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辺境に飛ばされました  作者: 海鳴り
トライデント編
36/45

何か来たみたいです

冒険者ランクはIからAまであり、その上にSランクがあります。

魔物のランクもIからAまであり、その上にS,SS,SSSランクがあります。

それぞれのランクがだいたい同じ強さです。

≪誠二視点≫


 今俺たちはこの都市最大の学園、トライデントに来ていた。


「・・・そのままだな」

「そうでしょうか?いいと思うんですが」


 答えたのはお嬢様。敬語は使わなくていいといわれているので使っていない。


「他の護衛たちはいいのか?」

「かまいません。あなたがいればいいので」


 そのまま奥に進んでいく。


「この建物の一階で出場者の登録をします」

「へ~」


 コロシアムのような形の建物の中に入り、また奥に進む。


「ここで登録します」

「は~い」


 そこには受付が用意されていた。


「こちら受付会場です。参加する方ですか?」

「はい」

「では、どの貴族様の仮駒なのか教えていただけるでしょうか?」

「バルダリア家です」

「承りました。他の参加者の方は?」

「あ、俺が全競技でるので」

「は?」


 あー、やっぱり普通じゃない?


「我がバルダリア家はこの人一人で十分です。登録を」

「は、はい。では登録させていただきます。身分証の提示をお願いします」


 すげえ鶴の一声ってやつだな。


「はいこれ」

「ありがとうございます。セイジトウドウ様ですね。登録完了しました。ご健闘をお祈りしております」

「ありがと」


 そうやってトライデントの登録を終えた。


「それでは誠二さん。あとは大会が始まる一週間後まで自由にしていただいて結構ですよ」

「分かった。昨日の焼き鳥がうまかったからそれ食いに行くわ」


 そうして俺はお嬢様を送った後すぐに焼き鳥屋を探した。


   *  *


「来たぞ!おっちゃん!」

「ああ、てめえか坊主」


 昨日来た裏通りにまた焼き鳥を買いに来た。


「10本だ!」

「あいよ」


 焼き上がるまでおっちゃんと話をして待つ。


「今日はトライデントの参加を希望してきたよ。全部俺一人で出るって言ったら驚かれた」

「あたりまえだ。そんなの正気に思えんぞ」


 おっちゃんも言葉を返してくれる。そんなことを話しているうちに焼き終わっていた。


「ここで食べてくのか?」

「いや、大通りの噴水のとこで食べるよ。じゃあね」

「おう。まいど」


 銀貨を渡して裏通りから大通りにある噴水まで移動する。


「お、そこのイケメンな兄さん。冷たい飲み物いかがですか?」

「ん?じゃあ一杯くれ」

「まいどありー!」


 近くにいた売り子のお姉さんから飲み物を買って噴水に座り焼き鳥を食す。


「やべえ、天国だ」


 そんな機嫌のいい俺は気づかなかった。結構やばいものが街に侵入していることに。


   *  *


 学園都市の正門には今四人の兵士がいた。交代の時間だったため数が多いのである。そんな彼らが交代する一瞬のすきに都市内部に侵入したものがいた。オーガよりも少し大きく、上半身に紋様が走っている。それの名を「暗黒大鬼カオスオーガ」と言う。オーガの上位種である。そいつは都市内で暴れ始めた。


「おい!オーガだ逃げろ!」


 気づいた住人が声をかけ避難を促す。しかし遅かった。


「きゃあああああああああああああああ!!!」

「ぐる?」


 近くで大きな悲鳴を上げた子連れの母親に近づいていくカオスオーガ。そして・・・


「がるがあああああ!!」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやーーーがびゅ」


 カオスオーガの腕の一振りで首が飛ぶ。残ったのは噴水のように血を吹き出しながら痙攣する元母親と、母親だったものを茫然と見上げる娘。


「あ?え?---------ママ?」

「ぐるがるがらああああ!」

「あ、ママ。ママーーーーー!!」

「がるるるるる!!」


 首が飛ばされ、噴水のように血を噴き出す人間の死体に満足していたカオスオーガが近くにいるうるさいものに気づく。


「ママ!ママ!マmあびゅ」


 それを虫でも潰すかのようにあっさりと頭を踏みつぶした。そしてあたりを見渡す。しかしそこにはもう獲物ニンゲンがいなかった。


 逃げられた。


「がああああああーーーーーー!!!」


 そのことに気づいたカオスオーガは雄たけびを上げる。


「いたぞ!オーガだ!」

「こりゃあ幸先がいい!坊ちゃんに戦利品として見せよう」


 そこにちょうど四人の男達が走り寄ってくる。彼らはトライデントに自分のチームのものが参加するため大会出場からは外された者たちだ。もちろんそのことに文句があるわけではない。自分よりも強い奴が戦うのは当たり前であるからだ。


「詠唱準備!」

「おう!《神よ、我に神の御力の片鱗をお貸しください。その力は蛇となり我が敵を打ち滅ぼすでしょう。≪焔蛇≫》


 ローブを着た魔法使い風の男の持つ杖から焔でできた蛇が生み出される。そしてその蛇は意思があるかのようにカオスオーガに向かっていく。


「があああーーー!!」

「なにっ!?」

「打ち消された!?」

「こいつまsあぎっ」

「グルーム!?」


 魔法を打ち消されたことに驚愕していた魔法使いの男の上半身の右半分がなくなる。カオスオーガがでかめの岩をその膂力で投げつけたのだ。その威力はもう兵器に値する。


「くそおおおお!よくもグルームを!!」

「この野郎が!」

「死ねっ!」


 かなり汚い口のきき方をしているが彼らは冒険者の中では割と行いが良いと名高いギルドに所属している。もちろん全員ランクはC。低いと思われるかもしれないが実質10段階評価の上から四つ目。かなり高いのだ。それでも彼らが全滅するのには5分ほどしかかからなかった。それもそのはず。ランクというのはそのランクの敵なら一人で倒せますよという意味だ。つまり彼ら一人一人がCランクのモンスター並みの強さというわけだ。四人で倒せるのはBランク二体といったところだ。しかし、カオスオーガは圧倒的な強さを持つ災害。


 Sランク。


 そして瞬殺された要因はもう一つあった。それは彼らがカオスオーガのことを唯のオーガと間違えたこと。それを知っていれば突っ込んでいかなかっただろう。しかし結果は出た。それが全てだ。



冒険者を殺し終えたカオスオーガは人の匂いのする方向へ歩き始める。向かう先は大通り。噴水前広場だ。






何か今回長いぞ!あれか!?グロいシーンがあるからか!?

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