目指せWカップ
翌朝。
登校した俺は、教室について席に座る。一瞬俺の席がどこだったか迷ってしまった。新しいクラスあるあるだよねっ。
「三上君、おはよう」
「おはよう」
隣の西沢さんに挨拶を返す。そして、ホームルームまで、ゆっくりしようとリラックスしていると、誰かが教室のドアを開ける。教室が、ざわつき始める。
「西沢さん。あれ誰なの」
「えっ、あ~、黛君、昨日休みだったからね。三上君が後ろの席とはいえ知らないのは当然か」
確かに、昨日、前の席のやつ休みだったな。黛というのか。
「なんであんなざわついていんの」
「それはね、黛君が、おととい「そこからは、僕自身が、説明しよう」
うわっ、急に話に入り込んできた。って、よく見たら松葉杖ついている上に足の指に包帯を巻いているな。足の指を骨折しているのか。
「実はね、足の指の骨を折ってしまったんだ。それをみんなが心配してくれているのさ」
なんか、腹立つしゃべり方するな。
「なんで、足の指折ったの?」
「ふっ、実は、おとといのサッカーの試合のテレビ中継があっただろう。テレビで試合を見て興奮してしまってね。試合が終わっても熱が冷めないから、何もないところにボールがあることにして、思いっきり足を振りぬいたら、小指をタンスの角にぶつけたんだ」
馬鹿だろこいつ。小学生でもそんなへましねーぞ。
「そして、昨日病院に行ってきた。折れているとしても小指だけかと思ったら薬指も持っていかれていたようだ」
話し方うざいが、おもしろいなこいつ。
「大丈夫そうでよかったよ」
「心配してくれてありがとう。それはそうとして、この男は誰だ」
「俺は、昨日転校してきた三上和希だ。よろしく」
「おや、転校生であったか。僕は、黛勇人だ。よろしく」
「ホームルームを始めるぞ~」
やる気のなさそうな声で教室に入ってきた先生が、ホームルームの始まりを告げる。
「む、この続きは後で話そう」
「今日は、特に連絡はないがな。今日の日直は、え~と。黛と三上か」
急に日直に任命される。
「先生。俺、転校して二日目なんですけど」
「黛を頼れ」
「先生。黛君、足の指、骨折してます」
「しかも、倒れた拍子に左腕打撲して痛いです」
二次災害起きてんじゃねーか。
「……三上、お前ならできると信じている」
「あって数日で俺の何を信頼しているんですか」
めんどくさいからって、投げやりにするな。
「三上君、私も手伝うから、頑張ろう」
「ホームルームは、以上だ。あとは自由にしろ」
そう、言って教室を出ていく。マジで何もないんかい。
二日目の朝から不穏な空気が漂うのであった。
なろうの1話の平均文字数は、3000文字~5000文字らしいです。
本小説は、平均1000文字です。