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辺境に飛ばされました  作者: 海鳴り
トライデント編
34/45

新たな始まり

前回の話から四カ月ほど経ちました。

 皆さん久しぶりです。刀藤誠二です。こちらに召喚されて四か月が経ちました。そして昨日ついに・・・迷宮を攻略しました!いぇ~い!!それで今日が旅立ちの日です。


「どこいくの?」

「知らん」

「えー」


 仕方ねえだろ!ここの外について書かれている資料がまったくねえんだからよ!どうしろってんだ!


「とりあえず外に出て街道探すぞ」

「あいあいさ~」

「はい」

「承知した」

「・・・」

「どうなさいました?主」

「いや、なんでもない」


 迷宮攻略よりも衝撃的だったのがこれだ。なんとルナとドライグが進化して人型になりやがったんだ。・・・まあ、お約束って言えばお約束だな。

 ルナの方は銀髪ロングの美人。で、なぜかメイド服を着ている。胸はDだ。何で知ってるかって?夜に色々あったんだよ。察せ。ドライグは赤髪ロングの美人。鎧を着ていて、なんか騎士っぽい。胸は驚異のFだ。


「何かお前らも強くなったな」

「「ありがとうございます」」

「ありがと~」


 フェイは・・・うん変わってないな。なんか王冠かぶってマント付けてるけどそれだけだ。いや強いんだよ?でもなんかこいつだけ全然変わらないんだよな。


「じゃあ行くか」

「「はい」」

「おー」

「<転移>」


【どこに転移しますか?

・家

・10層

・20層

・30層

・40層

・50層

・60層

・70層

・80層

・90層

・100層

・外に出る】


 ああ、壮観だわこれ。やりこんだゲームみたいだ。


「外だ」


【転移を開始します】


 あたりが光り始める。転移が始まったのだ。


「じゃあ、行ってくるな。って家が答えるわけないか」


 その言葉を残して俺たちは闇穴の迷宮から脱出した。


   *  *


 さんさんと太陽の光が降り注ぎ、辺り一帯に木が広がっている。後ろには洞窟。闇穴の迷宮のこちら側の入り口だ。


「あー。出れたな」

「はい。おめでとうございます主」

「おお」


 少し感動に浸っていたかったがそうもいかなかった。


「こりゃあ悲鳴か?」

「あと戦闘音ですね」

「剣がぶつかる音だな」

「おー、せんとうだー」


 誰かが襲われている音がしたからだ。


「匂い的にオーガだと思われます」

「ああ、あいつらね」


 とにかく助けたほうがよさそうだな。


   *  *

≪アリシア視点≫


「くそっ、お嬢様には指一本触れさせるな!」


 現在私たちは4匹のオーガに襲撃を受けている。オーガは動きは遅いがタフで力が強いので、その危険度はBとなっている。そんなのが4匹。絶望的だった。私たちは伯爵家令嬢ソフィア・レ・バルダリア様の護衛をしていた。しかし、このままでは・・・


「おーい。手伝うか?」

「!?ああ頼む!金は払う!どうか!」


 冒険者か!?とにかく助かった!


「分かった。とりゃ!」


バギッ! ズドーン!!


「え?」


 何が起きた?男が拳を振りかぶって、オーガが飛んでった?


「ええ!?」


 そんなありえない。拳が目で追えないだと!?私はこれでもAランクの冒険者と同じくらいの実力があるんだぞ!?


「おー、結構飛んだなあ。じゃあ次行くぞー」

「あ、ああ」


バギッ! ズドーン!!


「・・・また見えなかった」


 早すぎる。なんなんだこいつ。


「主。こちらも終わりました」

「こっちもだ」

「え!?うそ!?こんな早く!?」

「おー御苦労」


 男と一緒にいたメイドと騎士っぽい女性がオーガを引っ張ってきた。オーガはもう死んでいた。


 なんなんだよこいつら。


   *  *

≪誠二視点≫


 なんか人助けをしたら伯爵家のお嬢様だったらしく、護衛の人たちにすごく感謝された。てかよく考えたらこれって第一異世界人発見!ってやつじゃないか!?おお!俺初めてこの世界の人と遭遇した!


「ありがたや」

「?」


 拝んでみたけど伝わらなかったようだ。首をかしげてしまった。ここの護衛のみなさんは全員が女性だ。どうも娘の護衛に男をつけるのが不安だったらしい。うむ、親ばかだなこのお嬢様の父親は。・・・仲良くなれそうだ。


「あなたが私たちを助けてくださった冒険者のかたですか?私は伯爵家ソフィア・レ・バルダリアと申します」

「ああどうも、これはご丁寧に。私は誠二刀藤と申します」

「セイジ様ですか・・・かっこいいですね」

「ありがとうございます」

「き、聞こえてましたか」

「地獄耳ですので」


 いやー、お嬢様は美形だった。それに教育がしっかりできてた。こりゃあ親父さんもただの親ばかじゃねえぞ。


「それでセイジ様にひとつお願いがあるのですが」

「お願い?なんでしょうか?」

「はい、この先の学園都市までの護衛とそこで行われる大会に出ていただけないでしょうか?」

「大会?」

「はい、この大会は生徒がどれだけの目を持つかを図る大会でして」


 簡単にまとめるとこんな感じだった。


・生徒は何らかの方法を使い、戦えるものを集め、その者たちを戦わせる。

・これは生徒がどれだけ見る目があるかを図るためのものである。

・競技ボードゲーム、団体戦、個人戦の3種目がある。


「面白そうですね」

「どうでしょうか」


 街に行けるのはこちらとしても好都合。


「いいですが二つだけ条件があります」

「なんでしょうか」

「こちらはどこかで魔物の素材を売りたいので、売れる場所を紹介してください」

「あ、はい。分かりました」

「それと私は全部の競技に出さしてください」

「ええと、なぜでしょうか?」


 心底分からないという風に聞いてくる令嬢に俺は笑顔で返した。


「楽しいからですよ」


    *  *

≪ソフィア視点≫


  私は今までにこんなに恐怖を感じたことはなかった。いくら護衛長のアリシアがAランクの冒険者並みの実力があるにしても、さすがにオーガ4匹は・・・


「お嬢様、我々が盾になります。そのうちにここから脱出してください」

「そ、そんなことできません!」

「お嬢様!」


 そうやって護衛の人ともめてる時だった。勇者様が現れたのは。


「おーい、手伝うか?」


 それからはあっという間だった。オーガなんてザコだとでもいうふうに皆殺しにし、こちらに振り返って安心させるように笑った。その顔は、ものすっごく美形だった。他の護衛たちも顔を赤く染めていた。 私はどうしてもこの人にトライデントに出場してほしかった。近くにいてほしかった。だから勇気を振り絞って声をかけたのだ。


「あなたが私たちを助けてくださった冒険者のかたですか?私は伯爵家ソフィア・レ・バルダリアと申します」


ルナとドライグは人化のスキルを得ました。夜は主人公と・・・ね。そして主人公はようやくこの世界の住人に会いました。まだ男に会っていない・・・

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