ああいうやつの名前って誰が考えているんだろう
「ふんふん♪」
俺は、鼻歌を歌いながら、ゲーム屋に向かっていた。今日は、『ピヨの不思議のダンジョン~夢の泉編~』の発売日だ。ピヨの不思議のダンジョンシリーズはやったことないが、事前情報ではとてもおもしろそうだったので、デビューしてみようと考えたのだ。
若干引いている通行人をよそにゲーム屋の近くにたどり着く。すると、店の入り口の前に複数の人が言い合いをしているようだった。
「この『ピヨの不思議のダンジョン~夢の泉編~』の最後の5個は、俺たちのもんだ!」
「いや、私たちのものだ」
リーダーっぽい男二人が、最後の5個の『ピヨの不思議のダンジョン~夢の泉編~』めぐっているようだ。って、最後の5個だと!俺、買えないじゃんじゃん!
俺が、落ち込んでいる間に話が進んでいく。
「生徒会長さんよ。俺たちが誰か知ってんだろ。引いてくれよな。この『魔の七凶団』に目ぇ付けられたくなかったらなぁ!」
だっせ。くそだっせ。何、その中二病感丸出しのネーミングセンス。ん?ちょっと待って、生徒会長?
「私だって、竜胆館生徒会長の名をもって引くことはできん!」
「会長かっこいいっす。生徒会の役員として誇らしいっす」
ご丁寧に名乗ってくれた。俺たちの学校の生徒会長こいつなの。ゲームのカセットの取り合いでもめごと起こしてんの。生徒会長の周りにいるやつらは、役員か。
「わかった。じゃあ勝負と行こうぜ」
「いいだろう。受けてやる」
ちょっとまて。こんなところで殴り合いすんのか。というか、店員早く出て止めて……ビビッて目そらしてんじゃねーか。
「『いっせーのーで』で」
なんでだー。いっせーのーでって、全員の親指を上げて、宣言した数と一緒だったら勝ちっていうやつだろ。『魔の七凶団』とか言いながら中身は、小学生集団か!
「指スマじゃないんすか」
「バリチッチだろ」
確かに言い方たくさんあるけど。どれでもいいだろ。
「お前たちと俺たちで交互に並んで円を作り、時計回りでやっていく。先に3人抜けたチームの勝ちな」
「ちょっと待て、お前たちは5人、こちらは4人。1人分多くそちらに順番が来る。こちらの方が不利じゃないか」
「いいだろ。本来は7人なんだが、2人も休んでんだぞこっちは」
「こちらだって、1人休んでるんです」
休んでる人数の問題ではないだろ。
「どうすれば」
生徒会長が、周りを見渡す。成り行きを見ていた俺と目が合う。そして、近づいてくる。おやぁ?
「君、僕たちのチームに入ってくれないか?」
巻き込まれた―。面倒なことに巻き込まれたくないんだが。俺が、嫌そうな顔をしていると。
「もし、買ったら君に『ピヨの不思議の冒険~夢の泉編~』を買う権利を君にあげよう」
買う権利だけかい。しかし、本来あきらめるしかなかったからこれはいい提案か。別に危ないことになりそうでもないし。
「……わかりました。参加します」
「ありがとう。えーと」
「三上です」
「三上君!私は、会長勤だ。短い間だがよろしく頼む」
役員の人たちからも感謝の声がとぶ。
「これで互角だな」
「ちっ。だが、互角になったところで勝敗は決まってんだろ」
会長とボスっぽい男の間で火花が散る。
……俺、何やってんだろ。
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