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57 sideB 武神山


それから地上へ繋がる扉へは案外あっさりと到達した。


その扉は丁度、地下室に繋がる扉でよくあるように、上に向かって開く扉だった。俺は階段を登り切って扉に手をかける。


そして扉の先の景色に息をのんだ。そこには久しぶりに見る本物の太陽がある。地上はとても寒く、殺風景なところだった。


「ここは山のてっぺんなのだ。エンジンの地上都市の背後に聳え立つ、名は武神山なのだ。」


チルチルは戸惑う俺たちに対して説明してくれた。扉は地面に同化するように作られていて、これまで見つからなかったのも納得だった。


「とりあえずそのエレベーターとかいうやつの乗り場を探すか。」


しばらく山頂を少し探すも、乗り場らしきものは見当たらない。そもそも、俺とミクに関してはエレベーターと言うものも知らないので、乗り場がどういうものかさえ分からなかった。


しばらく探したが、見つからずに俺たちは途方に暮れる。来た道を戻り、地下都市に繋がる初めのホールで乗り場を探すべきか。気温が低いためにここに長くはいられない。


そう思っていた時、ミクがちょんと俺の服を引っ張る。


「ここ、何かある。」


ミクが指差すのは小さな岩の隙間だった。


しゃがんで覗き込むと確かに何か石碑のようなものが中にあるようだった。俺の身長ではわざわざそこに隙間があるなんて覗き込まないと気が付かないし、チルチルも大きな鎧を着こんでいるから同じだ。つまり、ミクしか見つけられなかったというわけだ。


「でかしたぞ、ミク!」


ミクの頭を撫でてやる。ミクはプイと向こうを向いてしまった。なんだ、嬉しくないのか。


俺は早速剣で岩を砕いていく。それはよくわからない字で書かれた石碑だった。


「ミク、これ読めるか。」


ミクはコクンと頷いて、その文字を読んでゆく。



その石碑にはどうやら本当にエレベーターの乗り場に関係する者のようだった。


必要なものは、「入館を許可するもの」。


そしてそれは、「多分ダンジョンカード。」ミクはそう呟いた。どうやら、その石碑は、そのものがカードリーダーと言う装置らしい。


試しに、ミクが持つダンジョンカードをかざしてみるも、何も起こらない。


「おい、何も起こらねーぞ。」


「おかしい。」


そして、顎に手を当てて考えたのちミクはチルチルのカードをかざしてほしい、と言った。


チルチルはその通りに銀色のダンジョンカードを出して、かざしてみるとガコンという音を立てて近くの地面から、筒状のものがせり上げてくる。


それは塔と同じく、よくわからない金属のようなもので出来ていた。その筒の扉が真ん中から両開きにスライドして開く。


「やっぱり、来客はだめ。研究員のものが反応する。」


ダンジョンカードは本来この施設に入るための許可証だったらしい。その種類は二つ。一つは俺たちも持っている一般に地下都市に出回っている「来客用」のカード。これは使い切りで、一度使うとその装置に回収されてしまう。


二つ目は塔の内部、つまりダンジョンでまれにしか見つけることのできない、銀色の「一般研究員用」のカード。ミクが行くにはこれがあれば塔の中のいろいろな場所にアクセスできるそうだ。


俺たちは早速そのエレベーターなる者の中に乗り込む。


俺はよくわからないが、ミクとチルチルが何か相談しながら、文字盤のようなものを操作する。すると、ガコンと、音を立てて、扉が閉まり、その筒が動き始めた。


「おいおい、大丈夫なのか」


俺は少し戸惑いながら、そう言うと、ミクがぐーと親指を立てる。


俺は心配することを諦めて、行く先に身を任せることにした。


数分ほど、移動した後、そのエレベーターは止まり、チンッという間抜けな音がなって扉が開いた。


扉の先は地下都市のホールだった。


「ここについてしまったのだ。なんでなのだ。」「でも、地図では地下二階があるはず。」


またもや、チルチルとミクが何やら話し合っている。



幾分かの時間、扉が開いたまま二人は話し合っていたが、何かまとまったのだろう、ミクが文字盤を操作すると、エレベーターはまた動き出した。



同様に数分、移動して、また間抜けな音がして扉が開く。


開いた扉の先には何やら人影のようなものが揺らめいていた。


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