変な人達~前編?~
しばらくして、落ち着いた後、顔を上げた。
嗚呼、きっと物凄い顔になっているのだろうな。
「うわぁ・・・」
失礼にも帽子野郎が一歩下がった。
うわぁってなんだ、うわぁって。
「アハハ、ごめんね。余りにも酷い顔だったから・・・。」
少しはフォローしろ。正直過ぎる。
「・・・私、考え見れない。・・ちゃんと喋って?」
アマネが首を傾けながら言う。
やっぱり帽子野郎は珍種なのか。
「・・・ぶはぁ!フウちゃん最高!」
げらげら笑いながら、帽子野郎はどんどんと床を叩く。
「???」
アマネが可哀相になって来たので、思った事は積極的に声に出す事にした。
「質問が有るの。あんたら何者?超能力者?宇宙人?後、破壊神ミカロスって何?私がクレーター作った件で何かしってるでしょう?」
「フウちゃん、早口だね。」
アマネは端末をいじり始め、帽子野郎はごまかした。
焦らすな阿呆。
「分かったよ。でも、その件は我等のリーダーに聴いて?もう少ししたら、リーダーの所へ通すから。」
それまでどうしろって言うんだ。
「ご飯でも食べて待ってて。・・・自分で鎖外せる?」
あの時の力が出せるかどうか、試してみたが無理だった。
「じゃあ、大丈夫そうだね。」
アマネが端末に文字式を打ち込むと、鉄格子が開く。
帽子野郎は素早く鎖を外し、皿を私の所まで寄せた。
何が大丈夫な物か。
憮然としながら、手をブラブラと振って感覚を取り戻した。
「あのさぁ、あんまり派手に手、動かしちゃダメだからね。君は骨折していたんだよ?今は無理矢理動かせるようにしたけど・・・。」
無理矢理って、人の身体を何だと思っている。
「だって、痛い痛いと喚かれても面倒だし。」
この糞帽子が!
「酷いなぁ・・・。名前有るのに。」
そういう割には、ケタケタ笑う。
人と話す時は、目ぐらい合わせろ。
「ごめんごめん。でもさぁ、君は僕の顔みても叫ばないって誓える?」
なんで叫ばなくちゃいけないんだ。そんなに可愛らしい性格してねぇよ。
「アッハハ・・・ごめん。大事な話しが有るんだよ。」
「さっさと伝えてよ。御託宣は要らない。」
話しながら、サンドイッチを口に突っ込む。
「御託宣かぁ・・・。じゃあ単刀直入に行くよ?この鏡で君の顔を見てごらん。」
鏡を顔の前に翳される。
右目の中心から、薄めた絵の具を垂らしたみたいな、薄青が広がっていた。澄んでいるのに、どこか花曇りを想わせる不思議な色合い。
さらに、純粋な黒だったはずの髪のうち、一房が銀に変わっている。
ナンデスカコレハ
ナンデスカコレハ
「フリーズしないで。能力が覚醒すると見られる、表面上の変化だよ。」
真顔で指摘される。
「僕のも見せようか。慣れると、瞳の方は抑えられるようになるから、安心しなよ。」
帽子を取ると、透き通った朱い瞳が現れた。
血を連想させる、朱い瞳。
童顔とは不釣り合いに瞳が爛々と輝いている。
それから、黒髪の中の一房の銀髪。
「どう?どうしてもたまに抑えられなくなるからね、帽子で顔と髪を隠しているんだ」
へぇ。まぁ、帽子野郎だからね。
「何それ~っ!」
帽子野郎が吹き出したところで、座ったまま動かなかった、アマネが口を開いた。
「帽子野郎、アマネさんが何か言おうとしてる。」
「・・・ん?あ、本当だ?どうしたの、アマネちゃん。」
「・・・リーダーが、後30分後に通してくれと・・・。」
リーダーはどんな人なのだろうか。
「じゃあ、取り合えず服着替えてからの方が良いよね。アマネちゃん、よろしく。・・・洋服はアマネちゃんの貸してやって。」
そういって、パタパタと走り、帽子野郎は出て行った。
さぁ、後30分。怖い人じゃないと良いな!
・・・なんて明るくやれる訳ないだろう!
せめて、情報提示されてから会いたかった。
今回も長くなっちゃいました。
なんかごめんなさい。
アクセス数が結構行っていて、本当に感謝です。
これからも変人の私と、その小説をよろしくお願いします。(変人の私はスルーで良いですよ★)