中編
第一回中間報告の動画では、参加者のpv数がグラフとなって表示されていました。
200人の参加者の中で、成績を報告したのが89人。残りの111人は作品を投稿していないのか、わざと報告していないのか、単に報告を忘れているだけなのかは分かりません。
ともかく、その89人の中で、私は20位くらいでした。その動画で上位8人は、作品のタイトルは伏せられながらも簡単な紹介がされていました。しかし、私の作品はとてもそこに届きうるものではなかったのです。
1位は2位以下に大差をつけて5万pv。10万pvまであと半分まで来ていました。
私の作品と比べると、圧倒的なpv数でした。この時点で、私は正直勝てる気がしていませんでした。
ただ、報告していた中には、0pvの人が二人いたのです。作品を投稿しているのにもかかわらず。ということはつまり、誰からも一切見られていないのです。
逆にどうやったらそんな状況になるんだと思いましたが、0pvはさすがに悲しすぎますね……。
最後まで投稿を続けて、それでも0のままの場合は、企画主の幽焼けさん本人が読んでくれるとのことでしたが、果たしてどうなったのやら。
私は、せめて上位8人には入れるようにしようと、そのあとも投稿を続けました。毎日投稿をノルマとして、なんとかその日中に一話を書き切り、投稿するのを続けていました。
また、中間報告の少し前から、作品の毎日投稿とは別に読まれるための策も考えていました。それが、別の小説投稿サイトに自作を載せることと、短編を投稿することです。
いずれも、私個人を露出する機会を増やし、本命の作品に誘導するためのものです。
最初にカクヨム、次にノベルアップ+に自作を投稿していきました。しかし、他の投稿サイトはなろうに比べてpv数が少なく、これではほとんど効果がないと感じました。ルビ表記の仕方が投稿サイトによって違うことのめんどくささも相まって、更新頻度は落ちていきました。
短編を投稿すること。これは書く題材探しに苦労しました。私は短編小説が書けない性質でして、短くきれいにまとめることができないのです。ではエッセイはどうだろうかと思ったのですが、創作初心者の私に書けるものはほとんどありませんでした。
私のこだわりと呼べるものを題材にして一つ書いたのですが、非常に恥ずかしい出来でした。うれしいことに評価を一ついただいているのですが、このエッセイを公開するころには消しているかもしれませんね。もし削除していなかったら…………興味本位で見に行ってもいいので、すぐブラウザバックしてください。約束ですよ!
ブックマーク数は、少しずつ、増えていきました。
日ごとのpv数も、話数が増えるにつれてだんだんと増えていきました。
しかしその伸びは非常に緩やかで、他の参加者の伸びのことを考えると、全く安心できるものではありませんでした。一話投稿してブックマーク数が一つ増えるかどうかでは、到底ランキングに入る見込みはありませんでした。
そのさなか。第一回と第二回中間発表の間の10月5日に、突然デスゲーム速報の動画がアップされたのです。
大喜利の様相を呈してきた参加者アンケートに、第一位の作品が楽曲化決定!?のお知らせ。極めつけは、謎の人物からの書籍化したものへの「サインギフト券」(プロのデザイナーが考案したその人のサインを送ることのできるギフト券のこと)のプレゼント。
よくわからないうちに企画が壮大になってきたのですが、私には関係ないだろうとその動画を眺めていました。
そして、第二回中間発表がついに来ました。
成績を報告したのは、71人。前回からさらに人数が少なくなり、脱落者が増えています。一応、中間発表で成績を報告しなくても、最終結果発表の時に報告しておけば脱落者とは扱われません。しかし、実質的にこのデスゲームから脱落している人は、間違いなく増えているでしょう。
動画冒頭で発表されたのは、酔狂な人による賞金の提供でした。一位の人に、アマゾンギフト一万円文を贈呈するとのことです。
一万円分は羨ましいですねー。学生の身にはたいそうなお金ですよ、一万円は。
そして、上位陣には波乱が巻き起こっていました。前回の8位は何とアカウントバンを食らい、2位は未報告。前回圧倒的だった1位は、新たな更新がなくpvは伸び悩んでいました。
そのなかで1位に輝いたのは、前回17位の人でした。
pv数は87000!! 驚異的な追い上げを見せ、予想を裏切る展開となりました。
さて。
当の私は…………15位でした。
pv数は2109。ブックマーク数は12。
前回から少し順位は上がりましたが、上位とのpv数の差は歴然です。
参加者のpv数のグラフは上位に一極集中する形でした。指数関数、あるいは二次関数みたいなグラフの形をしていましたね。順位が多少良かろうと、上位とは比べ物にならないほどの差があるのです。
これは、おそらくなろうの縮図でしょう。なろう全体では、上はもっともっといるでしょうが、グラフの形としては似たようなものになるはずです。
さらに言えば、これは社会の縮図でしょう。上位1%の富裕層に世界の富の80%が集中する世界経済との既視感を感じました。
これが自由競争の洗礼かと、学生で社会に出たことのないこの身は痛感していました。
なろうはシビアです。読まれない作品は、とことん読まれない。
私は、第二回中間発表の時点で、半ばあきらめかけていました。
最後の望みを託したのは……第一章完結時でのポイントクレクレでした。
切りのいいところで終わったときに評価をお願いすれば、ポイントがもらえて日間ランキングに乗れるかもしれない。現在のブックマーク数からすれば、不可能ではない数字でした。
ただ、可能性は低いこともわかっていました。しかし、藁にもすがる思いでその案に頼るしか道はなかったのです。
実際のところ、どれだけ評価をもらえたのかというと、答えは……………………………………0でした。
ただの一つも、評価をもらえませんでした。何がいけなかったんですかね~。
ここで私の心は折れ。
数日は何も書かない日が続きました。
まあでも、一日寝れば心の傷はいえてしまいました。実は、何も書かない日の残りは第二章のプロットを考えていたのです。
だいたいどんな話にしようか決まり、第二章を数話投稿したところでデスゲーム期間は終了してしまいました。
私の最終結果は、pv数は3732。ブックマーク数は17でした。
数日投稿しなかったことでpv数はそれほど伸びず、順位が落ちるのではないかと不安になりました。
書いている現在、最終結果は発表されていません。1位は誰になったのか、私の順位はどれだけなのか。待ちきれず、今もそわそわしています。
残りは、最終結果が発表されてから書くことにします。