正義
「私は正義のヒーローである」ある男が言った。
男は私に手を差し伸べて、ふらつく足元を支えてくれて、立ち上がらせてくれた。
最初何を言ってるんだ、こいつはとツッコミたくもなったのだが、鞄も取り戻してくれたのでまあ良しとしよう。正義と名乗る男は、自分の名前すら言うことなく、走り去って行った。とある祝日の午後の出来事であった。
私はせめてタクシーか何かぐらいは呼んで欲しかったのだが、言おうにもあまりにも不自然な恰好で、まるでスーパーヒーローか何かのコスプレのように目元をマスクで隠し、全身タイツのようなものを着ていて、胸元には大きく堂々と『S.T.』マークが描かれていた。
翌日、私は起き上がり、だれもいないリビングでテレビを付けて、コンビニ弁当をレンチンして食べていると、ニュースで、昨晩救い出してくれたその人が、テレビに出ていた。何かの芸人だったのだろうかとしばらく見ていると、
「私は昨晩ひったくりに遭遇していた女性を救い出しました。この国で、何か問題を抱えている方がいれば、こちらまで電話してください。お待ちしてます」と自信満々に語っていた。テレビの司会者やコメンテーターは苦笑いしながら色々な事を、そのヒーローことタナカに訊いたりしていた。
思わず電話番号をメモっていた私は、せめて昨晩のお礼だけでもとすぐさま電話をかけた。コール音が部屋の中で鳴り響く。1回、2回…。何回かコールの音が鳴ってようやく出たのかと思いきや、
「―お繋ぎになった番号は、現在大変混み合っております―」
さすがにテレビに放送されているような番号は混雑するか…。と自分を納得させて、学校へと出かけた。
いつものように騒がしい校庭。私はいつものように友達に挨拶を交わし、教室内へと入って行く。男子が教室の中で集団になって輪を作っていた。
「今朝のニュース見たかよ!ヒーローって本当にいるんだな!」などとその話題で盛り上がっている。まさか…とは思いつつ、私は私で女子のグループに入って会話していると、「俺もあんな風になってみたいよな!」と大声で男子が言ったので、思わず私は立ち上がってしまった。
他の女子達は驚いてこちらを見るし、男子のグループも一瞬私の事は見たが、気にしない素振りをして会話に戻った。
「どうしたの?…なんか…変だよ?」と、レイカちゃんが言った。
「変って…別に…ちょっとトイレに行きたくなっただけ」と慌てて私は誤魔化してその場から立ち去った。グループに群れてない男子もタイミング良く立ち上がり、まるで私を追いかけてくるようにやって来た。
「もしかして…だけどさ…」と私がトイレに入るフリをしようとする直前に、その男子が話しかけてきた。私はなにも言わず振り返ると、
「親父…いや、ヒーロータナカに会ったんじゃないよね?」とその男子は尋ねてきた。確か名前はイチローだったように思う。
「なんでそれを…?」私は聞き返す。
「今朝父ちゃんと一緒に朝ご飯食べていた時さ、やたらと昨晩の事を話しかけてきたんだよ…『昨日の夜にお前とおんなじぐらいの子が街をうろついてて、父さんが助けてあげたんだぞ』って…それで…なんて言うか…」と、もじもじしながら言ってたので、何となく察しはついた。
「他人に言わないようにしろって?」私は少しイラつきながら訊いた。
「そう。言わないでほしい。絶対に」とイチローは頷きながら答えた。その時はまだ違和感がなかった。
ー放課後、私は黒板消しなどをしてみんなより遅く学校から出た。校庭を出ようとすると、イチローが門の前で待っているのが見えたので、誰かを待ってるのだろうかと思い、気にせずそのまま帰宅しようと歩むのを止めずにそのまま過ぎ去ろうとすると、
