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閑話 少女と魔獣

物語の本筋には影響しません。

ある日、幼子と老人がこの森を通って中にやってきタ。どうやら何かから逃げてきたようダ。しばらく様子を見るとどうやら中に住むようらしイ。


それはいけなイ。


ここは大切な場所なのだから守らねばならなイ。もはや帰る者もいないとわかっていても大切な場所なのだかラ。どうやって追い出そうカ、力で追い出すのが楽ダ。


あの老人は強そうダ。


だから、老人がいないうちに家を壊せばよいではないカ。そうしたら彼らもあきらめて出ていくだろウ。


家に向かっタ。


家の中には幼き少女がいるようダ。すまない幼子、わが役目なのだ、許セ。外の物音で老人が帰ってきたと思ったのだろうカ、少女が出てきタ。


その時少女は我を一目見ると我に尋ねタ。


「大丈夫?あなたとても寂しい顔してる。


私もね、最近お父さんやお母さんと離れ離れになって寂しい。けどまだガローがいてくれるの。

それでもやっぱり寂しいけど……。


あなたはもっともっと寂しそう。」


幼子は少し考えたのち、


「ほら、大丈夫だよ、元気だして。こうやったら寂しくないんだよ。」


そう言って私の足に抱きつク。


我は戸惑いつつも為すがままにされル。


なんと小さいのだろウ、なんと温かいのだろウ。人間はこの温かさをたしか優しさと呼ぶのだったナ。そう言えばロアンも我を優しく温かく包み込んでくれタ。


懐かしい、大切な思い出。



我はしばし考え思いつク。


友を呼ぼウ。


我はこの大切な森の守り人をせねばならぬガ、友はそうではなイ。彼は帰らぬ「彼女」を思い出の地でただただ待っているだけであル。彼らも友が見ていれバ、変なことをしても友が止めてくれるであろウ。それにこの幼子のまなこは友が待つ、もうとっくにいなくなってしまった「彼女」に似ていル。きっと友も気に入るだろうウ。


そしてこの幼子の寂寥が少しでも癒されることを願っテ。


「ありがとう、優しき姫ヨ」


そうして我は森に帰っタ。





どうやら友と幼子たちが森に入ってきたようダ。


今日は皆が騒がしイ、どうやら幼子と老人以外の者がいるらしイ。おかしイ、ここ最近あの老人と幼子以外に森を抜けたものはいなイ。


まあ友がいるから大丈夫だろウ。


それにしても皆がさわがしイ。


……うム、一応見に行くとしよウ。


久しぶりに友の顔もみたイ。




彼らが近づくにつれてだんだん懐かしいにおいがしタ。


忘れもしない、この懐かしい匂イ。


自分でも徐々に駆け足になっているのがわかル。


胸が高鳴ル。




そして、見つけタ、やっと出会えタ。ロアンの願いガ、思いガ、託された少年ダ。


彼女の願いが叶うことをずっと待っていタ。それもきっともうすぐなのかもしれなイ。


思わず少年を抱きしめタ。


まるでロアンにまた会えたかのようだっタ。




あの時の幼子は少しばかり大きくなっていたが、相変わらず優しき心ダ。心優しい彼女にふさわしいまなこを持っていル。


これも運命なのダ。


きっと彼らが歩む道は辛く険しいものだろウ。


だから友ヨ、我に変わってどうか彼らの行く先を見守ってほしイ。


友とまた会える日までこの思い出の場所は我が守っておこウ。


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