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我が愛しき娘、魔王  作者: 雪峰
我が愛しき楽園の在り方
249/286

帰りたい理由


 全てを映し終えた黒板は一瞬だけ揺らいで、真っ白い状態に戻る。そしてそのままかき消えていった。


 どうやれこれで物語は終わりらしい。


 知らず、わたしはパチパチと拍手をしていた。


[どうだったかな。愉しかったかい?]


「……うん、とは素直に答えられないくらい、ちょっと複雑な心境」


 たははと苦笑いを浮かべつつ、わたしはこう続けた。


「そっか。あれが貴方が憧れた・・・モノなんだね」


[……そうとも]


 愛したというには少し足りなくて。だけど何よりも尊重する存在。


 憂鬱な時は過ぎ去り、彼は遊び方を学び、勝敗を超えて戯れることを覚えた。


 ミレーナさんのように笑ってみたくて、勝利を渇望して、敗北に嗤う。そして彼は憧れたヒトと同じ気持ちに至ることが出来て、満たされて、それを導いた遊戯を愛した。


「このゲームのシナリオ、たしか『優越の魔王の憂鬱』って名前だったよね?」


[そうだよ]


「ミレーナさん最強伝説ってタイトルに改めるべきだと思う」


 真面目な顔してそう告げると、遊戯の魔王パーティル様は一瞬だけポカンとした表情を浮かべた後、片手で目を覆い隠しながら仰け反って爆笑した。


散々笑って、嗤って。[はぁー…………]とため息をついたかと思えばまた嗤った。


「わ、笑いすぎじゃないかなぁ」


[ククク――――もし今のシナリオがそんなタイトルだったら、たぶん君はエンディングまでたどり着けてないだろうね。ミレーナを最前線に送り込み続けて、その最強の意味を取り違えたまま彼女を死なせていたんだと思うよ]


「む。それは確かに……」


 そう答えつつ、わたしも微笑みを浮かべる。パーティル様もまた、先程とは違って穏やかな笑顔を浮かべた。


「何はともあれ、素敵な自己紹介をありがとう」


[自己紹介っていうか、ミレーナの事を誰かに伝えたいって動機で作ったようなシナリオなんだけどね]


「貴方の憧れた人でしょう? だったら、やっぱり今のは自己紹介だよ」


[……そうかい。まぁどんな感想を持つのもプレイヤーの自由さ]



 こうして今までで最長のゲームはエンディングを迎えた。


 そこでふとわたしは気がつく。


「そういえば、わたしのガッドルさんは……アレしちゃったけど……トゥルーエンドにたどり着いたということは、完全クリアだよね?」


[完全クリアというと、僕の定義では全てのサブイベントをクリアして、数多のバッドエンドとノーマルエンド数種と二つのグッドエンドを見て、あとは僕が予想もしていなかった展開に突入する事を言うんだけど]


 一体何日かかるんだろう。


「言葉って難しいね。えーと……制作者の意図を上手にくみ取って、一番見て欲しかったであろうエンディングまで到達した、とでも言えばいい?」


[それならまぁ、ギリギリ肯定する]


「だったら、今のはわたしの勝ち?」


[――――うーん。まぁ、そうとも言えるかな?]


「ということは一旦帰ってもいい感じ?」


[何故? 僕はもうすでに次のゲームの内容をほぼ決めているんだけど]


「いやわたし勝ったし……」


[そうだね。ついでに言うと僕も勝ったわけだ]


「えっ」


[……これ、そもそもGMゲームマスターと勝敗を競うゲームじゃないよ]


「えっ」


[これプレイヤーとGMの協力ゲーだよ? もし対戦相手がいるとすれば、それはダイスの女神様か、あるいは幻想モンスターの“Need one more(妖怪1足りない) point”ぐらいじゃないかな]



 幻想モンスターとやらはよく分からない表現だけど、とりあえずパーティル様が言ったことを頭の中で繰り返す。


『TRPGしようぜ! とりあえずやってみようぜ! ほらキャラクター作って! ゲームの目的? 優越の魔王を倒すことだよ!』


 要約すると、そういうこと。


 確かにそうだ。そもそもGMとプレイヤーじゃ権限と役割が違いすぎる。パーティル様の勝利条件が『フェトラスがバッドエンドを迎えること』だとしたら、初手で殺しにかかってもおかしくない。そもそもミレーナさんに会えない、とか。


 しかもわたしは優越の魔王を倒していない。


 更に言うなら。ミレーナさんが倒したのは、憂鬱の魔王だ。



「あー…………」


[世の中には勝敗を競わないゲームもけっこうあるんだけど……あれ、お気に召さなかったかな?]


「いや、とても気に入ったのは間違い無いんだけど」


[なら愉しかった?]