「ねえ」とイチローが声をかけてきたのだ。
私は振り向いてイチローのほうを思わず見る。辺りには誰もいない。私に話しかけてきたんだなと分かり、
「一体なんなの?」と問い詰めてみた。
「いや…一緒に帰ろうかなと思ってさ…」とイチローが答える。特にこの後に予定がある訳でもないので、一緒に帰る事にした。
「そういえばさ」二人は特に会話する事もなく、無言のまま暫く歩いている時に私は口を開いた。「君のお父さんって何でヒーローしてるの?」
言ってしまった事を後悔して、「何でヒーローなの?」と言い直した。
イチローは少しだけ照れくさそうに「そういう能力があるからだよ」とすぐさま答えた。
「そういう能力?」私は少し気になった。
「ボクのお父さんはさ、数億といるこの人類の中で選ばれたって浮かれてる。その能力を世のため人のために使いたい…って常々考えててさ、ずっと悪いやつを見かけた人を救ってたらしいんだ」
「素敵な事じゃない?」私はそっけなく答える。
世のため人のため…か。私はイチローのお父さんの事が、なんだか嫌いになったような気がした。
「確かに昔はさ、父さんの事をカッコイイと思ってたし、尊敬もしてたよ」とイチローは少し苛立ったような口調で言い続ける。「でもね、ボクは赤の他人を救うのは家族を救ってからにしろって思えるんだよ」
ふと顔を俯いたままのイチローの拳を見ると強く握りしめていた。
私は確かにイチローの父親に助けてもらった。けれども、家族優先と言う訳ではないらしい事を察した私は、思わず私は同感した。―いや、してしまったと言うべきなのか。
「そこで」イチローは顔を見上げた。「ボク達二人が誘拐された事にして、お父さんに助け出させるって事を思いついたんだけど、どう思う?」私の顔を見つめて尋ねてきた。
私は一瞬、戸惑った。何故私にこの話題を振ってきたのだろうと。やはり安易に男子と会話するべきものではないと思ったのだが、それと同時に私自身の両親もどんな反応するのかと言う好奇心―いや、興味が沸いてきていた。
「誘拐される事にしてって…一体どうすれば良いの?」私は単刀直入に訊いてみた。
「誘拐と言えば、身代金だろ?」とイチローは財布をチラつかせて言って、ここら近所にある公衆電話のある場所まで案内してもらった。
イチローはこれでもかと受話器の送話口にタオルを巻いて、財布から小銭を取り出しながら、
「先ずはサトウさんの自宅からかけよう」と言ってきた。
「なんで?」私はすぐさま聞き返す。
「たぶん警察の方に連絡が行くと思うから、そうならないようにする。同学年であるボクと一緒に誘拐したと言って、ボクの家に連絡が行くようにするんだ。それをボクのお父さんと同じように連絡すれば、お父さんは俺こそが正義だの何だの言って、警察よりも俺に任せろ!…なんて言い始めるに違いない」
どうせ出ないだろうと思ったけど、何やら疑問そうにしていたが、イチローは番号を尋ねてきたので、私は仕方なく教えた。
何度かコール音が鳴り響く。一向に出る気配がない。当然と言えば当然だ。私はイチローに両親はどうせ出ないだろう事を伝えると、仕方なく留守電を使って、計画を進めるまでに至った。
「ちょっと計画に支障があったけど…仕方ないや…うちの親父に電話しよう」イチローは自分の父親に電話をかける。
ハッとして今朝ニュースで報道されていた番号と違う事に気づいたのだが、あまり気にしない事にして、そのまま出るのを待ち続けた。留守電に切り替わったらしく、イチローの父親のヒーローライフは相当忙しい事を物語っているかのようだった。
