表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

EP:1 夢の国

この話から一気にファンタジーちっくになっていきます。


エファアルティスはノアールに告げた。

僕もやりたいです。悪魔狩りと。

ノアールは最初こそ否定的な顔付きではあったもののエファアルティスの決意の眼差しに押され保留とだけ伝えた。

ノアールとエファアルティスは就寝し日が上がった頃目を覚ました。

ノアールは拘束されたエファアルティスを担ぎ一枚の葉を取り出しそれを吹いた。

すると地面に魔法陣が浮かび竜とも馬とも言える生物が現れた。

それは幻想的な生物。

名を竜馬(りゅうば)、そしてこの竜馬の名はカース。

どうやら葉を吹くだけでは現れず体のどこかに呪印を付ける事で呼べる様になるらしい。竜馬には様々な種類が居り中には見た目はそこいらの馬と大差ない者まで数多く多種多様に存在する。

中でも上位者が持つ竜馬は黄金色らしい。

瞳は水が如し青色で翼には白い羽根が生え揃った神秘的な竜馬。

それは呪印を必要とせず宝石が埋め込まれた金の笛を吹く事で召喚が可能。

それは認められぬ者が持つとただの高価な笛と化す。売ればあらゆる富を獲得出来るが法により罰せられている。

その笛は神王直々に作成し神王自ら出向き送られると言う。

それを貰った者は女、金、ギャンブル好き放題に遊べ一生豪遊して暮らせる。

正に夢の笛である。

故に狙われる事も屡々。

この話はさて置き本題。

あれから数十分経過した頃王国(厳密には聖都)に辿り着いた。

城に入る為には関所でチェックを済ませる必要があるらしい。一時期的に拘束を解かれ荷物確認を済ませ街へと入った。

街の中央には馬に乗ったごつい英雄騎士。

名をゴッドベル。

ゴッドベルが戦場に参じれば敵国は白旗を上げ降参を閉めます程に恐れられていた。

そしてある伝説でティンダロスの大君主 ミゼーアを飼い慣らし共に外なる神ヨグソトースを倒したと言う伝説がある。

ヨグソトースは破片となり宇宙を彷徨っていると言う迷信が実在しそれが本当か否かは判別が不可能。

彼が死した後国は一気に責められたがゴッドベルの息子が全て追い返し彼もまた英雄となった。

ゴッドベルは死した後神になったと言い伝えられている。

彼の英雄奇譚は一国に留まらずありとあらゆる世界で語り継がれてきた。

中にはゴッドベルを崇拝する巨大な宗教団体も存在しているらしい。

恐らく彼の英雄譚は永劫語り継がれてゆくだろう。

街には石造りの建物から木製のモノまで多種多様な存在していた。

ドワーフが営む鍛冶屋や聖水を売るエルフまで居た。

この国はどうやら異種族を受け入れ共存しているらしい。

中には野蛮な種族も居るがそれはスラム街での話。

滅多な事で近づきはしないので国自体も黙認と言う形で済ませているそうだ。

エファアルティスは興味津々で街を四方八方見渡す。見た事がない大きな剣や建造物、生物等興味をそそられるモノが数多く存在する街。

この街の名はディヴァインビラー又の名をドリームランド。

夢の街。

皆が憧れを抱き数多くの絵本のモデルの街として有名。

この国は邪人、邪魔等の侵入を防ぐ防壁魔法が施されているらしいが邪神や邪竜等と言った上位種に対し機能は発しない故に近くに居た場合存在強度により魔法陣に亀裂が走るそうだ。

そうなれば即効神の雫なる騎士団が送り込まれ追い返すもしくは撃退する係を担う。皆が皆最上位邪魔を撃退出来る力を持つ。故に国民からの信頼度も高く国民は日々安寧の暮らしを送れるそうだ。

正に夢の街だ。

皆が笑顔で言葉を交え会話をし世間話与太話くだらない話まで楽しそうに語れる街。

理想の街。

エファアルティスは思った。

自分にはあまりにも勿体ないと。

僕は糞ダメで生活するのでやっと贅沢と言える程なのにこんな平和な街は不釣り合いだと。エファアルティスにとってここは神の街。人間が神と共存等出来ぬ。

それはとてつもなく広大な宇宙よりも更に広大な格の差があるからだ。

人は神の前で自我は保てない。

それは前途の様に格の差故に存在強度に耐えられないからだ。

意思は崩壊し意識が途絶え()()()()()()に行く事になる。エファアルティスは平和な街に恐怖心を抱いた。

体が震える。

僕にはもっと苦しき死を正に永遠の死を与えるべきなのにこんな死では不釣り合いもいい所だ。エファアルティスは人が抱き得ぬ恐怖を感じた。

あれから数刻巨大な城の門を潜り中へと入る。門には目だけが開いたマスクを被る巨大な斧を持つ巨人。

恐らく門番であろう。

一振りで村一つ破壊出来る。

それは安易な想像がついた。

城の中には兵士が居り中には女性も居た。

女性騎士は金塗装のレイピアを持っていた。恐らく貴族の中でも突出して身分が高い者だろう。兵達は彼女の顔を見るなりひれ伏し脂汗を流していた。

彼女の機嫌を損ねれば即刻死罪なのだろう。兵士達は彼女が踵を返すなり胸をホッと撫で下ろしていた。

これで分かった彼女は恐らく王の娘か何かなのだろう。

ノアールは彼女が近付いた時エファアルティスを担いだまま頭を下げた。

彼女は少し気に入らなげであったがふんっと鼻息を荒らげ踵を返した。

あれから城を登っていった途中にノアールはエファアルティスを下ろし長細い布を一切れ取り出しエファアルティスの視界を隠した。エファアルティスは何でと問うが無言エファアルティスは自分の心の内で何とか納得しされるがままにした。

