〜この世界の「理性」を壊すのは誰だ?〜
あの日からだった。自分のスキルに、興味を持ち始めたのは。
あの時からだった。脱出ゲーム脱出ゲームに、恐怖を持ち始めたのはーーー。
「あー、つまんねぇ。なんかやりたいことねぇかなぁ・・・。」
「やりたいこと・・・ねぇ。」
僕は入江櫂。中学2年だ。身長は大体周りより少し高い方、成績はまあまあ。けれど謎解きなどは得意とする、彼女歴0のごく普通の一般人だ。・・・ここは、というか隣が風が強い。僕の部屋でのんびり足を転がせて最新の漫画を読んでいるのは東雲凪。こちらも同じく中学2年の者なんだが、なかなかどうして高身長だ。高身長と言ったらお馴染みの(?)バスケも得意としている。そして。この世界では「理性」というものを壊してしまうものがある。それが能力だ。世界各国、僕たちのような一般人から世界のトップ、つまり総理大臣や大統領まで能力を保有している。ただ、画面の向こうーー、つまり君たちがテレビや漫画で見ている能力なんかではない。んー、どちらかといえば、アプリゲームの方が似ているのかもしれない。僕たちは通常であれば2、3個、多くて5個の能力を保有している。次からはスキル、と打とう。そして、少し遠回りしてしまったが、僕のスキルは炎怕熱と、石赤宝。凪は風酸黒、殖殺気というスキルだ。
さっき隣が風が強いと言ったのは、凪のスキルの一つ、風酸黒のせいでめちゃめちゃ風が強くなる。凪の気分次第で風が強くなっていくので、部屋も当然荒れるのである。・・・長々と説明してしまったけれど、これが「理性」をぶっ壊していく世界の平等なスキルだ。はぁ、少し語りつかれてしまった。小さいため息をつき、ジュースのおかわりでも持ってこようかと重い腰を持ち上げようとした、その時だった。
「・・・!!なんだこれ!!ですげーむ!?見たことも聞いたこともねえ!!是非やりてえよ!!」
ああ、また凪のせいで部屋が荒れる。小さい頃大切に遊んでいた飛行機のプラモデルが危うく落ちそうになったので、僕はコップを抱えながら必死にプラモデルを捕まえた。だが、興奮している凪にはそんなことはどうでもいい。
「なぁ!なぁ!是非応募しようぜ!!これ、成功したら新しいスキルが保有できるって!!しかも、有名な警察大学院に年齢がどうであれ、入学してもらえるってよ!これって、チャンスじゃね!?」
あー、はいはい。僕はそれより、君の風具合が気になりますよ。そんな馬鹿げたお遊びより、僕の部屋を片付けて下さい。なんだかんだ、僕はまだ気になってもいなかった。そんなの、ただのお遊びじゃないか、って。でも違ったんだ。
今思えば、|この時から既にもうデスゲームははじまっていたんじゃないか、ってね。
<<1話 凪を止めればよかった。 完 >>
ども!初めまして!!緊張している(?)完熟ぷちとまと。です!よろしくね。
さて、「小説家になろう!」で書く作品の初めてがデスゲームとは・・・。少し私も緊張の連続ですが、櫂と凪のこと、応援してくれるととても嬉しいです!スキルがあるなんて、便利な世の中ですねぇ・・・(遠い目)
・・・・コホン。ま、何はともあれ、こんな二人ならきっとデスゲームでもなんでも、上手くやってくれるハズ!!櫂の謎解き連発と、凪の運動能力に交互ご期待くださーい!!