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2章:触手と姫騎士(4)

「赤石さんだって嫌だよね?」

「明音って呼んでほしいな……」


 顔を赤らめてる場合か?


「明音だっていやでしよ?」


 しかたないので言い直してみる。


「あ、あたしはしてもらえるならそれでも……」


 う、裏切り者め……。

 姫騎士にされて理性がぶっ壊れたのか、もともとそういう素質があったのかは知らないけど。


『ほら早く。人類の存亡はジュン君の性欲にかかってるのよ』


 言い方!?


「わ、わかりましたが、せめて周りからは見えない場所にしてくださいよ」

『えぇー?』


 なぜそんなに残念そうなのか。

 まさか趣味でやってないよね?


『しょうがないから個室を使っていいよ』


 職員がベッドを運びだしていく。

 すれ違いざま、一人の職員が「ちっ」と舌打ちした。

 それは上司へのものなのか、僕へのものなのか。

 どっちもかなあ……。


……。

…………。

………………。


 ラブホのような個室から戻ってきた僕と赤石を出迎えたのは、一軒家くらいはありそうな鉄の塊だった。

 ちなみに赤石は変身済みである。


『口でってことでいいのかしら?』

「うん。午前中と同じくらいの量だった。まだ喉の奥とお腹が温かい感じがする」


 恍惚としながら答えるんじゃない。

 恥ずかしがってる僕がバカみたいじゃないか。


『それは、朝から少なかったってこと?』

「ううん、どっちもたっぷりだった」


 もうイヤ。かんべんしてください。


 とはいえ、ちょっと異常な気はする。

 これが高校生の精力ってコト?


『へぇ……あとでちょっとジュン君も調べさせてちょうだい』

「拒否権なんてないんでしょ」

『痛くしないから安心してね』


 逆に不安になるセリフ!


 最初の訓練……というかテストは、赤石が鉄の塊を剣で斬るというものだ。


 それはもうスパスパ斬れた。

 

 切り口を調査した職員が、「刃物の切れ方じゃないぞ……」とこぼしたほどだ。


 そのあともテストは続いた。

 赤石の変身がとけてはえっちの繰り返し。


 いやほんと、僕の精力どうなってしまったん?


◇ ◆ ◇


 最後に僕の身体能力測定をして、一日は終わった。

 今はラブボのような個室で、テスト結果を真白さんから聞いているところだ。

 真白さんはイスに、僕と赤石はならんでベッドに腰掛ける。

 赤石がずっと僕の腕を胸に挟み、頭を肩に預けてくるので集中できない。

 なにこのシチュエーション。


「この数値……筋力、瞬発力どれをとっても世界記録以上じゃない……」


 ノートPCに送られてきたデータを見て、真白さんは目を見開いた。


 まじ……?

 スポーツ大会なんかに出たら無双できちゃうんじゃ?

 そうすれば、僕をいじめていた連中を見返せるかも。


「ジュン君、体育なんかの授業で本気をだしてはだめよ。騒ぎになるわ」

「あ、はい……」


 先に釘を刺されてしまった。


「今日の結果をまとめたから見て」


 部屋の壁にかけられた大型液晶モニターに、グラフやら数字やらが映し出される。


「細かいことは置いといて……」


 レポートと最後までとんだスライドには、今日の結果が数行にまとめられていた。


・黒執ジュンと性交した女性は、姫騎士になる。

・姫騎士は精神的にも、黒執ジュンの虜になる。

・姫騎士への変身時間は、摂取した黒執ジュンの体液の量と、活動内容による。

 なお、変身がとけても、精神的な洗脳は残る。

・黒執ジュンの体液を摂取することで、何度でも姫騎士に変身できる。

 ただし、同じ量でも変身時間が短くなる傾向が見られる?

・害異の心臓を破壊できるのは、黒執ジュンの攻撃だけ。

・黒執ジュンが攻撃を放つためには、黒執ジュンと性交した姫騎士が戦い、エネルギーを消費する必要がある。

・黒執ジュンの身体能力(精力含む)が強化されている。要経過観察。



「何かわかったらまた追記していくわ」


 見れば見るほど、とんでもない状況だ。


「問題は回数に応じて変身時間が短くなることね……。これは早くバックアップを用意する必要があるわ」


 真白さんは真剣にそんなことを言う。


「二人目ってことですか……」

「あら、嫌そうね。合法的にいろんな女子とエッチできるのよ? 男子高校生ならだれでも喜ぶと思うけど」


 男子高校生像が偏り過ぎでは。


「心を奪ってしまうのもそうですが、命の危険もあるじゃないですか……」


 自分をさんざんいじめていた赤石でさえ、あの戦いを見ると多少心が痛む。

 ざまぁという気持ちが圧倒的に強くはあるけど。


 でも、事情を全て理解した上で、二人目を作るというと、どうしても二の足を踏んでしまう。


「性欲よりも理性の勝る男子高校生がいたなんて驚きだわ」


 だから男子高校生像が以下略。


「そう言われましても……」

「うーん……無理強いはしたくないけど、人類のためなのよね……」


 それを言われると辛いところだ。


「よし! じゃあ二人目は私にしましょう」

「ええっ!?」


 なんか言い出した!





ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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