「うん。今ならそう言える」


 わたしがそう答えると、パーティル様はニッコリと笑った。


[それじゃあ次のゲームも愉しくなるといいね。それじゃあ早速ルール説明といこう]


 サッと立ち上がったパーティル様は真っ直ぐに背後の棚を目指した。既に目星がついているのだろう。その愉しげな背中にわたしはため息を送り込む。


「余韻に浸るヒマも無いのぉ?」


 げんなり・・・・しながらそう言うと、パーティル様はキョトンとした表情を作った。


[――――余韻、かい?] 


「そうだよぅ。どうせ時間ならあるわけだし、もうちょっと……こう……感想言い合ったりするのも楽しくない?」


[……僕はずっと独りだからね。そういう機会は今まで無かったよ]


「じゃあいま設けようよ。聞いてみたいこともあるし」


[……ふむ]


 わたしがそう提案すると、パーティル様は少し何かを考えるようなポーズを見せた後で大人しくテーブルに戻ってくれた。


[なにが聞きたいのかな]


「気になること全部。えっとね、まずはさっきも似たようなこと聞いたんだけど、そもそも優越の魔王の天敵たる聖遺物って実在するの? 第四の聖遺物がやっぱりそれ?」


[………………いや、違うね。第四聖遺物の斧は、作中で一番攻撃力が高い武器ってだけさ]



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 目の前の女の子、フェトラスは矢継ぎ早に質問を繰り返した。


 靴の聖遺物ってなぁに? とか。

 王国騎士団の支部長さんだったらもっと上手に支配杖エンセンスを使えるの? とか。

 結局赤透眼クレバースの正体は不明なままなの? とか。


 気になることを口にするたび、また新たな質問が産まれる始末だ。


 さっきは答えてくれなかったけど、黒鉄の瞳になると実際どうなるの? とか。

 バッドエンドって何個くらいあるの? とか。

 優越の魔王を倒したら『めでたしめでたし』かもしれないけど、それってパーティル様的にはどういう心境なのかな? とか。


 まぁよくもこんなに喋れるものだと、僕は半分呆れながら苦笑いを浮かべる。


 そんな風にして端的に解答を並べていた僕だけど、途中でふと気がついた。


 いま僕は、ゲーム以外の事に時間を費やしてないか? ただ会話してるだけじゃないか。


 それはおかしなことだ。この楽園において明確なる不具合だ。是正せねば。僕はもう殺戮の精霊じゃないけど、それでもエラーとバグは基本的に殺戮対象だ。


 だけど目の前の女の子は、とても楽しそうにしている。


 なんならゲームをしている時よりも楽しそうだ。


 キラキラと輝くように。色んな表情で。そういえば虹の精霊由来だったっけ。


「それからね、それからね!」


[――――うんうん]


 どんどん輝きを増していく彼女の笑顔を見て『ああ、そうか』と内心で納得する。


 ずっと僕はプレイヤーだったけど、今はゲームの制作者の立場になるのか、と。


 プレイせずともたずさわる。それもまた遊戯の一側面なのかもしれない。


 だから今、ゲームをしていないという不具合に対面しているこの状況が、僕にとっては不愉快ではなかった。なんなら次のシナリオの構想が次々と浮かんでくるようだ。


 なるほどなるほど?


 これが外部刺激インプットか。


 それもまた遊戯を愉しむために必要な要素なのかもしれない。


 どうせこの楽園の外には、ありきたりなゲームしか無いだろうから退屈なんだろうけど。だが少なくともプレイヤーは星の数ほどいるらしい。まぁ九割九分九厘は有象無象なんだろうけど、僕が開発したゲームを持ち込めば、多少なりとも外部刺激は受けられるだろう。


 なんなら他の月眼に勝負を挑むのも愉しいのかもしれない。


 今更になってミレーナの言葉が思い出される。


【これで次の誰かと・・・・・遊ぶといい】


 まるで魔法のような遺言だ。


 だけどたくさんの対戦相手と勝負してきたけど、その中にミレーナはいなかった。当然だ。彼女はもう死んでる。


 だから僕は月眼を抱いた時に、対戦相手を求めなかった。


 ミレーナと最後に過ごした小さな家の、その中にあった部屋の再現で良かった。


 誰も死んだ者を蘇らせることは出来ない。可能性があるとすれば時間逆行か並行世界パラレルワールド移動だけど、かつて僕が座っていた席を奪い取るのは、どうにも居心地が悪い。そもそも実現出来る気がしない。絶対むり。


 あの時のミレーナは、あの時の僕だったからこそ、あの結末を迎えたんだ。


 後悔なんて無い。あるわけがない。あまり自覚は無いけれど、ミレーナが恋しくなる瞬間もひょっとしたら百年に一回という高頻度で訪れていたのかもしれない。だけど、それでも。


