自己紹介という最難関イベント
さて、教室の前まで来たぜ。月見里先生に呼ばれ待ちだ。
あれからどのような自己紹介をしようかを考えていた。
なんか一発ぶっぱなすか。いやしかし、失敗すればぼっちはまぬがれない。
『おっす、おら三上和希。おめぇらとの生活すっげぇわくわくすっぞ!』
とか言ってみろ。今後生きていける気がしねぇぞ。
やはり、無難に元気よく自己紹介するか。
「これから、その転校生を紹介する。入ってこい」
来た。
俺は、教室のドアを開け教壇の前に立った。転校生を前に珍しいものを見るような視線を感じた。俺は、動物園のサルじゃねーんだぞ。自分の顔がお面のように固くなるのを感じる。
「おっす」
やべ、直前まであんなこと考えてたから出ちゃった。
「俺は、三上かどぅきです」
しかも名前で噛んだ。
「…よろしくお願いします///」
教室は、しーんとしている。俺の高校生活、さよなライオン~。
この状況に耐え切れず、恥ずかしさがこみあげて顔が赤くなるのを感じる。どうする。何か言わないと。
そうこう考えていると、突如として、拍手の音が鳴り響く。見ると、笑顔で立ち上がって拍手している女子生徒がいた。
「三上君、よろしくね」
すると、それを皮切りにほかの生徒も拍手をしだし、一気に歓迎ムードに。
あぁ、良かった。心の中で、あの女子生徒に感謝する。
「皆さんありがとうございます。よろしくお願いします」
「何かあったら私やみんなに聞いてくれ。三上の席は、一番後ろのあそこだ」
先生が、指さした席は、初めに拍手してくれたあの女子生徒の隣だった。助かる。前の席の人は今日休みかな。
席につくと早速、右隣から話しかけられた。
「私は、西沢柚香。改めてよろしくね」
早速、救世主様が話しかけてくる。あぁ、その笑顔が神々しい。
「よろしく、西沢さん。さっきは、ありがとう。マジで助かった」
「あはは、それほどでもないよ。転校初日にあんなのは、つらいだろうしね」
ほんとに助かった。
そのあとは、連絡事項をきいて、ホームルームは終わった。
ほんとまだ朝なのに、もう疲れて寝たいんだが。今日の後の時間のことを考えるととても憂鬱になるのだが。誰だよ、『なんだか今日いけそうな気がする~』とか言ったやつ。ふざけるなよ。
「三上君」
「何だ?」
「なんで、バッグよごれ「何も聞かないでください」
最近すごく眠いです。