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46 sideB 古代都市エンジン

「は?何言ってるんだ、婆さん」


婆さんはまあそうなるわな、と言って、言葉を続けた。


あの禁忌の井戸と呼ばれるものが唯一地上から古代都市エンジンに来るための入り口だそうだ。


だが、その禁忌の井戸というものが曲者で、排水管のような滑り台を滑り落ちる際、魔法を使えないものは最後あの小部屋にたどり着くが、魔法を使えるものはそのまま、永遠に滑り落ちるだけで一生小部屋にたどり着くことがなく、死に絶えてゆくらしい。


つまり魔法を使えないものしか、この都市に来ることはできない。


そして、その小部屋から滑り台を地上に向かって上ろうにも、到底無理だそうだ。今まで何人もの人がそこを上って帰ろうとしたらしいが、ついに地上にたどり着いたものはいなかったらしい。


そこまで聞いて俺は疑問を感じる。


「なあ、婆さん、でも俺は魔法使えるぜ。ほら」と言って俺は手から火を出す。


婆さんはそれを見て目を見開く。


「あんた、まさか、魔人かい」


俺は頷く。


「そうさね、魔人は別だよ。魔人はなぜか知らないが魔法を使えないもの扱いなのさ。だからこの地下にも降りてこられる。かつて歴史上でもこの地下にぽつりぽつりと魔人がおったことがある。


そして、今現在この都市にいる魔人はあんたのほかにもう一人おる。漆黒の魔人ってやつさ。まさか、同時期に二人の魔人が揃うなんてね。」


婆さんによると、漆黒の魔人はこの都市にある「エンジンダンジョン」の探索者の一人であるらしい。噂では真っ黒い鎧を全身に身に着けて、漆黒の魔法を使い、何もかもを力でねじ伏せるという。


「魔法を使えるならこの都市からも出られるんじゃねえか?」


俺がそう聞くと婆さんは首を振る。


「わからん。もしかしたら漆黒の魔人なら知っておるかも知らんが、わたしゃわからないねえ。」


とにかくそいつに会わねえことには話が始まらねえようだ。


「婆さん、その漆黒の魔人に会うためにはどうすればいいんだ。」


婆さんはしばらく考えた後で


「漆黒の魔人はほとんど、ダンジョンにおる。ダンジョンってのは、ほらそれだよ。」


そう言って婆さんは、この都市の背が高い建物の中でも、飛びぬけて背が高い建物を指す。その建物は白い塔のようで、あまりに背が高くて上が見えない。下手したら、この都市の天井に届いているのではないかと、考えてしまうほどだった。


「会えるかはわからんが、少なくともそこが一番会えるかもしれないねえ。」


「そうか、色々ありがとう。婆さんいい奴だな。」


「健闘を祈っておるよ」


彼女はそう言い、ひっひっひ、と笑った。俺は婆さんに礼をしてその案内とやらを後にする。


「シュルク、どうするの?」ミクが俺を見上げて聞いてくる。


「やることは変わらねえ。とにかくダンジョンに行って、漆黒の魔人に会う。そうして何とか方法を見つけ出してここを出る。ついでに漆黒の魔人と手合わせする。俺が何とかするから大丈夫だ。」


とりあえずその日は宿屋を探し、次の日からダンジョンの情報を集めることにした。


「つっても、全然宿屋がねえな」


どうやらこの都市は旅人が訪れるわけでもなく、ほとんどがこの場の住民であるので宿屋が少ないようだった。


宿屋がないなら仕方ない、とりあえずダンジョンに行くか。



ダンジョンへは一時間ほど歩くとすぐについた。


天を貫く建物の下に来ると、それは圧巻だった。円柱状の構造をしており、はるか上空に上へ上へと高く伸びていた。木でもコンクリートでもなく、何かよくわからない白い金属のようなもので作られている。地上の部分でも、一周数キロはあるだろう。


「どこから入ればいいんだ?」


しばらくダンジョンの周りを回るように歩いても入り口が見つからない。


「ミク、俺にこの壁壊せると思うか?」


ミクは首を振り、考える。


「ちょっと待って。人に聞いてくる。」


そう言って彼女はトトトトトと走って行って、近くの人たちに話を聞きに行った。


俺は、なんだか、ミクを使いっ走りにしているようで申し訳なくなったので、何か情報はないかと、通りがかった人に質問をする。


「おい」


「ひっ、何ですか、いきなり」


「何ですかじゃねーんだよ、お前に聞きたいことがあるんだ。」


俺がそう言うと、そいつは「つ、つ、通報しますよ」と言って、よくわからない道具を取り出す。


「ああ?なんだそれ、そんなのいいからよ、ただ聞きたいことっつうのは」


「シュルク」


俺がそいつと話しているとミクが割り込んでくる。


「情報げっとした。」


そう言ってミクはグーと親指を突き出す。


そして俺が情報を聞こうとしていた通行人の方を向き、


「ごめんなさい。この人不器用。大丈夫。もう行っていいよ」


そういうとその通行人野郎は、ひいいと言って走り去っていった。


そしてミクは俺の方を見る。


「シュルクは困ったもの」


「うっせ。それより掴んだ情報を教えろ」


ミクはコクンと頷き、情報を話し始める。


「ダンジョンに入るにはこれくらいのカギが必要。」


そう言って彼女は親指と人差し指を直角にして両手で四角を作る。


「通称、ダンジョンカード」


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