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第18話

 ケイトリンはランザフォート侯爵領地に下り立った。懐かしい土地。でも災害普及が進んでいないことが目に留まる。屋敷前で執事のルーデンスと侍女長ライナとメイドたちが出迎えてくれた。


「ケイトリン様、えっ、お腹、えっ?妊娠しているのですか?えっ?あれからすぐご結婚されたのですか?」


「まぁ、それはいいのよ。久しぶりね、皆さん。ところで領地を見てきたけど、まったくなにもしていないじゃないの!あの2人は何を今までしていたの?」


 ルーデンスが今までの経緯をざっと話してくれた。


「なるほど、備蓄をクララさんの家族と親戚に渡したなんて、なんてバカなの?領民のためのものではないの。本当に、もう」


「旦那様もかなり反省しておりました。最後の2人は酷いものでした。本当に愛し合っていたのか?と思えるほど酷かったです」


「そう、まぁ、それはいいわ、どうでも。まずは復旧が先よ。テイレンスとガイヤド、トックルを呼んできて話し合いましょう」


「かしこまりました、ケイトリン様」


そこへ元旦那、ロイド様がやってきた。


「ケ、ケイトリン。戻ってきてくれたのか。えっ?そのお腹?まさか」


「気にしないで、あなたには関係がないから。それより復旧のほうが先でしょ。2人で何をやっていたのよ。全く復旧や支援がされていないじゃないの。2人で領地を良くすると言っていたではないの。全くできていないじゃない。何やっているの!領民を飢えさせてどうする気?それにダメンタール男爵親子のことを聞いたわ。おめでとうございます」


「違う、断っているんだ!それなのにあの親子は話を進めるよう噂を広めているんだ。それから、すまない。本当に今まですまなかった。自分がどれほど現実を見ずに、上辺だけを見ていた、いいところだけ見ていたことを実感した。本当にすまなかった」


「そう、では現実的に、今何をするか考えてください。今は領民と領地の復旧や支援が先でしょ。いつまでも、クララさんがいなくなったことに嘆いていてもしょうがないでしょ。クララさんのことが恋しいなら、なぜ結婚しなかったのですか?まだこの国にいるでしょ。追いかけて結婚すればいいでしょ。結婚すればこの国の國人になれるでしょ。愛しのクララなのでしょ?」


「いや、その、ケイトリン。クララがいなくなったから悲観していない。だからその、上辺だけを見ていたのだなと実感していただけだ」


「ふぅ、そう。どうでもいいけど、早く復旧支援をしましょう。今、代表のテイレンス達を呼びに行かせているわ」


 そこに素早く駆けつけたテイレンス達がやってきた。


「ケイトリン様、帰ってきてくださったのですね!えっ?そのお腹、え?」

 誰もが、ロイド様を見た。


「今、安定期に入ったけど無理はできないから、あなた方を馬車馬のように働かせるわよ」


「えー、ケイトリン様、相変わらず容赦ないですな」

「あははは、相変わらず、仕事の鬼ですね」

「ケイトリン様、がんばります」


 初動が大事だったのに、全くしてこなかったから、スピードと的確さが大事。


「会議室にみんな行くわよ」


「「「「「はい!」」」」


 会議室で、今までの状況、どこが1番ひどい箇所かなど説明を受けた。


「申し訳なかったわね。領主が先導しなければいけないところをテイレンスたちが先導して支援してくれてありがたいわ」


「それはケイトリン様にこきつかわ、あっいえ、指導され、マニュアルも作っていただいているのでそれに沿ってなんとかできました」


「そう、よかったわ。そしてみんなありがとう」

にこやかに微笑んだ。

(((なんて女神様のような人なんだ)))


「じゃぁ、ビシバシいくわよ」

(((やっぱり悪魔)))


「ルーデンス、ライナ、護衛騎士数人と炊き出しを手伝えるメイドを選定してちょうだい」


「「かしこまりました」」


「ですが、ケイトリン様、備蓄品が全くありません。商会にあったものや、畑に被害があっても食べられるものを選定して支給していました」


「そこはマジックバッグに大量に用意してきたわよ」


「「「マジックバッグ!!!」」」


(さすがは富豪のケイトリン様だ)


「ケイトリン様、身重の状態で動くのは危険です。お身体をご自愛してください」


「そうですよ。うちの嫁も子供を産む時に大変だったのですから、無理してはいけません」


「そうですよ、ケイトリン様。無理は禁物です。我々が働きますから」


「ふふふっ、では頑張って働いてもらいますからね」


「「「ほどほどにお願いします」」」


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