 僕は遊戯を愛した。


 ミレーナのようになりたかった。そしてそれとは別に、本当に愉しかったから。


 だから僕の楽園はこれでいい。



 だけど目の前の少女は、こうも言っていた。


『お父さんが生まれ変わるまで待ってるの』


 なるほど。


 そういう考えもあるのか。


 だとしたら――――たまには外に出て遊ぶのも、悪くないのかもしれない。


 そんな自分の心変わりを驚きつつ、僕はそれを素直に受け止める。


 そうだな。今はあまりそそらないけど、気が向いたら。


 千年後ぐらいだったら、外に出てみるのも良いんじゃないかな。




「あとねあとね!」


[ストップ。そろそろいい加減にしてくれよ。ここは遊ぶための楽園なんだから]


 開発も悪くは無いが、それでもやっぱり僕も遊びたい。


 さぁ、そろそろ次のゲームと行こうじゃないか。




 いつかきみが僕に勝てる日まで。


 だがこちらとて遊戯を愛して極めた魔王だ。


 同じゲームをやり続けるならまだしも、色んなゲームで挑戦をするのならきっと千年ぐらいかかるだろうけど。それまでどうかお付き合い願うよ。


 


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



[はい僕の勝ちー]


「ねぇぇぇぇズルいぃぃ! いまのズルいじゃぁぁん!」


[イカサマなんてしてないよ?]


「そうじゃなくて容赦がなさ過ぎるって言ってるの!」


[なら次のゲームできみも同じ戦法を採れば良いよ。どんどん真似してちょうだい。それが上達のコツだよ]


「分かった! もう一回!」




「お腹空いてないけど、お腹空いたー! ねぇ、本当に食べる物ってないの?」


[必要ない、としか言いようがないね]


「じゃあ次わたしが勝ったら、大っきなステーキ食べさせて!」


[おや。賭けるのかい? いいね。ああ、とてもいい]


「ごめんなさい今のやっぱり無しで!」





「…………ねぇねぇねぇ。今の惜しくなかった?」


[めちゃくちゃ接戦だったね。あの駒の動きは実にトリッキーだったよ。狙ったの? それとも偶然?]


「えへへー。実はただの凡ミスだったの。でも後からになって『あれ? もしかして?』って動きが出来た感じ!」


[これだから初心者は恐ろしい……僕があの日、子供に負けた時も似たようなシチュエーションだったよ]


「オーケーオーケー! ノッってきた! もう一回やろう!」


[……もちろんだとも!] 


 十五分後。


「ねぇぇぇぇ! 強すぎるぅぅぅ! 大人げない!」


[はっはっは。さっき負けそうになったから、これくらいはね?]





「……ねぇ。わたしがここに来てから、どれぐらい時間経った?」


[さてね。計ってないから何とも言えない。でも大した時間は経ってないよ]


「それ月眼の魔王の尺度では、って事でしょ……。ちょっと集中力が欲しいから、あっちの隅っこの方で座禅とか組んでもいい?」


[別にいいよ。じゃあ僕は一人で遊んでようかな]





「……ねぇねぇ。それ何やってるの?」


[神様が所有するデータバンクから再現させた……正式名称が異様に多いんだけど……まぁ、一番古い呼び方をするならコンピューターゲームかな]


「こんぴゅー? ……その手元にある、ボタンがたくさん付いてるソレで、板の中のヒトに指示を出してるの?」


[うん。でもこれ実際の人間じゃなくて、絵みたいなもんだよ]


「これが絵なの!? 本物の人間にしか見えない……」


[最高難易度で、最高のトロフィーを縛りプレイで獲得するのが目標だ。もう何千回もやってる気がするけど、たまにやると白熱して中々面白いんだよ。やってみるかい?]


「するするー」


[一回死ぬごとに罰ゲームね]


「……や、優しいのにしてね」





「――――ハッ!?」


[なんだい急に]


「いや本当にそろそろ一回帰りたい。家族が心配なの」


[……家族? ああ、お父さんの子孫達か]


「わたし月眼の魔王だし、今じゃあんまり接点を持たないようにしてるんだけど……病弱だったり、可哀相な状況の子とか、お腹をすかせてる子がいたらやっぱり何とかしてあげたくて。わぁ、みんな風邪とか引いてないかな……」


[――――いまセラクタルには、きみの家族は何人ぐらいいるのかな?]


「あの星の全ての生き物は、わたしの家族(宝物)だよ」


[――――――――なるほど。時々忘れそうになるけど、きみは確かに月眼だ]


「うん。それに」


[それに?]


「そろそろお父さんが生まれ変わってるかも?」


[……どうやってそれを判別するんだい?]


「どうもこうもないよ。それはね……きっと[見たら分かるの]


[……ふむ]


[というわけで、そろそろおいとましたいと思います。とっても楽しかったよ!]


[だがここは死ぬまで遊べる部屋だ。出口は無いよ?]


