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辺境に飛ばされました  作者: 海鳴り
辺境に飛ばされました
32/45

ぶちのめそう

この話のキャラ達が召喚されなかった世界でモンスターパニックが起きたらどうなるかを書いた「モンスターパニックを楽しむ部活ですが何か?」を連載しています。能力は本編と違いますがそのほかは同じ設定になっています。・・・ただ作者がモンスターパニックを書きたかっただけです。すいません。

 戦闘はすぐに始まった。理由は簡単。俺が突っ込んだからだ。


「おりゃ!」


 近くにいたワーカーアントにかかと落としを決め、すぐさまそいつに《紅蓮》を発動させる。そしてそれを近くにいた集団に投げつける。


ドオオオオオオン!


 ありったけの魔力を込めた一撃は結構効いたようだ。かなりの数を巻き込んでいた。ちなみに俺の魔力は無限だが、一度に放出できる量は無限ではない。蛇口もずっと水を出し続けるけど一定以上は出せないだろ?それと同じだ。

 とにかく魔力の残高を考えずに《紅蓮》を発動させ、ナイトアントをはるかに上回る筋力を持つ俺はかなりの強敵だろう。


「邪魔!  およ?」


 また一匹ぶっ飛ばしたところで奴らに動きがあった。ワーカーアントだけが前に出てきて、ナイトアントが後ろに下がったのだ。


「ああん?怖気ずいたのか?」


 今までの徹底抗戦とは明らかに違う対応に眉をひそめる。しかしそれは間違いだった。


「そんなわけがなかろう?私の子供たちを殺したお主を許すわけがなかろうが」

「・・・は?」


 何が起きた?ナイトアントが後ろに下がったと思ったら女王蟻がでかくなって、周りに鎧を着た黒い騎士が4人立ってる?おもわず二度見してしまった。


「これが我のスキル『同族合成』よ。この騎士には一人五十匹ほどのナイトアントが合成されている」

「えー、まじか」

「ちなみに私は100匹ほど合成されている。戦ってみるかね?まあ逃がすつもりはないが」


 なんだよあれ、チートかよ。え?俺が言うなって?すいません。


「で?俺の相手はお前らなわけ?」

「そうだ。いけ、ブラックナイト」


 女王蟻がそう命令すると四人の騎士がかなりのスピードでこちらに向かってくる。


黒騎士ブラックナイト

LV50

上級━3

上位スキル《黒騎士Ⅵ》


 うわあ、上位スキルだよ。てか上位スキル持ちのときはああやって表示されるんだな。それよりあいつら強すぎない?こんなところにいていい強さじゃないよ!?


「シネ!」

「しゃべった!?でもそれは勘弁!」


 結構な速さでこちらに向かってきたブラックナイトを背負い投げする。


「ガハッ!ナニガ!?」

「げ~ん~こ~つ~っておわっ!」


 少し遊んでいたら後ろから剣で刺されそうになった。


「ダイジョウブカ?ユダンスルナヨ」

「ワカッテイル」


 う~ん。四人は結構厄介だな。


「ふふふ、苦戦しているな。どうした?終わりか?」

「ほざけ。何人相手だろうと俺は負けねえ。何でかわかるか?」

「ほう?なぜだ?」


 女王蟻が面白そうに聞いてくる。


「なぜなら俺は生物部・・・の副部長で、戦闘特化型だからだよ!」


 それを言い終わるのと同時にブラックナイトに接近する。俺の踏み込みは地面に小さなクレーターを作っていた。


「うぜえんだよ」


 二体のブラックナイトの腹に拳をぶち当て、《紅蓮》を発動させる。二体とも壁までぶっ飛んでから爆発した。


「ナニ!?」

「バカナ!?」

「はっ、少し混ざり合ったからって調子のんな」


 驚愕してる残りの二体に挑発する。しかし体はもうガタが来ていた。


(さっさと決めないとやばいかもな)


 今の本気の一撃はさすがに体にこたえたようだ。


「クソッ」

「しゃらくせええ!」


 剣を構えてこちらに向かってくるブラックナイトの腹に拳をぶち込み、かぶとを鷲掴みにして、握りつぶす・・・・・。気功を全力で手に集めたのだ。


「ナニッ!?」

「らっ!」


 驚愕で足の止まったブラックナイトに回し蹴りをたたきこみ、高くジャンプする。そして、天井を蹴って勢いをつけ、突き出した拳をたたきこんだ。地を揺らすほどの衝撃をたたきこまれたブラックナイトは粉々に砕け、後にはクレーターとドロップアイテムだけが残る。


「ははは、どうだ?女王様。これが俺だ。これが学校最凶といわれる部活の戦闘特化型だ」


 うちの学校の部活はほとんどが全国に行く。全国大会優勝というチームまであるのだ。それでもその中でもっとも危険と言われたのが我らが誠二の所属する部活である生物部だ。六人しかいない弱小部活でありながらなぜ危険といわれるのか。それは彼らがなぜか表社会でも裏社会でも強い発言力を持っているからだ。それに・・・


「俺の他にもいろんな奴が勇者として召喚されてるみたいだけどよ。そん中でも人間を殺しても顔色一つ変えないのは俺らだけだぜ?」


 そう俺らはみんなどこかしらおかしいのだ。そんなおかしな奴らの中でも特におかしかったのが俺だ。なにせ向こうにいた時からある程度の力が使えたんだからな。


「ま、こんな話お前にしても意味はないからな。スルーしてもらって構わん。さっさと決着つけようぜ?これでも早くこの迷宮を攻略して外に出たいんだからな」

「・・・」

「ん?準備はまだか?結構待ってやったと思うんだが」


 軽口を叩いている間に女王蟻が準備していたものがそろそろできるころだと話をやめる。


「お前が自分のブカツとやらを誇りに思っていることは分かった。それでも私たちには私たちの誇りがある」

「・・・ふーん?別にお前らの誇りなんてどうでもいいけどな。それよりもさっさと」


 足に力をかけて地面にクレーターを作る。


「殺させろや」


ちなみに誠二は身内以外には全く優しくありません。やくざみたいなやつです。決して物語に出てくるような完全な正義じゃありませんのであしからず。

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