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咎人達(仮もいいところの題名です)  作者: 露華めぐり
【1】別れと出会い
2/5

変わらない日常

ジリリリリリリ!

耳元で破壊的な、朝を告げる爆音が鳴り響く。

眠りの世界に片足を突っ込みながら、目覚まし時計を殴りつける。

見事に目覚ましはぶっ飛び、自分の指はゴキリと不吉な音を立てた。

二度寝しようとしたのにもかかわらず、手の痛みで完全に目が覚める。

今日は土曜日なのに。

ケータイを取り、予定を確認する。

今日は幼なじみのユリノと、駅前の大型デパートでショッピングをする日であった。

痛む手をプラプラと振り回しながら、勢いよくベットから出る。

待ち合わせまで、後20分。7分で約束の場所に着くとしても、家を出るまで13分しかない。

秒単位で淡い黄色のワンピースを着て、薄手のカーディガンを羽織る。

長い髪に軽く(くし)を入れながら、用意してあった朝ごはんのパンを口に押し込む。


ふと、どこかで聞いた「忙しい時には朝ごはんを食べないという奴がいるが、それはおかしい。そういう事をするから交通事故が増えると、言えなくもなくもないと思わないでも無い。」というような、やけに自信なさ気な話を思い出す。

くだらない。

その言葉と一緒にその内容を横に投げ捨てた。

茶色い合成皮革のショルダーバックを取り、ゴタゴタと色々な物を入れる。

髪をササッと高い位置のポニーテールにすると、残り9分になった。意外と余裕を持って行けそうだ。

「行ってきま~~す!」

声と同時に外に飛び出した。

どこまでも青く広く、晴れ渡った空。

そんな空の下で、運命はもう、狂い初めていたのかもしれない。

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