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我が愛しき娘、魔王  作者: 雪峰
第二章 魔槍は誉れ高く
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2-16 平和な海の上



 シリックに成りすましたミトナスは、アルドーレ漁村において人気者だった。


「おう嬢ちゃん! 無事に戻れたんか! 捜し物は見つかったかい!?」


〈ええ、無事に。ご心配をおかけしました〉


「そうか、そうか! 怪我もないようで良かったよ!」


〈ありがとうございます〉



 めっちゃニコニコしてた。



 通りすがる村人全員がシリックに挨拶をしてきて、その度に魔槍は朗らかに対応したのであった。ただ、村人が去るとすっごい無表情になるのだが。


 にこにこ。

  ↓

 虚無顔。


 顔の表情が一瞬で変わるさまは、ちょっと不気味だった。



「お前……なんていうか、それ止めろよ」


〈やめろ、とは?〉


「さっきまで浮かべてた笑顔が一瞬で消えると、なんていうか……すげぇ裏表がある人間みたいで、見てて不安になる。つーか不気味だ」


 俺が率直な意見を述べると、魔槍ミトナスは淡々を答えた。


〈そうは言われても。僕、人間と雑談なんてしたことないんだよ。さっきの応対はシリックの記憶からそれっぽいのを再現しているだけで、まだ慣れてないんだ〉


「うーん。そりゃそうかもしれんが」


〈大丈夫。人がいる所ではちゃんとシリックとして振る舞うよ。でもこんな風に、僕たちしかいない状態だったらミトナスとして行動してもいいだろ?〉


「……ま、そうだな。ちょっと考え無しだったわ。お前はお前だもんな。謝る」


 俺が軽く頭をさげると、ミトナスは両手を顎にそえて、なんぞ可愛らしい上目遣いをしながらこう言った。


〈いえっ、そんな! 別にロイルさんは悪くないですよ! 私の方こそごめんなさい。でも……気に掛けてくれてありがとうございますっ。――――どうだい? 僕が四六時中こんなんだったら、逆に胡散臭く見えないかい?〉


「一瞬だけときめいたわクソッタレが」


 改めてじっくりと、平和な村の中で見るシリックはやはり綺麗な顔立ちをしていた。


 身体も、引き締まってはいるんだが、女性特有の柔らかさは。うん。


 なんでもないってば。



「それで、どうするんだ? 準備が出来たら即出発か?」


〈そのつもりだよ。目的地までは船で一ヶ月くらいかかるから……〉


「一ヶ月ぅ!? そりゃ遠いな」


〈まぁここは最果ての地だし〉


「俺が住んでた所の方がよっぽど最果てだわ……でも、まぁ、確かにそうだな。あの無人大陸に近い所なんだから、しょうがないか」


 改めて考えると、このアルドーレ漁村はちょっと特殊だ。どんな素性の人間が集まっているかは分からないが、この村は発展性がなさ過ぎる。


「この辺でしか採れない魚が……いや、それとも未開の地を開拓する実験場なのか……? あるいは魔王の噂を警戒して……本国に迫る前の、危機管理戦線とかなんだろうか……」


 ブツブツと呟いてはみたが、答えは出ない。


 村人に聞いても正確な答えなぞ得られないだろう。

 こういうのは村を作った偉いヤツに聞かないと分からない。


 そこまで興味もないが。


「まぁ一ヶ月もありゃ怪我も回復するかね」

  

〈道中で色んな島にも寄るから、長旅にはなるけどそんなに大変でもないさ。ここが最果て。あとは近づくばかり。フェトラスにとっては刺激的だと思うよ〉


 その言葉を聞いたフェトラスは、うっとりとよだれを垂らした。


「いろんな、しま……いろんな、たべもの……」


「おいフェトラス。残念ながら金が無い。俺たちは節食を強いられるので、あしからず」


「ナアッ!?」


 絶望の表情だった。


 彼女は半泣きで俺にすがりつく。


「働いてよお父さん」


「なんだその、男が絶対に言われちゃいけない台詞ランキング上位に出てきそうな言葉は」


「わたしも働くから」


「それ以上喋るなフェトラス。泣きそうになる」



 俺たちは翌日に出る漁船の隅っこに乗せてもらい、最寄りの村を目指して出発することになった。


 世話になった医者は「無理はすべきだが、無茶はあんまりせんようにな」と言っていた。


 コックは深々と礼をしてみせた。


 そしてあのカボ商店の店主改め、この村唯一の王国騎士は。



「おや。生きて帰ってきたんですね。……別に戦った様子も見えませんが」


「ちょっとモンスターを何匹か斬ったぐらいだ。装備に支障はないはずだよ」


「そうですか。でも目的は果たせたようですね。何よりです。じゃ、同じ装備を使った男のよしみだ。清掃ぐらいはこっちでやっておきますので、そこら辺に置いていってください」


