ちょっと、おみまいしてみた。
突然思いついて勢いで投稿。
「すまない。ヨワッチーナが寝込んでしまって心細いと泣くのだ。
家に帰って側にいてやらねばならない。埋め合わせはする。
わかってくれるか、タクマシーナ」
ごりっ。ごりっ。ごりっ。
「またですの、フラツキー様。
ご両親と離れ離れの従妹を思いやるお気持ちは分かりますが、
これでもう五度目ですのよ?約束を反故にされるのは。
埋め合わせとやらは、一体いつになればなされるのでしょう?
わたくし達は婚約者同士なのですよ?」
ごりっ。ごりっ。ごりっ。
「きっ、君は人の心が分からないのか!
彼女がかわいそうだとは思わないのかっ!」
ごりっ。ごりっ。ごりっ。ぴしっ。
「まあ、心外ですわ、フラツキー様。
わたくしはお伺いしているだけだというのに。
ヨワッチーナ嬢のお話が今の質問に関係あります事?
なぜこの場で明言なされないのですか?
それともわたくしとは約束など出来ないとでも?」
ごりりっ。みしっ。みしっ。みしっ。
「そっ、そんな事は…と言うか、
さっきから握っているクルミで音を立てるのをやめてくれっ!」
ぱきゃんっ!
「ひいいっ!」
「ふう、そんなにこの音がお嫌ですの?
まあ今粉々にしてしまいましたから、もう音は出ませんわ。
よろしいですわ。約束の件は一先ず置きましょう。
その代わりと言ってはなんですけど」
「なっ、なんだっ?」
「ヨワッチーナ嬢のお見舞いに同行させてくださいませ。
ちょうどフラツキー様も向かわれるのでしょう?
わたくし、励まして差し上げたいのですわ」
「は、励ます?」
「ええ。
そうですわね、ヨワッチーナ嬢が心細いのであれば、
わたくしがお友達になるのはいかがかしら?
寝たきりではお気持ちも晴れませんわよ。
せめてお話し相手になって差し上げたいのです。
ご療養のお手伝いをさせてくださいませ」
「えええ…」
「さあ、ご一緒にまいりましょう」
フラツキーの襟首を片手で猫のように引っ掴み、
タクマシーナは特製の椅子から立ち上がる。
◆
フラツキーの屋敷では、ヨワッチーナがごく自然にくつろいでいた。
が、フラツキーをぶら下げて入室してきたタクマシーナに固まる。
「あら、あなた様がヨワッチーナ嬢かしら?
はじめまして、フラツキー様の婚約者、タクマシーナですわ。
寝込んでいらっしゃると伺ってお見舞いに参りましたのですが、
ご体調が戻られたようでなによりですわ。
わたくし、あなたとお友達になりたくて、
こちらへお伺いさせていただいたのです」
フラツキーをソファに放り投げて見事なカーテシーを披露する。
居間の扉をかがんで入って来た、ドレスを来た筋肉巨人が。
ヨワッチーナは声も出せない。
顔が良く、なんでも自分の言う事を聞いてくれるフラツキー。
婚約者がいるという話だったが、自分が横取りしようが構うまい。
などと考えていた彼女だが、フラツキーから聞いていた話とは、
「桁が違う、格が違う」。
「これ」から、フラツキーを奪う?どうやって?無理だ!
物理的にかなわない。絶対敵対したくない。
青い顔をして成り行きを見守るフラツキー。
ああだめだ、この男助けてはくれない。つか絶対出来ない。
この巨人から悪意は感じないが圧は感じる。とてつもない圧が。
息苦しさを感じ、ヨワッチーナは意識を失った。
◆
療養に来ていたという話だったヨワッチーナだが、
タクマシーナがお見舞いに来た翌日には全快したとして帰郷した。
生物として勝ち目がないと悟ったらしい。
タクマシーナは友達になれず残念がった。
フラツキーも半ば分かっていてヨワッチーナを口実にしていたが、
これでもはや逃げ場はなくなってしまった。
もう恐ろしくて婚約破棄など言い出せない。
あと半月ほどで、フラツキーとタクマシーナは夫婦となる。
二人の未来に幸多からんことを。
Q:またこんな名前ですか?
A:またこんな名前です。
こういう、勢いで投稿したものの方が、ウケを取っちゃう現実…




