めあっていく、みたいな
で、勇者のパーティーは戦士♀(巨)、魔法遣い♀(普)、賢者♀(貧)で…」
勇者「ストップストップ。君の言いたいことはわかったよ
つまりラノベの主人公(ヤレヤレ系)みたいのが来て
君がメインヒロインみたいになりたかったと」
魔王「そうは言ってないよ。ただこれじゃ物語が進まないじゃないか」
勇者「じゃあ僕も言わせてもらうとだね、角を生やしてるだけの幼女魔王とか
少女魔王なんてありきたりで陳腐すぎるね
やはり魔王というくらいだから、厳めしい存在であるべきだ
そんなゴツいおっさんとボクっ娘の絡み…
それこそ王道だよ。そんなゴツいおっさんの見せるヘタレ具合とかデレとか
そういうのがいいんじゃないかな」
魔王「むむう。そういうのがいいなら北の大陸の魔王城にでも行けばいいじゃないか」
勇者「えっ? 北の大陸の魔王城!?」
魔王「いいよね、勇者って。自分で旅ができてさ。ボクなんか城で待つだけだ」
勇者「君も旅に出たり勇者のいる町を襲えばいいんじゃないかな
それより、北の大陸にも魔王がいるのかい?」
魔王「ボクも他の大陸事情はよく知らないけど、北の魔王は男らしいよ」
勇者「さっき僕に世界の半分をどうこうって話をしてたけど…
他にも魔王がいるなら、勝手に世界を割譲したりして怒られないのかい?」
魔王「いや、つい勢いで…」
勇者「…」
魔王「…」
一方、そのころ北の大陸の魔王城では
勇者(♂)「やれやれ、やっと魔王サマとご対面か」
北の魔王「うわははは。勇者よ、よく来たな!」
勇者(♂)「え…なんでふんどし一丁のおっさんが玉座に…?」
北の魔王「我は魔王、ゲンゴロ・タガメーなり」
勇者(♂)「えっ?」
北の魔王「ウホッ! いい勇者…」ハァト
勇者(♂)「う、うわあああああああぁぁ!」ダッシュ
北の魔王「逃がさんよ」ガシィ
勇者(♂)「はなせえええええええええぇぇ!」
北の魔王「布団を敷こう、な!」
勇者(♂)「アッーー!」
こうして北の魔王と勇者(♂)はいつまでも幸せに暮らしたということです
【Happy END】