「あの……その事なんですが……」


 この装備ください。って言う前に、笑顔で「ダメです」と言われた。


 先手を打たれたが、俺は「……そこをなんとか」と食い下がってみた。


「ダメですってば。流石の私も困りますよ。差し上げられません」

 

「ぶっちゃけはっきり言うが、俺たちはこれから魔王を倒しに行くんだよ」


「へぇ~そうなんですか~すごいです! がんばってくださーい!」


「いやマジなんだってば! 何を隠そう、こちらにおわすシリック嬢は、えーと、どこの領地出身だったっけ?」


 話しを振ると、ミトナスは淑女と呼ぶに相応しい会釈をしてこう言った。


〈ユシラ領ですよ。そして私はそこの領主の娘です。店主。彼の言っていることは本当です。私は我が領地に発生した魔王を狩るために、この地へと聖遺物の捜索に参った次第です。そしてそれは果たされました。あとは、魔王を倒すのみ〉


 うわぁ。


 この子、いきなり手持ちのカード全部切りやがった。


 店主はスッと笑みを消して、ミトナスが持つ槍に視線をやった。


「……では、その刃の短い槍が、聖遺物だと?」


〈ええ、そうです。これで魔王を倒します〉


「……この地に魔王がいた、というのは、本当だったんですか?」


〈ええ。とても弱く、しかし残忍な魔王が〉


(それを知ってるのは魔槍ミトナスだけだから言っても真偽不明だっつうの! ていうかほんと、この子って人間と会話したことねぇんだなぁー! ちくしょう、交渉には手順が必要なのによぉ!)


 俺がどうしようかと悩んでいるうちに、店主の方が先に動いた。


「すいませんお嬢さん。その聖遺物、手にとってみても?」


〈それは――――いえ、いいでしょう。しかし発動条件が分かりませんので、手短にお願いします。間違っても情念などぶつけたりしないようにお願いしますね〉


「ははっ。ただ綺麗で貴重な物に触ってみたいという、子供みたいな気持ちですよ」


「あ。それ分かる。すげぇ分かる」


 思わず同意した。


〈では、どうぞ〉


 そしてミトナスは店主に魔槍を手渡した。


 彼はそれをうやうやしく受け取り、目を輝かせた。


「意外と軽い……しかし、尋常ではないほどの強度がありそうな……そして、やはり美しい……聖遺物は細かな傷は自己修復するといいいますが、本当なのですね」


「素朴な疑問だが、その槍が聖遺物だって分かるのか?」


「これでも王国騎士ですからね。何度か『選定の儀』に参加したことがありますよ。私に適合する聖遺物は一つもありませんでしたが……。そして、触れた者だから分かる。これは、あれら・・・と同種だと」


 空を見て空を知る。魔王を見て魔王と知る。


 なるほど。聖遺物を見れば、聖遺物と知れる、か。類似品を見たことがあるのならなおさらだろう。


 店主はため息をついて、ミトナスに魔槍を渡した。


「ありがとうございます。久々に良い物が見られた」


〈それは良かった。……では、ロイルさん。そろそろ行きましょう〉


「えっ」


〈えっ?〉


「いや、まだ話しが終わってないんだけど……」


〈そうなのですか? ですが、その身に纏っている装備を返却しに行く、と言っていたではありませんか。ならば返して終わりです〉


「いやいや。そうじゃなくて、返したくないなぁ、と」


〈……返したくない?〉


「これから魔王と戦いに行くわけだろ? でも、こんな一級品の装備は滅多に巡り会えるもんじゃない。だから欲しいんだよコレが」


〈ですが、それは借り物なんでしょう? あっ、買い取る気ですか?〉


「て、店主さん。これっておいくらでしたっけ?」


「毎度ありがとうございます。金貨二十枚になってます」


〈き、金貨二十枚ですか……少々高いような気もしますが、仕方ありませんね。店主が売ってくれる気構えを見せてくれただけでも有り難いというもの。さ、ロイルさん。払うか返すか、さっさと決めてしまって出発の準備に戻りましょう〉


「し、出世払いとかダメですか! 魔王倒したら、ちゃんとここの店主が協力的だったって報告書も書きますから!」


「今更手柄を立てたって、私は王国に戻れないし、戻る気もありませんよ」


「そこをなんとか!」


「ダメですってば」


「そーこーをー! どうか!」


 土下座までしてみせた。


 ちなみにフェトラスは俺が滞在していた病室にいる。自分が書いた絵を回収するためだ。あいつがいる前で土下座なんて俺は絶対にせんぞ。


 なんてことを考えていると、声をかけられた。


〈ロイルさん〉


「なんだシリック。邪魔をするな。俺はいま、忙しいんだ」



〈僕の前で恥知らずな事をするな〉



 店主が首を傾げる。


「……ぼく?」


 俺は慌てて立ち上がって言い訳をならべた。


「すまなかった。ちょっとこの装備が名残惜しいんで、調子に乗った。店主、いや、王国騎士よ。この装備を一時とは言え借り受けられて光栄だった。戦いにおもむくさいの安心感が全然違ったよ。一応、目立つ汚れとか血は落としてきたが、不備があったらすまない」


