まるのない世界
彼のお話
この世の中には「まる」を忌み嫌っている
具体的いうとアルファベット文字の「オー」は四角
タイヤの形は多角形だ
ほぼほぼ「まる」に見えるが
あくまで、「まる」という形ではないことを売りに
販売しているらしい
どうしてそこまで「まる」を嫌うかって?
まあ、その話は後々わかるよ
こんな世の中だから不便なこともたくさんある
たとえばトイレ、これは大変厄介なんだ
普通は「オー」君らで言うところの「まる」だが
僕らの四角だからね
角ばった便座にお尻を置いて用をたすのさ
これがまた下に流れないんだ
お次に容器
これは大変だね
「まる」を忌み嫌う僕らからした、「まる」皿なんてとんでもない
全て底も柱角ばっているんだ
洗うときに洗いにくいったらありゃしない
まあそこて本題なんだけどさ
何故僕らが「まる」忌み嫌うとおもう?
まあ、大昔は「まる」を差別する意味はなかったから
魔法陣を描くにしても、お寺の木魚を叩くにしても
「まる」という概念はとても好まれてきた
なのにどうして今では差別化されるのか
それは、このお話が終わってしまうからだよ。
語り手の彼の世界。
「まる」を忌み嫌うということでした。
なぜ忌み嫌われるか。
たいていの小説は句点、すなわち「。」で終わりを迎えると思います。
彼は、彼らは、それを知っていた。
つまりはそれを知っていたからこそ「。」を忌み嫌って行ったのではないでしょうか。