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Partner light  作者: しんる
15/20

Partner light15

魔力は

燃える炎の様

太陽の光に力をもらう

霊力は


Partner light #15


鋭い風の如く

月の光に輝く

精神力は

研ぎ澄まされた一滴の水

氷とともに水星からそそぐ

気力は

力強い土を思う

遠く土星から存在がある


その後、二回戦は相手が棄権してくれたため楽に進め、三回戦は『魔法の皮袋』の製作で、普段使っているやつをもう一個作ったら勝てた。あの皮袋をひとつ売ったら一週間は確実に暮らせるらしい値段がつけられた。

そして、四回戦は・・・

「戦闘、ですか・・・。」

今、俺の隣にはレンがいる。わざわざ見に来てくれた。ほかの二人は今は別の試合を見に行ってるとか。薄情な奴等め。

「まあ、どうにかなると思うが。剣の持込が出来ないのがつらいな・・・。」

「魔法のみ、だからですよね?」

俺の剣は試合中はレンが持っていてくれることになった。

「魔法剣は認めないってことなんだよなー。」

ひどい、横暴だ、とは毒づいてみるものの・・・。普通に魔法剣が出てくる可能性を運営委員会は考えていなかったのだろう。

「ま、とりあえずいってくるわー。」

いってらっしゃい、とレンが言ってくれた。


暗い門から出る。

ひらけたそこは日の光の当たる砂地の闘技場だった。はっきり言って、歩きにくいし照り返しはひどいし環境は最悪だ。

魔法も使いにくい部類が多く出る。

まず、土のL1のアースなんかは地面が固くないと使いにくいし、風系の魔法は確実に砂を舞い上げる。

どういう作戦で行こうか・・・。

そうこうしてる内に相手側も登場してるじゃん。

そして、ゴング・・、銅鑼が鳴る。

「<土よわが友よ、我ソラリスファに力を貸したまえ>」

どうにか先手をとらねえと・・・。

地の魔法はL8から土というより重力になる。これなら砂を巻き上げなくてすむだろう。

「<グラビティボール>」

俺はそのボールをぽいっと投げる。

相手側の足元に落ちた。動きからして魔法ではじいたのだろう。

「<ランヴァフェクト>」

木のL13・・。かなり強い捕縛の魔法だが・・・。木の魔法は地面からしか来ない!

「<グラビティシールド>」

土系のたて呪文でそれを打ち消すが・・・。

「・・・意外と強いな。」

完全に消せねえ・・・。

俺はとっさに上に飛ぶ。魔法が追ってくる前に・・・

「<グラビティアクト>」

「<ランヴァアロー>」

打消しと同時に相手からの追加が入る。

俺から少々離れた場所から木の矢が発射される。地面に降りたところに攻撃が届くように発射さえているようだ。

「・・・<グラビティアロー>」

同じアローで迎え撃つ。そして追い討ちに・・。

「<アースシェイク>!!」

砂地に足が着いたと同時に地震の魔法を放つ。術をかけた俺以外は立っていることが出来ないだろう。

「・・・砂に吸収されているな。」

やわらかすぎる地面にはききにくかったか・・。

が、時間を稼ぐには十分だ。

「<有よ、我友よ、我ソラリスファに力を貸したまえ>」

無属性の対極にある有属性の魔法を使う。土や木よりずっと高度な魔法になるがこっちの方が使いやすい。それに強いし。

俺は魔法を具現化するために掌にエネルギーをためる。

そのまま出来るだけ相手に近づく。まだ相手は体制を整えきれてない。これは確実に入る!

「<デストロイ>!!」

爆風で砂が巻き上がる。

この魔法は至近距離で決まるとだいぶ強い破壊力となる。

有魔法は物理攻撃のようなものなので魔法使い相手なら一番効きやすい魔法である。なんせ、魔力や精神力ではダメージを押さえる事は出来ないのだ。

これで終わったつもりだが・・・。

「<ランヴァストーム>!!」

相手からの最後の足掻きだ。地面から生えてきた大量の太い蔓が俺を巻き込もうとするが。

「<ロット>」

腐敗の魔法だ。実態があるものは確実にこの魔法で相殺できる。

そして・・・

「とどめだ!<ソード>!!」

ブン、と軽く握った右手にエネルギーで作られた剣が現れる。

そしてその剣を薙ぐ。

「・・・みねうちだ。」

相手はその場に崩れ落ちた。

そして銅鑼が鳴る。


「優勝候補だったようだぞ。」

本日の試合は終了し宿に戻ってきたところで真珠が言う。

「道理で強いと思ったんだ。」

「ほのぼのと言わないで下さい。これで優勝者がわからなくなったとみなさん話していましたわよ。」

あんずがそうツッコミをいれてはいるが・・。

「まあ、俺も優勝する気で出てるんだし。とりあえず全属性マスターしてるから大抵の敵には勝つ自信はあるんだぜ。」

あんずが何故か固まる、・・・変なこと言ったつもりはないんだが・・。

「お兄ちゃん、全属性マスターって出来るものなの?確か相対する属性を覚えるのって滅茶苦茶大変だってきいたよ?」

確かに世論はそうなっているが・・・。

「裏技を使って一気に覚えたからそういう感覚はなかったんだよな。」

「・・・・裏技。」

呆れ顔のあんずがいう。

「ああ、裏技。別名自爆技とも呼ぶんだけどさ。」

「何をしたんですの?」

言ってわかってもらえるか微妙だが・・

「最初に四大属性のそれぞれL1を覚えてー」

四大属性のL1とは火<ファイア>、風<ウィンド>、水<ウォータ>、土<アース>だ。

「均等にぶつけてエーテル化してエーテル状態でレベルを上げると同じレベルの魔法は全部覚えられるんだぜ。」

・・・・わかってない顔だ。

多分「エーテル化」からわかってないと思うが・・・。

「・・・続きの説明して良いか?」

「とりあえず『エーテル状態でレベルを上げる』から説明してほしいところですわ。」

「ぼくは『エーテル化』がわからないです。」

あ、真珠も頷いてる。

「あー、エーテル化っていうのは合成魔法の一種で、同じ四属性内の全ての属性を同じ強さで同じタイミングでかけるっていう合成の仕方で、この場合四大属性のL1全てを合成したんだ。

そしたら『エーテル化』が起きて均等に混ざった合成魔法『エーテルL1<分離>』になって普通の魔法じゃなくて『錬金魔法』っていう錬金術と魔法が混ざったやつに変わるんだよ。」

「普通はエーテル化なんておこせませんわ。少しタイミングがずれただけでも爆発が起こりますもの。」

「うん。死ぬかと思った。」

あ、またあんずがあきれてる。

昔の俺は一般常識とは違う次元の人達といたからなあ。

今は比較的まともな感覚を身につけるにいたっているが。

とりあえず説明の続きだな。

「で、その<分離>で分離した物質を<化合>を使ってもとの物質に戻すんだ。例えば水を酸素と水素に分離してそれをまた水に化合する、みたいな。

<化合>は『エーテルL2』だからこれで全ての属性の魔法がL2まで使えるようになる。L2が使えるってことは応用でL1も使える事になる。そっからあとはエーテルのままレベルを上げるか普通状態で魔法を練習してレベルを上げるか、だな。」

・・やっぱりわかってない顔だ。

「まあ、理屈はそうなってるけど頭で理解できる範囲を超えた世界だからねえ。」

「・・・やっぱり魔法使いなんだな、おまえ。」

真珠が頭痛そうな顔でいった。


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