 ミトナスはシリックの記憶を「読み取っただけだ」なんて言ってたけど、やはり同調と言った方がいいレベルだ。人間との対話に不慣れだから、きっと一生懸命に読み込んでいるのだろう。……結果、シリックと同じような人格が構成されつつあるのかもしれない。


 店主にこれ以上不審がられるのもよくない気がするので、ここは素早く切り上げることにしよう。


「そして重ねて礼を。えっと、ここに置いて行って大丈夫か?」


「…………いえ」


「ん?」


「…………困ったお人だ」


 店主は寂しそうに笑ってみせた。


「よろしい。全部持って行きなさい」


「は……は? えっ……はぁ!?」


「ついでに盾も持って行きなさい」


「えっ、そ、それは有り難いが……なぜだ?」


「魔王を倒しに行くんでしょう? なら、あった方がいいに決まってる」


「そりゃそうだが……いいのか?」


「そちらのお嬢さん。領主の娘だと、そう言ってましたよね?」


〈ええ。私自身は名ばかりで権力は無いに等しいんですが……〉


「なら領主様に頼むなりして、新しい装備をここに送るよう王国に依頼を出してもらえませんか? もちろん、そんな対・魔王用の装備なんかじゃなく、普通に村人が守れる程度の装備で構いませんので」


〈それは、ええ、構いませんけれど……よいのですか?〉


「どうせ魔王が発生したら、私一人じゃ何も出来ません。そういう意味じゃその聖遺物が、私はとても欲しいです」


 でも、と店主は続ける。


「その槍は十年以上、誰にも気づかれることなく、力を振るうことも出来ず、役目を果たせなかったんでしょう? ある意味じゃ私や、その装備と同じですよ。でも決定的に違うのは、その槍はまだ戦えるという事です」


〈――――。〉


「そしてここに魔王は居ません。ならばその槍は、相応しい場所へ行かせてあげるべきだ。そう考えるなら……その装備だって、ここで眠っておくのはイヤでしょう」


〈――――そう、ですね〉


「どうか、魔王を倒してきてください」


 王国騎士は深々と頭を下げ、万感の思いを口にした。俺たちもまた、同じくらいの気持ちを込めて頭を下げたのであった。



 シリックは自分が持っていた剣を王国騎士に渡し、それを当面の武器にしてほしい、と言った。


 それは彼の装備には見劣りするものだったが、壁にかかった剣よりは使えそうなものだった。


 少し身軽になったミトナスが、店を離れながら呟く。


〈凄まじい人間だったね。虚実を見抜くような、あるいは、自分が信じたモノはきっと真実であると信じることが出来るような……強い人間だった〉


「ああ。ああいうタイプの人間は聖遺物に好かれそうだが、なんだってこんな所にいるんだろうな」


 俺たちは感慨深げに歩きながら、少しだけ語った。


〈ところで魔王と戦うというのは、本気なのかい?〉


「おう。割と本気だ。お前もいるし。っていうかお前がいるからこそ、きちんとした討伐隊が組めるだろうからな。そこに混ざるよ」


〈……どうして? どうしてただの人間が、魔王と戦おうだなんて思えるんだい?〉


「そりゃ……このまま放っておくのも寝覚めが悪いからな。魔槍ミトナス。お前がいれば魔王は十全に狩れるだろう。でもその道中で何かあるかもしれない。もうお前は知っているだろうが、その魔王テレザムってのは手負いだ。怪我を負った時期も、どれぐらいのダメージだったかも知らんが、俺たちがたどり着くまでに一ヶ月かかる。なら、その魔王の傷も癒える頃だろう。だったら魔王とやり合った事のある俺の経験は、その戦いに活かせるかもしれない」


〈それはそうかもしれないけど……〉


「シリックにも、俺が倒してやるー、なんてデカイ口叩いたからな。それに、俺はフェトラスに恥じるような真似したくねーんだよ」


 言ってしまえばそれが最大の理由だ。


 俺はあの子に「同族たる魔王を殺してもいいか?」と聞いたのだ。


 重ねて言えば、俺は月眼の魔王に対し「自分の娘にビビるようなヤツはうんこだ」みたいな事も言っている。そして魔王テレザムは銀眼すら抱けない、ただの魔王だ。フェトラスと比べれば雑魚に等しい。そんなものにビビってるようじゃ、うんこ以下である。


