嘘は人間の本質
キジトラ公園から、少し離れた路地。
ニ゛ャーーー
一匹のキジトラ柄の猫が、けがをしているほかの猫をかばうように前に立つ。
「何だ、この猫。」
「ちっ、猫風情が人間様に逆らってんじゃねーよ。」
赤い服をして、キャップをかぶっている二人組の男に対して、キジトラ柄の猫は威嚇しているようだ。近くには、空いた捕獲機が転がっている。
「早く片付けるぞ。」
「あいよ。」
そういうと、男の片方が注射器を取り出す。そして、もう一人がキジトラ柄の猫を取り押さえるために前に出る。
それに合わせキジトラ柄の猫は、顔に向かって飛んでいく。そして、けがをしている猫はその間に逃げる。
「おっと。」
男は、飛んできたキジトラ柄の猫を巨大な手でつかむ。
ニャ――
キジトラ柄の猫は暴れるが、逃げられない。
そして、もう一人の男に注射器を刺される。
「お休み。猫ちゃん。」
すこしして、暴れていたキジトラ柄の猫は、おとなしくなる。
「猫ちゃんをいじめるな。」
そこに良子ちゃんが通りがかる。
「お嬢さん。これはいじめているんじゃなくて、保護しているだけだから安心して。」
男は、優しい口調で話す。が、妙な圧があり、良子ちゃんは震えていた。
「少しやせ細っているからね。元気になれるようにお世話するだけ。」
そういっている間に、もう一人の男がゲージにキジトラ柄の猫を入れ、トラックにのせている。
「それじゃあ、お兄さんたちはまだ、保護しなきゃいけない子たちがいるから。じゃあね。」
そういうとトラックの荷台に乗り、走り去る。
良子ちゃんは、男がトラックに乗るとき、キャップの影から、顔に傷があるのが目に入った。
「はい、それダウト。」
「てめぇ、四枚持ってんな!。」
教室では、御手洗と宍浦の喧騒が起きている。二人は、トランプのダウトで戦っている。
……なんで俺の席やねん。
なぜこうなったのかは、少し時間を巻き戻る。
放課後の時間。俺は、荷物を取りにトイレから教室に帰ると。
「何だと、てめぇ。」
「てめぇこそなんだとこらぁ。」
すでに喧嘩をしていた。俺の席で。
「おい影沼、なんでこうなってんだ。」
「いやぁ、きのことたけのこどっちがうまいんだと喧嘩になってね。」
「いや、なんで俺の席でやっているのかを聞いたんだが。」
きのこ派とたけのこ派か。まぁ、よくある話だな。どっちのお菓子もうまいしな。
「きのこスープのほうがうまいに決まってんだろ。」
「たけのこスープのほうがうまいだろ。」
お菓子の話じゃないんかい。あと、その二つは比べる相手じゃないだろ。
「屋上行こうぜ。久しぶりに切れちまったぜ……」
久しぶりでも何でもないだろ。あと屋上は、鍵かかってるからいけねぇよ。
「じゃあ、ここにトランプあるからよ。ダウトで勝敗決めようぜ。」
「いいぜ、やってやらぁ。」
なんで、よりによってダウトなんだよ。勝敗が決まりずらいだろ。大富豪にしろよ。
「お前たちも参加な!」
「「えっ」」
巻き込まれた。
勝負が始まり、まず初めに影沼が上がる。続くように俺が上がり、勝負はすぐ終わると思われたが……
「ダウト!」
「ダウト!」
「ダウト!」
無限ダウト編に突入した。
俺が、上がってから三十分。一向に勝負が決まらない。
「なぁ、お互い三枚まで減らさないか。」
「そうだな。」
「ああ。」
ここにいる全員疲れてんじゃねーか。
結局普通に御手洗が負け、宍浦がルンルンで教室を出ていった。
「きのこが負けるとは……。」
正直どっちでもいいだろ。
「勝負は終わったかい?」
タイミングを計ったように黛が入ってくる。こいつ、巻き込まれないように様子見てやがったな。
「まさか三十分以上もかかるとは思わなかったがね。」
お前も被害者だったか。俺たち四人で下校する。
「おっ、あれ、不藤先輩じゃね。」
俺たちがキジトラ公園を通ろうとすると不藤先輩、良子ちゃん話し合っていた。何か、剣呑な雰囲気がするが。
「ほう、こんなところで学園の女神に会えるとは、幸運だね。」
不藤先輩、そんな二つ名あったのかよ。異論はないが。
俺たちは、三人に近寄る。
「あっ、三上君、と……」
「お兄ちゃん!」
良子ちゃんが、近寄ってきたので、とっさに屈むと飛び込んできた。
「猫ちゃんが、さらわれた。」
……なにっ?
最近枕を新しくしました。
眠れません。
下のほうにある星を押してくれると作者が狂喜乱舞します。




