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辺境に飛ばされました  作者: 海鳴り
トライデント編
35/45

運命の出会いをしよう

焼き鳥。それは伏線の味。

≪誠二視点≫


 それから馬車を三時間ほど走らせたところで街に着いた。結構でかめの町だ。


「ここが学園都市ヴァパリアだ」

「言いにくい都市だな」

「これから素材を売るために私とお前だけは冒険者ギルドに行く」

「はーいはい」


 そこで俺は護衛長のアリシアとともに冒険者ギルドに向かった。


「ここが冒険者ギルドだ。今回は冒険者登録も行う」

「それ必要なの?」

「冒険者登録をすると冒険者カードがもらえる。身分証明証代わりにもなる。ちなみに私も持ってるぞ」

「へ~」


 そのまま受付で登録をする。


「こいつは伯爵家で身分を保障する。登録を頼む」

「あ、はい。ええと、お名前は」

「誠二刀藤です。よろしく」


 最高の笑顔をつけて挨拶をする。この顔は俺の武器の一つだ。この顔を使って結構あくどいことを向こうでは(地球)していたからな。


「ひゃ、ひゃい。カードができるまでしばらくお待ちください」

「分かりました」

「次は素材だな」

「おう」


 そういえばさっきのオーガはドロップ品にならなかった。迷宮の外だからかな?


「素材はそっちの受付だ。行くぞ」

「はいな」


 登録した受付よりも奥にある受付で素材を出す。むろん全部だ。この四カ月で手に入れたすべて。


「この袋の中身全部お願いします」

「はい」


 この袋とはもちろん魔法の袋だ。いっぱい入るから楽ちん。その袋を4つ。


「あとは待つだけだな。こっちだ」

「おお。ってなんだこれ。カフェか?」

「そうだ」


 結構いい感じのカフェじゃねえか。


「すまないがお茶を二つ」

「はい」


 アリシアが店員にお茶を注文する。あ、ちなみにルナとドライグはずっと俺の後ろにいるぞ。


「結構な量の素材を売ったけど大丈夫かな?」

「当たり前だ。ここのギルドは大国の主都にあるギルドよりもでかいぐらいなんだぞ」

「ならよかった」


 そうして待つこと三十分。


「主。ギルドカードと素材の査定が終わったようです」

「おう」


 ルナに言われて受付の方に足を向ける。


「こちらギルドカードです。あと、その。査定額は王金貨200枚と白金貨60まいと金貨30枚と銀貨54枚と銅貨83枚になりました」

「・・・は?」

「へー、そんなもんか」


 アリシアが何かびっくりしてるけど俺が四カ月もがんばったんだからこのくらいが妥当だろ。おれはナルシストなのだ!


「てか俺貨幣の価値がよくわからんのだが」

「それぞれの貨幣は100枚で一つ上の貨幣と同じ価値を持つらしいです主」

「ふ~ん」


 ルナ何でそんなこと知ってんの!?


「王金貨なんて初めて見たぞ・・・」

「え?そうなん?」


 こんないっぱいもらえたのに。


「あの、今回の査定結果をこちらの紙にまとめましたのでご確認ください」

「ありがとう。ほれ、アリシア。これ結果だってさ。何を倒したら王金貨になるか調べたら?」

「あ、ああ」


 さてと。これでここでのやることは終わりだな。


「じゃ、行くか」

「ああ」

「はい主」

「は!?カオスドラゴン!?」


 アリシア戻ってきてー!


   *  *


 ギルドを出て大通りを歩いているといい匂いがしてきた。


「いい匂いがするな」

「そうだな」

「あ、ここの大通りは屋台が多いんだよ」


 アリシアが答えてくれたのはいいんだが。お前今の今まで意識飛んでたのか!?どんだけショックだったんだよ!?


「買うのか?」

「そんなうるんだ目で俺のことを見るんじゃありませんドライグ!買うから!買ってやるから!」


 俺たちが裏通りへの入り口の一つを通り過ぎた時だった。何か変な気がした。


「・・・おい。この道はいるぞ」

「なぜ?」

「了解しました主」

「分かった」

「え!?いいのか!?そんな簡単で!?」

「アリシアさっさとこい」


 そうして俺たちは裏通りの一つに入って行った。


   *  *


「客が来るなんて珍しいな」

「おっちゃんだ」


 裏通りを歩いて行くと一つの焼き鳥屋があった。そこではスキンヘッドの男がが焼き鳥を焼いていた。


「だれがおっちゃんだ坊主」

「おっちゃん焼き鳥10本くれ」

「おう」


 そうものすごくうまそうな匂いがしたのだ。それなのに客が一人もいない。


「遮断系の結界か?」

「そうだ。ここには一定以上の強さを持つ奴しか入ってこれん」

「なぜ?」

「弱い奴は嫌いなんだ。それだけだ」

「ふ~ん」


 そのセリフを聞いた誠二はにやにやと笑う。


「俺から見たらおっちゃんも弱いけどな」

「ぬかせ。表の屋台は大通りにある。また買いたければそっちに行くんだな」

「表?ならここは?」

「ここは俺の趣味だ」

「ふーん、趣味ね」

「ほら焼けたぞ」


 そういって焼き鳥屋のおやじは誠二に焼き鳥を10本手渡す。


「ありがとよ、値段は?」

「銀貨一枚だ」

「ほれ」

「まいど」


 歩いて食べるつもりなのかアリシアに1本渡して残りをぱくつきながら大通りに向かう誠二達。その背中に親父は声をかけた。


「残すなよ」

「あたりめえだ」



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