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断片的な情報でもわかるものはある

今日の授業が終わり、俺は、下校しようと靴箱で、靴を履き替えていた。

 隆と景士は、部活らしく一人で帰ることになった。靴箱から出て、校門に向かおうと角を曲がったとき、黒く、毛がふさふさで、俺の体の何倍も大きい何かにぶつかった。

 そう俺は、


「グルルル」


 ある日 校門の前 くまさんに出会った。なんでや。

 俺が突然の出来事に頭の中が混乱していると、くまさんは右手を俺に振り下ろしてきた。恐怖で体が動かず棒立ちでいると、横から竹刀が割り込んできた。そして竹刀は、振り下ろされたくまの手を防いだ。


「くまごろう。人を襲ってはダメ。」


 注意している女子生徒に、俺は見覚えがあの刀女だ。と、くまの後ろからも声が聞こえてくる。


「そこの君大丈夫ですか~。」


 姿は、くまで見えないが男の声が聞こえる。大丈夫とか言っとる場合か。死にそうになったわ。


「すいません、うちのくまごろうが。」


 と言ってくまについているリードを持つ。そんなリードじゃ制御できねーだろ。腐りついた奴もってこい。っていうか、うちの学校って、くま飼ってんの。この学校が許可したの。馬鹿じゃねーの。親御さんたち絶対許さないだろ。


「飼い主なら、ペットのしつけをしっかりしろよ。死人が出るぞ。」


「くまごろうはペットじゃない。クラスメイト。」


「えっ?」


 すごい低い声が出た。刀女の発言が理解できない。恐怖と情報過多になった俺は考えるのをやめた。


「ペットだろうが、なんだろうが人に危害を及ぼすようなことをやめさせなさい。」


「すいません。今後からしないようにちゃんとしつけますので。次に何かあったら、私、二年一組の佐上昭雄(さがみあきお)にご連絡ください。」


 佐上は、そういいくまごろうと柵のほうへ向かっていった。

 

「助けてくれてありがとう。」


 俺は、残った刀女に礼を言う。


「くまごろうとは、同じクラスメイトだから。当然。」


 こいつも二年一組か。そのクラス、魔境か?


「くまと一緒のクラスは大変じゃねーの。」


「くまごろうは、かしこくてかわいいから癒しになる。」


「あれを見ると嘘くさく聞こえるな。」


 柵のほうを見ると佐上がくまの攻撃を受け、顔が血まみれになっていた。


「あれはいつものこと。明日には治ってる。」


 あれをいつものことにしちゃダメだろ。佐上君は宇宙人か何かか。


「私そろそろ部活に行くから。」


「あぁ……って自己紹介まだだったな。俺は三上和希。二年二組の転校生だ、よろしくな。」


建石千里(たていしちさと)、一年一組、剣道部。よろしく。」


 お互いに自己紹介をすると校舎へと入っていった。


「言葉が少ない人だな。俺も帰るか。」


 そして、ようやく俺の転校初日が終わった。


 イナズマ〇レブンに、必殺熊殺しみたいなやつあったことを思い出す。

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