数十分程経過したろうその時視界が解放された。そこには玉座に頬杖をついて座る聖王。その聖王の護衛らしきごつく黒い鎧を

着用した騎士。一人は戦斧をもう一人は斧槍を持ちその石突きを地に置き守護していた。それは見ただけで伝わる圧倒的格の違い。こいつらは人間を遥かに超越した力を兼ね備えている。

聖王の後ろには巨大な額縁に絵が飾られていた。中央に巨大な竜。それを囲む様に居る四匹の竜。

それは神々しい何かを感じる。見続ければ深淵に引き込まれる様な魅力が存在した。

ノアールは膝を屈し頭を下げる。

ノアールは微かにだが小刻みに震えていた。

無礼を為してはならない。

非礼を為してはならない。

失礼を犯してはならない。

正に神その者。

神格者たる者に人の子は恐怖を禁じ得ない。幾ら神を信じようが幾ら神に祈ろうが恐怖心は抱かずにいられない。

存在自体が恐怖なのだ。

人類全ての生殺与奪を神は握っている。

神怒れる日世は混沌に呑まれ滅亡する。

それは預言者 セルピーにより予言された世の終末論。

皆は恐怖した。

神を怒らせてはならぬ。

これは世に真っ当に産まれた子なら必然的に教わる言葉。

そしてこの様に言う者も存在したと言う。

世は一度終焉し生まれ変わった。

それは正に輪廻転生。

世は繰り返し創り変わり(生まれ変わり)それを繰り返し続ける。

何度も同じ輪を廻り続け無限に無限に無限に。世の終末即ち創り変わり。

これを唱えた者が知り得た理由。

それは夢での出来事だったと言う。

その夢を見た者は約半月の刻自害した。

自身の首を近強く閉めその顔は恐怖と戦った者の顔付きだったと言う。

恐怖即ち神。

神=恐怖、恐怖=神。

だが人は縋る恐怖に縋る神に縋る。

都合が悪くなれば恐怖に祈り恐怖を信仰する。人は面白き生物。

故に恐怖は人を愛し神は人を優遇した。

永劫不変の理だ。

神格者たる聖王は口を開いた。

穢れし汚物を持ちえ何用であるかと。

その眼は排泄物を見る眼。

ノアールに一滴頬を伝い垂れる脂汗。

ノアールは怯まず聖王を見据えこう言った。


"我が父たる聖王様。どうかお許し下さい。私は悪魔とされたかの者に同情を感じてしまった事。それから今この時聖王様に言わせて頂く無礼を!彼は汚物等ではない!ただ世に産まれた清く誠実な人の子だ!悪魔じゃない!排泄物等ではない!彼は世界樹の滴りの元に神の許しを経て産まれた人の子です!神でない貴方が彼を汚物と罵り人でないと言う資格はありませぬ!私は言わせて頂く貴方は神になったと勘違いをなさるただの人の子だ!"


ノアールは微かに震えていた。

だがそれを必死に抑え反論する。

神たる威厳を放つ者に人の子が反論をする。エファアルティスは涙を抑えられなかった。自分の為に命を貼り自分を人として扱ってくれる彼にエファアルティスは涙を禁じ得ない。泣き叫ぶ。

子供の様に。

母たる者を思い出し咽び泣く。

聖王の傍らに立つ騎士が武器を構え怒りを顕にした。

聞き捨てならんと言わんばかりに体を強ばらせる。

だがノアールは怯まず背に刺す大剣を抜いた。決意の眼で騎士を見据える。

聖王はそれを静止するかの様に高笑いを上げた。


"はっはっはっはっ!面白きかな我が息子よ!良い貴様ら!引け!"


聖王は怒るる騎士に辞める様指示を出し玉座から立ち上がった。

コツンコツンとこちらに迫る足音。

ガシッと髪を捕み聖王はエファアルティスの顔をジッと見据えた。


"良き顔付きをしておる。まるで()()()の様だ。"


聖王は手を放し玉座へと戻った。

そしてノアールに問うた。

こやつを連れ何用だと。

ノアールは剣を収め頭を下げこう言った。


"かの者をキニゴスの一員として認めて頂きたく馳せ参じました。どうか認めて頂きたい。私の元で教育を施します。彼が人を襲った時私の心の臓を神柱に捧げると契約します。"


聖王は父たる笑みを浮かべノアールにこう答えた。


"好きにせよ。"


ノアールは再度頭を下げ感謝を記し踵を返した。あれから街に出て拘束を解かれエファアルティスは子供の様に興奮を顕にし街をノアールと共に練り歩いた。

エファアルティスにとって彼は父たる存在。だが父と言う者を知らぬエファアルティスは彼を母と感じる様になっていた。

彼にとっての母は二人。

それは永劫に塗り替えられぬ概念。

エファアルティスはこの時だけ辛さを忘れた。楽しき色とりどりの記憶は彼の記憶から消える事は死して尚消えはしないだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