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Partner light  作者: しんる
17/20

Partner light17

自分を

写すもの

見た目より

心は綺麗でなかった


Partner light #17


だから

それは嫌いだ

飾っているわけでもないのに

ひとは

自分を綺麗だという

否定したくて

傷付けた

自分をそれを

 

本日は一試合。

準決勝というものだ。

俺は髪を弄びながら戦闘の文字が出ている掲示板を見た。

後ろに振り向くと結んでいない青い髪がついてまわった。

「・・・邪魔だ。」

どうしてゴムを置いてきてしまったんだろう。

「まあ、自業自得ですわね。」

・・・あんずの言う通りではあるが。

「なんかボーっとして返してくれなかったからさあ・・・」

「その姿を見ているとボーっとしたのもお姫様だったのも肯けるがな。」

「うるへー」

慰めにならんぞ、それは。

「似合ってるからいいですよ。」

レンも慰めになってないって・・・。

とぼとぼと会場に向かうのだった・・。



扉を抜けたらそこは

・・・ミラーハウスもどきだった。

鏡というだけでも嫌なのに、魔力が込められているのにもうひとつ嫌悪を感じた。

「意味道理のマッジクミラーかな・・・」

ぐわーん

相手の姿も確認できぬまま試合が始まった。

「<有よわが友よ、我ソラリスファに力をかしたまえ>」

俺はすぐに構える。

「<シューティング>」

ドガっとミラーにあたる。それがすぐさま跳ね返ってくる。

俺は1歩右に出てそれを避ける。青い髪が遅れてついてくる。

「やはり・・・」

迷惑な代物だ。今回は余裕でよけれたが・・・・

はっと、魔力を感じ体を傾けながら振り返る。

すぐに元頭のあった場所を雷の矢が通り抜ける。

「さすがにできるようね。」

矢を放った張本人が少し離れた鏡のうえに立っていた。

20歳くらいの女性だった。いかにも魔導士という感じの服装だった。

しかも過激系。

「可愛い容姿をしてても、準決勝まで進んだだけはあるみたいね。」

「・・・可愛いって言われても全然嬉しくないけどな。」

俺はすぐに構える。

「<プレス>」

ぐしゃっと鏡が上から潰された。

女は寸前で飛び上がっていたらしく無傷だった。

「<ライトニング>!」

「<ソード>」

飛んだときに打った雷を俺は魔力の剣で散らした。

すたっと俺の目の前に立った。

「可愛い上に強いのね。<スパーク>!」

ばりっと体に電気が走ったが、寸前で前の戦いの男が張っていたように、魔力防御を張ったため大したことにはならなかった。俺は余裕を見せるようにニヤリと笑った。

「お姉さんもかなりやるね。<メテオ>!!」

俺は右手のソードを下げながら思いっきり後ろに飛びつつ、隕石を呼び出した。

かなりの数のガラスが散った。

それで倒せるとは思っていない。

俺は走りながら剣を構える。

あー、髪が邪魔だ!!

女がいるだろう場所に、姿はよく見えないがそこに剣を振るった。

血が散った。

同時に俺は来た方向へと爆風で吹っ飛ばされた。

衝撃でソードが消え、雷に焼かれ右腕が痛かった。

体勢を整えつつ俺は次の魔法を唱える。

「<光よわが友よ、我に力をかしたまえ><ヒール>」

まばゆい光の後、火傷は完全に治っていた。

「傷を治すなんて洒落た考えだけど、攻撃はしない気??」

女は雷の剣を構えた。

「ライジングストーム・シフトソードか・・・」

「ええ、切られたら意識が飛ぶでしょうね。」

にっこりと微笑みつつ握るその剣が、じじっと音を立てた。

「体勢も私のほうが有利。魔法属性からしても、光では大した魔法は使えないでしょう。」

「どうかな・・・・。」

「その綺麗な、強がりな顔が血に濡れるのは壮観でしょうね。」

ふふっと女は色っぽく笑う。

俺は次の魔法のために魔力を練る。

「やぁああ!!」

「<白蝶>!!」

女が手にする剣が振り下ろされるのと、俺の魔法の発動は同時だった。

まばゆい光の後、俺は無傷でそこに立っていた。

今のところ、女も無傷だが。

「まさか・・・。」

女の蒼白な顔が見えた。

「その魔法まで取得しているなんて!!」

俺の掌の上にいる3匹の白い光の蝶を驚いた目で見ている。

光魔法の最高位魔法、白蝶。

その名の通りの白い蝶が現れる。

その蝶ひとつひとつが光魔法の全ての魔法を使うことができる。

さっき俺を守ったのは鉄壁という魔法だ。

俺は女と距離を取る。

蝶達は俺の手から飛び去っていく。

「ふん!・・・精神力がどこまで続くかしらね!?<スパーク>!」

雷の塊が蝶に当たる。

俺にも少しだけ衝撃が来るが、たいした重さではなかった。

蝶もびくともせずにそこにいた。

「そろそろ終わりにしようぜ・・・。」

俺は右手を上げる。

3匹の蝶と俺とのシンクロ率を最大にまで上げる。

息を吸いこむ。

女が最後の抵抗とばかりに魔力を練った。

俺も最大の力で臨む。

「ノヴァ!!!」

「<サンダボルト>!!!!」

3匹の蝶から発された白い圧力は

女の魔法をかき消した。

そして鏡の大半を瓦礫の山へと変え、

立っているのは俺だけだった。

俺はくるりと回り入ったドアへと向かった。

俺の後ろを、青い髪、白い蝶がついてきた。


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