間話5 過去話「幼馴染」
過去編です
僕の名前は山下七海。みんなにはよく女に間違えられるけど男だ。そんな僕が生物部に入るまでの話。聞いていただけると嬉しいです。
僕には幼馴染が一人いる。名前は刀藤誠二。僕とは違ってものすごく男らしい。しかし彼は生まれながらに病気を持っている。ミオスタチン関連筋肉肥大だ…………いやそれに似た『何か』である。確かに誠二は細マッチョだし軽自動車ぐらいなら蹴っ飛ばせる。しかしそこまで筋肉モリモリというわけでもないのだ。
「彼は親が特別なんだよ」
「彼の親はすごい人だったのよ」
そう言っていたのは誠二の両親だ。実は誠二の両親は本当の親ではない。まあ気にしてないと言っていたし誠二としてはどうでもいいんだろうけど。まあそんなわけでなぜかは知らないが誠二は『超人』なのだ。
去年の春、僕の高校入学と同時に突然誠二が提案したんだ。
「部活を作ろう!」
「はい?」
あまりにもいきなりすぎて意味がわからなかった。
「な、なんで?」
「いい質問だ。実は昨日不良にからまれたので返り討ちにした時面白い奴にあったんだ」
『うむ、弱い者いじめはいかんのう』
『あ?調子のんな筋肉野郎』
「そこから少し拳で語り合ったんだが強くてな、勝てなかった」
「え!?負けたの!?」
何で喧嘩してんだよ!とか色々思ったが勝てなかったことに驚愕した。
「いや少ししか喧嘩してないから引き分けただけ、でもあれは本気を出しても短時間で倒せるようなザコじゃないな」
「それで興味がわいたと?」
「おう!」
………このあほ!
「まあいいんだけどさ。それで?部活の承認には部員4名と顧問が必要だよ?」
あと一人部員が必要だし顧問もいない。どうするんだ?
「ああ、それなら理事長の一人娘の坂上を誘っといた」
「はい!?」
なんでそこで理事長の娘が出てくんの!?
「まあ色々あってな。それで特例で顧問なしでいいって言うからあと一人その筋肉誘おうと思ってな。お前こいつ調べといてくれない?」
理事長が娘に甘いのは周知の事実だ。まあ僕は誠二を信用してるからいいけどね。それでも…
「どこまで調べる?」
これだけは聞いておかなくちゃ。
「おう!電話番号と住所、簡単なプロフィールを調べといてくれ!」
「うん」
僕は誠二のように体が丈夫でなくて喧嘩も弱いけど細かいことが得意だ。このぐらいの情報ならハッキングすれば簡単に手に入る。
「じゃあ頼んだ」
「分かった」
それから三日後誠二と筋肉さん(本名、豪田剛と判明)は喧嘩をした。これに勝った誠二が交渉したことで剛君を部員にすることに成功した。そこから誠二と僕と剛君と坂上さんの4人で部活をすることになった。生物部なのに、一人は自由気ままに行動し、一人はそれを抑え、一人は筋トレし、一人は読書するかその光景を眺めると言う変な空間が生まれた。それでも誠二の一言でみんなが一致団結し、様々なことを成し遂げる。そんな部活が僕は好きだ。
これからも僕は誠二を支える技術者であればいい。僕には僕の仕事があるんだから。
生物部の活動は個人性を重視しておりますw
山下七海は技術者です。ハッキングから鍵開けなど技術方面にはめっぽう強いです。