[勝てば帰れる。そうでしょう? また来るから手加減してね]


[ははっ。お断りだよ]




「なぁぁぁんで勝てないかなぁぁぁぁぁ!」


[……いや、素直にいまのは危なかった。結構ギリギリだった]


「こうなったら運ゲーで勝負だ! 運ゲーだったら千回やれば勝てる!」


[僕、運ゲーって嫌いなんだよね。どうしてもって言うなら受けてあげるけど、基本的に技術が介入出来るルールじゃないと受けたくないな]


「なんで! あなた遊戯の魔王でしょ!」


[純粋な運ゲーは遊戯じゃくて、ギャンブルの領域だと僕は思ってる。だからきみが何かを賭けるというのなら、もちろん受けるさ。ただしルールの穴はつくし、裏もかくし、三味線だって弾くし、イカサマだって駆使するとも。だってギャンブルってそういうものでしょう?]


「ぐぬぬぬぬぬ! 勝てる気が全くしないね! 誰よ、運ゲーを繰り返せって言ったの! ロキアスさんだ! あの野郎! また騙された!!」


[ロキアス……ああ、あの胡散臭い月眼か。彼はプレイヤーじゃなくて観客ギャラリーを気取ってたから興味無かったけど……相変わらず胡散臭いんだね、彼]


「実は呼べば来るらしいけど、どうする? 呼ぶ?」


[……へぇ。それは面白い。神様がそれを許可したんだ。彼もプレイヤーになるのかな?]


「みたいだよ」


[…………でもまぁ、正直に言うとあまり興味は無いかな。彼はゲームに熱中してくれるタイプじゃないだろうし]


「それはそう。手札じゃなくて、パーティル様の顔をずっと見ててそう」


[胡散臭い上に気色悪い魔王だね……]


「だよねー。呼べばルンルンで観察に来るんだろうけど、こうなったら意地でも呼ぶもんか。どうせ今も観察してるんでしょ? せいぜい悔しがれー! あんな最低な召還呪文(助けてください偉大なるロキアス様。あなたのことが大好きです)なんて絶対唱えるもんかー! そこで指くわえて見てろっ」




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



[なぁ、一発だけフェトラスとパーティルを殴りに行ってもいいかい?]


〈ダメに決まってるだろうが……〉



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「もういい。本気出す。あんまり使いたくない手だったけど、仕方ない。月眼状態の方が頭が冴えるし、さっきだってパーティル様をちょっと追い詰められたし」


[いいね。僕も本気で迎え撃ってあげるから、全力で来てよ]


「よーし。やるぞー。まずは座禅を組んで……そして…………」


[………………]


「…………えへ…………えへへ…………ぬぅぇへへ……」


(嗤い方ヤバすぎないかい?)


「……やぁん…………ごちそうだらけ……ありがとぅ……」


(わざわざ座禅まで組んで、集中したフリまでしちゃって……言葉がポロポロ漏れてるよ……)


「………………ふふっ]


 ねぇお父さん。


 音色が響く。

 雰囲気が変わる。

 圧が異なる。

 気配が正される。


 ねぇお父さん。


 本来なら一瞬で至れるはずのそれに、わたしは殊更時間を掛けた。


 純度と密度を高めて固めて、綺麗なものを美しく自分好みにコーティングして。


 そして最後に脳内お父さんが突っ込みを入れてくる。



『やりすぎでは?』



 えー? これでも全然足りないんだけどなぁ。



 最後の魔法の言葉は口にしない。


 パーティル様に聞かせるんじゃなくて、ただわたしが心から想うだけ。



[……お待たせしました]


[…………いいね。とてもとても良い。どういうことだい? 今までとは純度が桁違いだ]


 パーティル様が敬意を表したように一礼してみせる。その姿は少なくとも子供の容姿には似合わない、完全なモノだった。


 それに対して私は優雅に答えてみせる。


[お父さんが生まれ変わってるかもしれないから、ちょっと急ぎたくて]


[……そうかい。じゃあ前置きはいらないね。では何のゲームで勝負する?]


[それなんだけど、ちょっと思い付いたことがあって。やっぱり月眼状態の方が頭の回りが速くなってるのかな]


[僕はもうずっと月眼状態だからその性能差は実感出来ないけど……まぁ、そうなんじゃないかな]


[ふぅん……まぁいいや。とにかく今回の勝負はどうしても勝ちたい。なので、こちらから仕掛けてもいい?]


[いいとも。どんなゲームでも僕は受けてたつ。ただのジャンケンでも、今のきみとなら白熱しそうだ]


 パーティル様が愉しそうに答えてくれたので、わたしは覚悟を決めた。


[では改めて聞こう。何のゲームで勝負する?]






[運ゲーで。――――ギャンブルを・・・・・・しましょう・・・・・






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