オークと戦おう
期末の真っ最中に何やってるんだろう俺。
「先手必勝!!攻気剣!!」
気をまとわせた刀でオークを切りつける。
ズバッ!
「ぶひぃぃぃ!」
「ちっ、脂肪が厚いな」
しかしオークは一撃では死なず、手に持っていた棍棒で殴りつけてくる。
ブンッ!
「よいしょっ!と」
その攻撃を受け流し、地面にめり込ませる。そして
「らあっ!」
今度は比較的脂肪の少ない首を狙う。
「ぶひ!?」
「おっせぇぇ!」
ズバッ!
「入った!」
「ぶひぃ…」
棍棒が地面にめり込み大きなすきができていたオークは、首をほぼ真っ二つにされ、死んだ。
「ふぅ」
「おつかれ~」
戦闘が終わりフェイが声をかけてくる。それにしても・・・
「本当に太陽まであるなんてな・・・」
今俺たちの周りには広い草原が広がっている。目を凝らせば森も見える。俺はこのエリアを知っていた。
「これがたまに迷宮に現れる『大いなる層』か」
『大いなる層』とは迷宮の中に時折現れるフロアだ。かなり広いステージの中にフロアボスがいて、そいつを倒すと入ったとこよりもいくつか上の層に出ることができる。たとえば30層で入ってフロアボスを倒すと37層に出るといったように。
「ということはどこかにフロアボスがいるのか。どこだ?」
「せいじ~なんかくる~」
「ん?なんだ?あれ」
よく目を凝らしてみると何かが飛んできていた。
「・・・・・・!!!???」
ここでいきなり質問だが皆さんは紅の豚を知っているだろうか?その中に『飛ばない豚はただの豚だ』という名言がある。そう、飛べない豚はただの豚なのだ。では飛ぶ豚は?蝿っぽい羽根が生えていて槍をもっていて、こちらに向かってくる豚は?答えは・・・
「超きめぇぇぇぇ!!!!」
豚人妖精
中級━3
LV15
魔導術Ⅳ・槍術Ⅳ
きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもい!!
「きっもーーーーーーーーい!!!!」
なんでそんなにぶんぶん飛んじゃってんの!?きもいよ!?
「ぶひー!」
「きも・・え?」
ぶんっ、ぼがぁぁん!
「がっはぁぁ!」
何だ今の!?槍が変な膜でおおわれたと思ったら、先端が爆発しやがった!気功術か!?いや違う。今のは魔力か?・・・ステータスに書いてある魔導術ってのはこれか!
「ダブるふれイム!」
「がう!(アイスニードル!)」
「ぶひー!?」
妖精オークの横から二種類の魔法が撃たれた。フェイとルナだろう。
「シュー!」
「ぶひ!?」
魔法をくらってあたふたしていたオークの背中に飛び付いたハットリが糸で両足と羽根を縛る。
チュドォン!
「ゴォーーー!」
「ぶひ」
そして最後にドライグが火弾でオークを落とし、ゴムレスがとどめを刺した。
「だいじょうぶ!?」
「ああ悪い。助かった」
フェイが心配そうに眺めてくるがそこまでダメージがあったわけではない。それよりもあの技。
「フェイ、いやみんな」
「ん~?な~に?」
「修業するぞ!」
俺はあの魔導術を極める!