「まぁ色んな事言ったけど、突き詰めりゃ意地・・さ」


〈ロイルは変わり者だなぁ……〉


 しみじみとミトナスはぼやいた。


〈まぁ魔王を育てようなんて考えを持つような変態だし、今更か……〉


「変態て。ひどいなお前」


〈本当は狂人って呼びたいぐらいだよ〉


 ミトナスはそれ以上喋ることもなく、建物や空、花や人を見てまぶそうに微笑むばかりだった。



 そして、翌日。


 俺たちはアルドーレ漁村を後にした。



 もう路銀はつきかけていた(半分以上フェトラスの食費のせいだ)がしかし、漁船での仕事を手伝うという名目で乗せてもらっている。


 フェトラスは子供だから。

 シリックは女性だから。



「そんなわけで、あんたには三人分働いてもらうからな。怪我人のようだが、あまり考慮もしてやらん」


「……へーい」


 漁師とは男の仕事である。


 もちろん世界には女性の漁師もいるのだが、ここは辺境の海である。故に、迷信的なものと、ついでに「海の男の矜持」として、女性は同船こそすれど、仕事をすることはほとんどない。あったとしても調理や布の補正などの家事めいたことぐらいだけだった。




 食事や水はきちんと振る舞われていたが、結構な激務だった。


 釣り。道具整備。甲板清掃。一日はあっという間に終わっていく。


 フェトラスは初めての航海に目を輝かせて、色々な漁師に話しかけたり、俺にあれこれ質問したり、絵を描いたりして遊んでいる。楽しそうで何よりだ。


 不満といえば、食事。


 アルドーレ漁村で豪遊――――美味い物で満腹になるという愉悦――――を知ってしまったフェトラスにとって、海の上で食べるシケた食べ物は、当たり前だが見劣りする。


 ……まぁ、一口食べたら「美味っ!」って笑ってたんだが。



 フェトラスとミトナスはあまり会話をしなかった。やはり両者とも、思う所があるのだろう。方や魔王で、方やそれを狩る物だ。相容れるわけがない。


 しかし仲が悪いというわけではない。フェトラスはどちらかというとミトナスとも仲良くしたがっていたし、ミトナスも未だかつてないタイプの魔王に興味は抱いているようだった。





 航海三日目。


 フェトラスがこんなことを呟いた。


「ねーねーお父さん。お船に乗るのって、退屈だね……」


「気がついてしまったか」


 俺は怪我人が行うにしては結構な激務をこなしながらだったので退屈を覚えるヒマはなかったのだが、フェトラスはこの狭い船内でやれることは全てやりきってしまったようだった。


 暇なのかアレは何? コレは何? と色々質問もされたが、答えられるアレコレは全て教えてしまっている。それ以上に高度な質問は、仕事中の俺に聞くのがはばかれるようだった。


「ヒマなら、ミトナスとお喋りでもしたらどうだ?」


「うーん……でも、もしも、もしもだよ? 何かのキッカケで、いきなりミトナスが変身しちゃったら、きっとみんなビックリしちゃうよ」


「今まで通り、俺の娘として振る舞えば大丈夫なんじゃないか? ほら、あっち・・・の気配はちゃんと押さえられてるみたいだし」


「…………でも仲良くなったら、きっとわたし油断しちゃう」


「それは…………そうだな。この船の上でそんな実験するわけにもいかねーな」


「でしょ?」


「なら、シリックと話してこい。ミトナスじゃなくて、シリックの知識を教えてもらうんだ。たとえばあいつの領地では何が名産なのか、とか、どんなものが美味いのか、とか」


「おぉ……きょうみぶかい!」


「それならお前も――――って、もう行っちまった」


 バビューン、である。


 その駆けていく後ろ姿が、輝かしい明日を目指しているように見えた。


「やれやれ……船長!」


「なんだぁ若造? 傷でも痛み出したか? しかし手抜きは許さねーぞ。この船は客なんか乗せる仕様じゃねーんだ。乗せるのは船員と、その家族だけ。分かってんな?」


「違う。もっと働くから、給金に色をつけてくれ」


「――――ほう。何故だ?」


「娘に美味いモン食わせたくてね」


「気に入った」


 そう言った船長は、物の見事に俺の仕事量を増やしてくれた。激務っつーか、普通の漁師見習いみたいに扱われた。傷が本当に痛み出す。


 しかし、まぁ、いい。


 次に立ち寄る中継地点では、きっと動物の肉がある。


 それを目の前にしてフェトラスに我慢を強いるのか。

 

 それとも、あの満面の笑顔を咲かせるか。



 俺は温かい気持ちで微笑みながら、痛みに耐え、歯を食いしばった。



 中継地点まで、あと三日。






次回はフェトラスが牛肉を食べます。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 痛む身体で仕事を増やしていく主人公に泣きました… ほんと泣かされる…
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