「そういえば今朝、番号を公開してたよ」とイチローに今朝番号を書いていた紙を渡す。イチローも知らなかったらしく、こんな事までしてたのか…と父親に対して呆れたような表情でその紙を受け取り、その番号にかけ直した。
「俺の父さんさ、会社辞めちゃったんだ」コール音が鳴り響く中、イチローが言った。
「なんで?正義のヒーローだからクビになっちゃったの?」私は気になって尋ねてみた。
「正義のヒーローとして仕事を…活動をしていくつもりみたいだから、自分から辞めちゃったらしいんだ」
「えぇ?それじゃあ、収入とかは?家族は?」私はビックリして尋ね続ける。
「仕事で得たお金を自営業とか何かに回して、これからは正義のヒーローとして稼ぐとか言ってたけど、一体どうするつもりなんだろうな?」イチローは浮かない顔をしながら言った。
元気づけようとした時に、イチローは自分の人差し指を使って私の口元を閉じて、電話がかかってきた事を無言のまま報せた。
受話器からは、「私はヒーロー・タナカ事務所の者です。ご用件をどうぞ」などと言っているように聞こえた。
イチローは緊張して数秒間無言のままだったのだが、意を決して「お宅の息子さんと同じクラスのサトウさ…は預かった。返してほしければ、60万円を持って来い」
何故に60万なんだ…と心の中でツッコミをしていたが、イチローは相手を喋らす余裕も与えず、ところどころ噛みつつも、そのまま捕まっていると言う設定上の住所をスラスラと述べて、相手が喋り出す直前に切ってしまった。
相当緊張していたらしく、電話を切るなりさっと電話ボックスから出て、大きなため息を吐いていた。
「とうとうやっちゃったよ…」とイチローは後悔したような暗い表情と、その半分ワクワクしているような複雑な気持ちでぽつりと囁いた。
「それで…どうするの?その住所の場所に行くの?」私は電話ボックスのドアを閉めるなり尋ねると、
「そうだな。こうしちゃいられない。早くその指定した住所に俺たちも早くいかないと」と早口で言って、私の腕を掴んでそのまま走り出した。
私はイチローの背中を見ながら、息切れしながらも、ただひたすらにー闇雲に走っていた。
やがて息切れしながらイチローが止まる。私も辺りを見回す。すると、目の前には古びた倉庫があった。
「ここの倉庫、もう随分前に使われなくなったのか、俺の秘密基地にしてるんだ」イチローは私の腕を離して言った。
倉庫の扉は下が少し開いている。イチローはそこから忍者のように潜り込み、手だけを外に出して、こっちに来るようにサインした。最初少し躊躇ったのだが、他の大人には気づかれてはいけないと思い、仕方なく入る。倉庫内は真っ暗闇だったが、ランタンの明かりが灯った。漫画雑誌やらお菓子の袋が散らかっている。
「ここで・・・今まで一人で過ごしてたの?」と私は内心ワクワクしながら尋ねた。
「まあ・・・自給自足だけどね、そうだよ」とイチローは座布団を出して私を座らせてくれた。
倉庫内には空になったコンテナが一つあるだけで、周りが暗闇のせいなのか、外からの見た目よりも広く感じる。お互いの親を困らせようと、こんな事をしてるんだって言う罪悪感はなく、お互い何も話す事なく、イチローは未開封だったポテチの袋をこじ開けて、漫画雑誌を読み始めた。
「お父さんって、具体的にはどんな能力なの?」暫くしてから私は尋ねる。
「ん?-ああ…」イチローは漫画を読みながら返事をした。「格闘技のチャンピオンですら出せないような底知れぬパワーと、困った者をほどほどに察知出来る能力があるらしいけど、俺には理解出来ないね」
「そういえば身代金を要求していたけど、父親が本当にやってきたとしたら、どうやって救い出してもらうつもりなの?」私は疑問に抱いていた事を吐き出した。
「両親の気持ちが分かるだろ?
