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6.面白くなってきましたわーーっ!




何故殿下が──?

しかも兵士達を動かすなんて……。


『あれは、王子の私兵ですわねぇ。甲冑に国王軍の印ははいってませんわ。王子の暴走のようですわねぇ!!面白くなってきましたわーーっ!!!』




ベルローズの言葉に、徐々に事態が把握できてきた。ヴィセンド殿下の隣にはナーサリーも居る。


やはり、推察した通りだった。


王族にしか従わない暗殺集団を、私たちに差し向けるような理由を持つのは、ヴィセンド殿下くらいしか思い当たらなかった。そして、私を良く思っていないナーサリーと一緒に居るということは……。

恐らくこの作戦は、ガイザード様を手に入れられなかったことで、私とガイザード様共々害そうというあの子らしい考えだ。きっと、ヴィセンド殿下はナーサリーに上手く使われたのだろう。




「ヴィセンド殿下、ご自分が何をしているのか、ご理解しているのですか……」


「ロザリナ、怪物からお前を救ってやる。そうしたら私の妻になるのだ!!」


「……刺客を差し向けた本人が何を言っているのですか?私たちを襲った暗殺集団は王家のもの。第二王子付きの者達でしょう?これは正当防衛だわ。罰せられるのは殿下の方です!!」


「はっ、なんの証拠が……」


「では、捕らえた者達を詳しく調べましょうか。従魔の死骸からだって王家との繋がりは出てきますよ。従魔は王家に認められた者しか持てませんものね」



道中にベルローズに聞かされた王家の暗殺集団についての知識を言うと、ヴィセンド殿下はぐっと押し黙った。ここまで内部情報に詳しいとは思わなかったのだろう。きっと、私たちを襲わせたことも、隠蔽すれば露見しないとでも思っていたはずだ。


全て、陛下に知られれば、王籍を剥奪され、それ以上の罪にも問われると、予想できなかったのか。


軽率すぎる考えに、ガイザード様が巻き込まれた。

今だって、苦しんでいる。


私の中で、怒りの炎が静かに燃え上がる。



「お義姉さまのくせに、生意気よっ!!それに、証拠なんて、いくらでも捏造できるわ。全ての罪は、国家に謀反を起こそうとしたとして『怪物辺境伯』様にかぶってもらうからいいの。ねぇ?」


「そうだ!!!全てこの『怪物』が悪い!!!こいつを討伐するために、王家の暗殺集団と兵士を第二王子である私が動かしたのだ!!!平和をもたらした私を罰する者はいないだろう。この手柄で私は王位継承権を取り戻す──」



吐き気がするほど、勝手な言い分に、絶対に二人を許せないとギュッと拳を握り締めた。



「そんなバカげたこと、させないわ。陛下も、ガイザード様が謀反なんて起こすはずが無いと分かっているはずよ。そして、ザグリオン辺境伯家も黙って居ないわ──」



「『怪物』一匹、居なくなっても変わらないだろう。これを見てみろ……。もしもの為に用意してきた、獣憑きにも効く、銀の銃だ。兵士たちも持っている」


「なっ……!!!やめてっ──」


「あの『怪物』を仕留めよっ!!!!」



兵士たちがガイザード様に魔法銃を放った。



「ガイザード様っ!!!!」



ガイザード様は大きく咆哮し、その威力で銃弾が堕とされていく。



「っち、化け物かっ!!!では、これはどうかな……」



ヴィセンド殿下は私を引き寄せ、頭に拳銃を突き付けた。その瞬間、暴れまわっていたガイザード様の動きが止まる。



「動いたり抵抗したら、ロザリナを撃つぞ。大人しくしろっ!!!」



ヴィセンド殿下の汚い手口に、ガイザード様は動きを止めてしまった。



「ガイザード様っ!!!私のことはいいですから、逃げてっ!!!!」


「撃てっ!!!!」




私の叫びをかき消すように、魔法銃が撃たれ、その一発がガイザード様に直撃し、そのままガイザード様は倒れてしまった。



ここまでお読みいただきましてありがとうございます!!


明日完結予定となります!!(明日は8時20時更新となります!!)

最後までお付き合い宜しくお願いいたします!!!

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