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君の「本当の自分」「パート1」

たったよっかまえ、たまきさんとかわしたがっかりするようなかいわからいくにちたったのだった。そして、いまはきんようび、2がつ19にちだ。


おおきなあおいそらをめのまえにして、がっこうのさんけんのしゅようなビルのうちのひとつのおくじょうで、あおむけになってねころんでいた。おひるやすみがおわるのをまっていたのだ。じかんがおわるまであとじゅっぷんとなったとき、ちじょうからおきあがって、きょうしつへあるきはじめた。


かいだんをにかいにおりると、すぐにろうかのさむくさびしいふんいきがかんじられた。まっすぐにいくつかあしをすすめたあと、じぶんのクラスのいりぐちのドアのまえにちょうどたどりついた。


「ビープ」

「ビープ」

「ビープ」


きょうしつにはいるとすぐに、APAのスイッチがおんになったときにでるするどいおとがだんだんおおきくなってきた。じぶんのせきにむかいながら、そのおとがきこえていた。しばらくして、そのじかんたいのクラスをしどうするせんせいがつかうAPAがおんになった。


せきからたちあがり、がくせいたちみんなでせんせいにあいさつをした。すわりなおしてから、リュックのなかにてをいれて、ノートパソコンをとりだした。スイッチをいれて、がっこうからしきゅうされたメールアカウントをチェックすると、じゅんきょくにメッセージがあるのにきづいた。


「え…?」


すると、とまどいながらまわりをみわたし、「せんせいがこんなにはやくこのクラスのしじをおくるなんて、どうしてだろう?」とふしぎにおもった。それがさいしょのかんじょうだったが、まわりのクラスメイトのAPAは、せんせいからなにかがとどいたことをしらせるするどいおとをならしていなかった。


すぐにメールのじゅんきょくをひらいて、そのメッセージをよんでみた。


「せんせいがおくったものじゃないとしたら、いったいだれからなんだ?」


あきらかにメッセージがあって、へんなけんめいがかかれていた。それは、ぜんぶだいもじでこういっていた。


「コノメールヲムシシナイデクダサイ」。


とまどいながらかしらをかたむけて、しばらくしてからよみはじめた。


「コノメールヲムシシナイデクダサイ。

じつは、しばらくまえからあなたがほかのひとたちにたいするたいどをかんさつしていました。こんなときにわたしをたすけられるのはあなただけだとかくしんしています。

きょうがっこうがおわったら、しゅようなビルのすぐそば、たくさんのはなばながあるおおきなていえんで、わたしとあってほしい。

あなたなら、きっときてくれるとしんじています」。


「なんのいたずらなんだこれは…?」すぐにそうおもった。よんだばかりのことばがしんじられなかった。こんなメールをもらったのははじめてだったのだ。しかも、そうしんしゃのアドレスをみたとき、@のあとにあるドメインががっこうでつかわれているものじゃないことにきがついた。「がっこうがいのひとかもしれない?」メールのほんぶんにかかれていたことばをよみなおせば、かいたひとはじぶんのことをかなりよくしっているのがみてとれた。がっこうのせいとなら、たとえちがうクラスのせいとでも、ほかのせいとのメールアドレスをしらべるのはかんたんだ。

しんぞうがどきどきなりはじめた。たとえこれがいたずらだとしても、ぼくにとってはおおきなチャンスになりうる。なんといっても、だれかがじぶんからすすんでぼくとはなしたいとおもっているのだ。


「なんのいたずらなんだこれは…?」すぐにそうおもった。よんだばかりのことばがしんじられなかった。こんなメールをもらったのははじめてだったのだ。しかも、そうしんしゃのアドレスをみたとき、@のあとにあるドメインががっこうでつかわれているものじゃないことにきがついた。「がっこうがいのひとかもしれない?」メールのほんぶんにかかれていたことばをよみなおせば、かいたひとはじぶんのことをかなりよくしっているのがみてとれた。がっこうのせいとなら、たとえちがうクラスのせいとでも、ほかのせいとのメールアドレスをしらべるのはかんたんだ。


しんぞうがどきどきなりはじめた。たとえこれがいたずらだとしても、ぼくにとってはおおきなチャンスになりうる。なんといっても、だれかがじぶんからすすんでぼくとはなしたいとおもっているのだ。


「ビープ」

「ビープ」

「ビープ」


まわりのクラスメイトのAPAのおとがぼくをいっしゅんでけいかいさせた。もういちどメールのじゅんきょくをみると、こんどはこのクラスのしごとのしじがかかれたメッセージだった。


「まさか!」


メールにかかれていたメッセージをさいごまでよんで、そのことばをかくにんした。


ペアしごと。


こんなしゅほうがつかわれるのは、こんしゅうでこれがにどめだった。そして、ぼくのコンビをつとめることになったひとのなまえをよんだ。


くぼた あい。


ペアしごとはいったんわすれることにした。さっきのメールのことばがずっとけじめられなかったからだ。さらにすこしだけそれについておもいをめぐらせながら、まわりをみると、ほかのがくせいたちはすでにそれぞれのコンビにすわっていることにきづいた。わたしのコンビがまだこっちにきていないことにもきづいた。もういちどきょうしつをみわたすと、まんなかにひとつのひとりのAPAがあった。おもわずそのほうへむかって、てをふたつでうけて、あるきだした。APAのうえにうつしだされた「くぼた あい」というなまえをみて、わたしはかれにこういいかけた。


「こんにちは、くぼたさん、わたしはこのクラスのしごとであなたのコンビにさせられたんだ。いっしょにペアしごとをするのははじめてだよね?」


かれのAPAはなんのへんじもしなかった。


いくつかのせきにんをつけて、へんじがないまましばらくたったが、じかんをむだにせず、わたしはじぶんのせきをかれのせきのまえにちょうどおいた。APAのかおをじっとみつめながら。


「たぶん、わたしたちは10ぷんまえにはしごとをはじめるべきだったね…。どうやってもんだいをわける?」


わらいをむりにしながらきいてみたが、かれのAPAはへんじをしなかった。


「わたしがいちばんからはちばんまで、それにじゅうごとじゅうろくをやるから、あなたはそのほかのもんだいをおねがいしてもいい?」


じかんがどんどんすぎていくなかで、かれのちんもくはしごとをおわらせるためにやくにたたなかった。


「く、くぼたさん、きいてるの…?」


「う、うん、だいじょうぶ…」


ついにかれはへんじをしてくれた。


「よかった!」


しごとをわけたあと、わたしとくぼたさんはきょうしつのちんもくのなかにまじわった。

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