警察を呼んでいたら、俺の両親はそこまでの気持ちだったって言うこと。
自らの気持ちだったら警察なんか頼らないってことさ」
イチローの言葉に納得してたら何やら外で足音やら物音が聞こえてきた。来たのだろうかと思うと、イチローはランタンの明かりを消してランタンを持ち運び、倉庫内にあったコンテナの中に隠れるように指示した。
「なんでこんな所に隠れたの?」私はコンテナに入り、声を潜めながら尋ねる。
「両親が俺たちを本当に探す気あるなら、中に入ってきて奥まで探してくるハズだろ?」とイチローは答えた。
コンテナは小部屋みたいで、二人が入っててもまだ余裕のある大きさだった。イチローはランタンに明かりを灯そうとしたその時だった。倉庫の扉を上へガラガラと開ける音が聞こえてきた。ー両親なのだろうか。
暗闇の中、イチローは困った顔つきになったような気がした。倉庫の扉から外の明かりが中身を照らしていく。イチローの表情が見えるようにまでなった。薄暗い明かりを頼りに私の事を見るなり、イチローは自分の口元を人差し指で塞いだ。
何やら大勢がいるようだった。四、五人ぐらいだろうか。両親ではないと察した私は警察かなとも思ったが、パトカーの散光式警光灯のような明かりですら見えないどころか、むしろ怯えたような声が聞こえてきた。
「なんか散らかってんな」あからさまに、いかにも不良と言う感じの口調の声が聞こえてきた。
「どうせホームレスだろ」もう一人の別の声と、空き缶を蹴り飛ばすような音が聞こえる。
「お金はないんです」怯えたような声まで聞こえてきた。
どうやら私達は最悪な現場に遭遇してしまったようでもあった。拳などが骨が当たるような物音。男性のうめき声。イチローは必死に耐えているようだった。私は私で、早くイチローの父親が早く来て欲しいと願ってしまった。
やがて、四、五人の足音が立ち去る音が聞こえる。倉庫は閉じられてしまった。男のうめき声は未だに聞こえてくる。真っ暗闇の中、私たち二人は呆然としていた。イチローはランタンに明かりを灯す。
私は今にも泣いてしまいそうなぐらいに情けない顔をしていたと思う。イチローはランタンを手に持って男性の元へと走り寄った。
男性は二十代前半といったところだろうか。ぽっちゃり気味で背が小さく、体の数か所には痛々しい殴られた跡が残されていた。男性は自分の体を丸くして、目を瞑っていた。
私はスルーしようとしてその場から離れようとして倉庫の扉の方へと寄ったのだが、
「大丈夫か?」とイチローは男性の事を気にかけていた。
男性はおそるおそる目を開けて、ふらつきながら立ち上がる。私たち二人を見たが、どこか怯えているようにも見えた。その男は辺りを見回すなり自らのバッグを慌てて抱きしめて、倉庫の扉の方へーいや、逃げようとした私の方へ歩み寄ってきた。最初一緒に開けてくれるのかなと思った瞬間、男はバッグに手を入れてトンカチを取り出して、私の首元を腕で囲み、人質にされた。
「お前も・・・あいつらの仲間なんだろ!!!」男はひどく動揺しているようで、イチローはビックリした様子で「止めろ!」と叫んだ。
私は一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。男は荒い息使いをしていたのだが、首元を掴まれているせいで表情までは見ることができなかった。
「のんきに彼女と見張り番か?」男はニヤニヤしながら言った。正直、悪寒がした。
「関係ない!」イチローは声を張り上げながら、少しずつ歩いてくる。
「近づくな!」男は今にも私を絞め殺してしまうんじゃないかと言うぐらいに腕の力を強くしたので、私は必死になって暴れだした。しかし、男は腕を緩めるどころか、よりキツく絞めてきたので、意識が朦朧としたその時だった。
隣でシャッターが壊れたような物凄い音が聞こえてきた。
「器物損害だけど・・・まあこの際は仕方あるまい」と聞き覚えのある声だった。イチローの父親…いや、ヒーローのタナカの声そのものだった。「私は正義のヒーロー・タナカである!」
