どんなところでもいるもんです
休日の昼間。俺は、あの公園のベンチに腰を掛け、コーラを飲みながら日向ぼっこをしていた。普段、学校に行く以外特に外出しない俺は、陽に当たる時間が少ないため、時々このようなことをしている。日に当たらないと気がやむからね。この公園、特に名前の記載ないから、勝手につけようか。あの猫からキジトラ公園でいいや。今もあの猫ちょうちょ追いかけてるし。
そんな、暇を持て余している俺に、話しかけてくる人物がいた。
「こんにちは、三上君。」
「こんにちは、不藤先輩。」
そうわれらが女神不藤先輩である。いや、打算はあったよ。うん。家がこの近くだから、もしかしたら会えるんじゃないかなって。今日の占い一位だったし。ぐへへへへ。
その時、右手に持っているコーラが入っているペットボトルが吹き飛んだ。
「恵先輩、危ないです。そいつ、鼻の下伸ばしてた。」
Oh……建石さん、いらっしゃったんですね。今日も絶好調ですね。私、感動しました。先輩の護衛が優秀すぎて怖い。下手なこと考えられない。
「おぅ、建石さんもこんにちは。」
「変態に返す挨拶などない。」
なんも言い返せねぇ。
「もう、千里ちゃん。三上君は、そんな人じゃないよ。」
すいません。そんな人なんです。
先輩のそんな期待に心をえぐられながら、会話をする。
「二人は何でここに?」
「千里ちゃんは、部活が休みの時この公園で剣道の練習をしてるんだよ。」
「なるほど。」
よく会うから知り合ったってところかな。
俺たちが、会話している間に建石は、剣を振っていた。
「三上君は、ここで何をやっているの?」
「ただの日向ぼっこしてます。」
「そうなの。でも気を付けてね。」
「何をです?」
「ここら辺、変な人多いから。」
へぇー。確かにここに来るまでに不審な動きをしている二人組がいたな。一人は、目の所に傷跡があった。上を見上げたり、必要以上にきょろきょろしていたから、少し見ていたら『何見てんだおめぇ』って、きれられたからな。すいませんって言って一目散に逃げてきたけど。
「どんな人いるんですか。」
「例えば、ハトに餌をあげている人……」
あぁ~、いるよな。そして糞だらけになる。
「の撒いているハトの餌を盗むおじさんとか。」
俺の思った3倍以上やばい奴いんじゃん。
「毎週水曜日に多分宗教勧誘しているけど、活舌が悪くて何を言っているか全く理解できないおばさんとか。」
活舌悪いの自覚ないのか。伝わってないことに気づかないのか。パンフレットみたいなやつ作れ。……やっぱ、迷惑だからやめろ。
「靴ひもがほどけていたら話しかけてきて30分くらい靴ひもの結び方についての講義をしてくるおばさんとかいるからね。」
善意を押し付けてくる迷惑ほど、質の悪いものはない。
「女の子に変な目を向けている奴もいるしね。」
建石さん。もう許してください。
「ありがとう、俺も気を付けます。先輩は、俺よりもっと気を付けてください。」
「うん。話は変わるけど、三上君って部活とかは言ってるの?」
「いえ。どこにも所属してないし、今のところ入ろうと思っているところはありません。」
そう返答すると、建石さんがずいっと顔を寄せてきた。まじまじ見ると顔整ってんな。
「三上、剣道部に来て。」
「顔近いんだが……」
そういうと、建石さんは顔を離す。
「で、どうなの。」
「いや、別に剣道興味ないしなぁ。」
家でゆっくりしたいし。
「それなら、体験入部してみるっていうのはどう?」
不藤先輩が提案する。
「それ。週明けに絶対来て。」
「俺の意思は?」
「絶対来て。」
「はい……」
強制的に約束させられる。
「剣道部って今、部員5人しかいないから部員を増やしたいんだろうね。」
「なるほど。」
まぁ放課後も特にやることないから、一回くらいはいいか。
書く時間がないよ~
下のほうにある星を押してくれると作者が狂喜乱舞します。