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Partner light  作者: しんる
16/20

Partner light16

常識とは

個人のものであり

その定義を

明確にもてない


Partner light #16


彼の

彼の持つ常識が

彼の普通が

みんなの

常識打破ないことそれに

愚かな君は

全く

気がついていないのであろうか


で、翌日。

今日は二試合あるらしい。

俺の一戦目は・・・。

「合成か。比較的楽なのが来たな。」

で、内容は・・・・・・。


「はあーーー魔法剣<サンダボール>」

・・・魔法剣って合成の課題に入るような代物だったのだろうか?

サンダボールの魔法剣なんて普段使ってる程度のものだと認識しているのだが・・・。

ああ、魔法剣って普通に魔法をかけるのの3倍くらい難しいって言うのが世論だったっけ。

そっかー難しいんだ。

そうだよな。L4の3倍ってL12だもんな。そりゃ難しいよ。

遠くで係員の「早くしてください」の声が聞こえた。

空耳だろうか?

手に持っている『それなり』の名刀を俺は見た。

「・・・・<ランヴァ>」

木のL8。

一昔前まで毎日のように使っていた魔法剣をかけた。

・・・・俺の常識ってなんだろう。


「で。」

「協議の結果、剣の持ちこみは禁止だそうだ。」

他の選手が必死になって「合成」の課題に取り組んでるのを横目に俺はあんずと並んでソフトクリームを食べていた。

「魔法大会は魔法のみに頼って、と言う事ですのね。」

「迷惑な事に、「そうです」って言ってた。」

魔法具も杖以外持ちこみ禁止になってるくらいだから無理だろうとは思ったが・・・。

「まあ、あなたなら剣など使わなくても、魔法だけで勝てるでしょうけど。」

「でも結構痛手なんだよなー。」

「そうですか?」

スプーンを口に持っていきつつあんずが言う。

「なんてったて間合いが違うから・・。魔法を唱える時間を考えて間合いを取らなきゃなんねえだろ。」

そう言いつつ俺はワッフルタイプのコーンをかじる。

「いつも剣で戦っているから加減かわからない、と。」

「そういうこと。」

俺はコーンを包んでいた紙を握り、くしゃくしゃにした。

トーナメント表が移る画面を見た。

次の試合の内容を示す『戦闘』の文字が俺の名前の横で点灯していた。


白い砂浜、青い海。

その向こうはまた白い砂浜だった。

「・・・海を挟んで戦闘するのか・・・・。」

まだ相手は来ていない。閉ったままの扉が砂浜の向こうにたたずんでいた。

水というのも厄介なものだ。しかも海水。確実に電気を通すだろう。火も消える。

結構距離があるから相手に魔法を当てるのも一苦労だろうし・・・。

うーん。

お、相手が出てきた。

・・・魔法使いとは思えない風貌。

ていうか、また男。

俺の溜め息と同じに銅鑼がなった。

「<水よわが友よ、我ソラリスファに力を貸したまえ>」

とりあえず妥当なところを唱えておくが・・・。

この距離では当たらないだろうなー。

かといって、この海を渡るには一般魔法の<テレポテーション>ぐらいしか方法がないし・・・。

相手の方は・・・浮いてる。

「・・・・一般魔法の妖精の羽、か!」

そういう空に浮かぶための魔法も存在してたなあ。

だが、あの巨体に妖精の羽では・・・

似合わない上に的だよなー。

「・・遠慮なく行くか。<ウォータアロー>」

ばしゅ、と水の矢が発射された。

パシ、と相手に当たる。

が、

「・・・・利いてない。」

あの巨体だ。真っ向から魔法を打ち消してしまったようだ。

そして男がこちら側に着く。

「どうだい、俺様の究極の筋肉は!」

・・・・・・

「お嬢ちゃんのかわいい魔法ではダメージにならないよ。」

・・・お嬢ちゃん。

「・・・だ・れ・が、『お嬢ちゃん』だって?!」

俺に向かっていったのか?!

「はっはっは、怒った顔もかわいいね〜」

あまつさえも「今夜どう?」とかきいてくるし。

「<アクア>!!」

強い水流で押し流す。あまり利いていないようだがとりあえず間合いは取れた!

「<有よわが友よ、我ソラリスファに力を貸したまえ>!!」

男が走ってくるが、近づけたくない!

あのタイプは嫌だ!!

「<ストップ>!!」

一応停止はしたようだが・・・、あれの事だいつ動き出すか・・・。少しでも有利な状況にしておかないと・・・。

「<ソード>」

ぶうん、と右手に魔力の剣が現れる。

相手は・・・、いなくなっている。

後ろか!

ふりかえる。同時に男に向かって走る。

そして首筋に刀身を当てる。

同時に動きを止める。

「首と身体が泣き別れになっても良いなら続けようぜ。」

「以外と速い動きだったな。でも、君に切れるのかい?」

「・・・戦う気は切れるよ。」

微笑み、俺は少しだけ剣を引いた。

小さな切り傷が出来て、相手は気を失った。

なつかしの『心をきる』奇跡魔法だ。

「できるだけ、血を見たくないんだよな。」

薄い線を首筋に刻まれた男は倒れる。その最後の言葉は・・・

「・・・子猫ちゃん・・・・」

だった。

最後に腹に思いっきり蹴りを入れてやろうかとも思ったが、スポーツマン精神にのっとりやめておいた。



会場から出たらあんずが俺の剣を持って待っていた。

「さっきの試合、らしくなかったですわね。」

「・・・聞こえてなかったんだな?」

聞こえてほしくない。確実に後で笑い話にされる内容だし。

「四月が会話は聞こえませんでしたわ。何を話していたんですの?」

「・・・きく――」

「子猫ちゃ〜〜ん」

あの男!!

そして―――

オレに抱きつこうとしたその男は、完璧に反射で動いていた俺の一撃で―剣を持っていなかったので魔力をこめた振り向きまわし蹴りで―いやな音を立てつつ意識を失い、

試合が終わってから大きな怪我をして

オレに病院まで引きずられてゆく羽目になったのである。


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