男は呆気に取られていたのか、腕の力が弱まっていたので、すぐに抜け出す事が出来た。倉庫の扉はまるで柔らかい紙のように破られたかのように突出して壊されており、ぽっかりと穴が開いていた。
「お前が悪党だな!」ヒーローのタナカは驚いて固まってしまった男を捕まえ、まるで子どもを抱っこするかのようにひょいと持ち上げ、一緒に来ていた警察に引き渡し、それと同時に私の両親と会わせてくれた。
「来ないかと思った・・・」と思わず私はぽつりと言ってしまったが、
「そんなハズないだろ!」と両親は反論し、私を抱きしめてくれた。生まれて初めて愛されてるような気がして、声までは発しなかったが、涙を流していた。
「あの人は悪者じゃないんだ・・・」とイチローは警察達に説得していたけど、大人は聞き入れず、その男はそのまま連行されていった。
「お父さん、あいつは悪者じゃないんだ・・・ただ、別の悪い奴らから根に持ってただけなんだよ」警察がいなくなった後、イチローは自分の父親を説得しようとしていた。私はその様子をぼんやりと眺めている事しか出来なかった。
「イチローよ」ヒーローのタナカは言った。「正義を証明するには"悪"が絶対に必要なんだ。その悪がもしこの世からいなければ、正義から犯罪者と成り下がってしまうものなんだよ。
今はどんな"悪"であれ、その"悪"を許す訳にはいかない。今はただひたすらに名声を得る事だけに父さんは必死なんだ。
だから、もう暫く待っててくれないか」
「何を言ってるのか・・・よく分からないや」イチローは俯いたまま答えた。
タナカはイチローの事を抱きしめて、「それはまだお前が子どもだからさ。じきに分かる。お前は力こそはないが、その優しさを他人の為に使いなさい」と答え、付近に停めてあった車の助手席に乗り出し、「次の現場に行かなきゃならない」と言って、そのまま走り去ってしまった。
イチローは見送り続けていた。両親が帰宅しようと言い出した時に私はイチローも誘いたいと思い、
「もし良かったら…うちに来ない?」と、家に招待した。両親も今の出だいぶ事情は把握してくれたみたいで、イチローを歓迎してくれた。
―翌日。学校へ行くと、先に登校していたイチローの方から話しかけてきた。
「サトウさん、僕は自分の進路を決めたんだ」と言って、進路希望の紙を渡しに見せてきた。≪弁護士≫と書いてある。しかし何故、私に見せてきたのか理解は出来なかった。
「つまり・・・僕にも能力があるんだ。父さんのような力こそはないけど、とっても些細な能力だけどね。
でも、力がないから…これで人々を救うって決心した。そこで…君を…こ…ん」イチローは口ごもってしまったその時、レイカちゃんが挨拶しにきた。
「おはよー。…えっと…イチロー…君?」
「おはよー」私は素っ気なく返す。イチローはそのまま何事もなかったように自分の席に戻ろうとしたので、「そこで君は何なの?」と尋ねた。
イチローは後ろ向いたまま「そこで君を助手にしたいと思う!」とテンパった様子でそう言ったので、レイカちゃんと私は疑問を抱いた。
「助手って・・・なに?」
「さあ?」と答えて私も理解できないまま一日を過ごした。
―これはイチローが自分の夢を叶えさせ、婚約者となる数年前の出来事だ。それからイチローと私には何かと縁で結ばれているらしく、それからも何らかの理由や原因でずっと会うようになり、親しくなっていった。
イチローは有能弁護士として、その父親はヒーローとして名を轟かせるようになるのはこのまた後の話しである。
短編小説として、単刀直入としてもうちょっと書き足したかった作品です。
けれどもそうなる場合、長編となりかねないので無理やりまとめてみました。
きめ細かい描写は省略させ、タナカの人間らしさも省略はさせてると思います。
・・・が、きめ細かい描写などは読者のご想像にお任せします。