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前編

 私は、ラノベレビュー系Vtuberの幽焼け氏が行った企画「なろう系ラノベにこんなラノベ俺でもかけるわwwwwと言った人を100人集めてラノベを書かせるデスゲーム」に9月19日から10月19日までの間、参加しておりました。


 このエッセイでは、小説などほとんど書いたことのなかった私が、デスゲームに参加して一か月間小説を投稿し続けた感想を綴りたいと思います。


 知らない人のために、簡単に企画の内容を説明します。なろう系ラノベに対して、誰でもかけるww、俺でもかけるわwwなどと言っている人たちはほんとにかけるのか、という疑問からこの企画は生まれました。


 執筆経験なし、あるいはほとんどない人が、一か月間自作の小説をなろうに投稿し、pv数とブックマーク数を競います。タイトルにもある通り当初は100人集めてする予定でしたが、参加希望の声が多く、200人での開催となりました。実際、200人まで枠を拡張したにも関わらず、TwitterやYoutubeのコメント欄では、参加できなかったことを惜しむ声が多々見られました。


 実際に参加した私が言うのもなんですが、結構意外でしたね。小説を書きたいと思っていても、書いていなかった人がそれだけいるとは思いませんでした。


 参加者は、期間中に当企画に参加していることを公言することは禁止されていました。当然ですね。公言しては純粋な実力が図れませんから。


 そして、10日ごとに2回の中間報告があり、一か月後の最終発表で、成績上位者が生存者として動画で報告されました。


 また、10万pv、5万字を達成した参加者がいる場合には、なぜか某書籍化作家のお二人が土下座をしたり裸踊りをすることになっていました。実際のところどうだったかは……このエッセイの最後のところで語ります。


 さて、企画発表からわずか数日で始まったデスゲーム。物語の構想を練るには、とても十分とは言えない時間です。執筆未経験の素人なら、なおさらです。


 かくいう私は、実は簡単な世界観設定やキャラ設定などは企画発表前に済ませていたのでした。とはいっても、それだけではとても物語になるレベルではありませんでしたが。


 以前から小説を書いてみたいな、とは思っていたのです。しかし、頭の中で妄想するのと実際に小説として書くのには天と地の差があり、執筆するまでには至りませんでした。また、私は恥ずかしがり屋ですから、たとえ小説を書いたとしても、不特定多数の人が閲覧できる小説投稿サイトに自作を出すことは躊躇していたでしょう。


 私はこの企画を見て、チャンスだと思いました。


 今こそ私の殻を破る絶好の機会だ。今しかない。この機会を見逃せば、結局このままずるずると、小説を書いて投稿する機会を逃し続けるだろうと。


 その思いで、私はこの企画に参加しました。


 企画が始まる頃には、夏休みが終わって大学の授業が始まろうとしていたんですけどね。そんな程度の障害は関係ねえ!と意気込んでいました。


 え? タイトルはどこ行ったって? 俺でもかけるわwwwwとかそういうのはどうしたって? 


 正直に言います。私は別になろう小説に関して俺でもかけるわwwwwとか思っていないし、舐めてもいないです。何十万もあるなかから選ばれたものなのですから、運もあるにせよ、他とは違う何かがあるに違いないと思っています。


 ほかの参加者も、そう思っていたのではないでしょうか。俺でもこんなの書ける、と心から思っていた参加者はそういないと思います。それなりにいたとしても、舐めていた参加者は早々に脱落したのではないでしょうか。


 小説を書き続けるのは、簡単なことではありません。一か月間完走した参加者は、小説を書くことを心の底から楽しんでいたのだと思っています。


 デスゲームのはじめの話に戻りましょう。


 私は以前から頭の中で妄想していたものを、小説の形にできるように、大雑把なあらすじを考えました。そして私はそのまま、プロットもキャラ設定集なども書かずに本編を書きだしてしまったのです!


 創作論を興味本位に少しかじった程度の私には、きちんと小説を作るということができませんでした。とにかく思うがままに書いていきました。


 pv数、ブックマーク数を競う以上、私は一番になる気でいました。そして、小説家になろうで人気を得るためには、面白い小説を書くだけでは足りないことも知っていました。


 なろうには流行りのジャンル、展開、キーワードがあります。それらを盛り込まなければランキングに乗ることは厳しいでしょう。


 私はハイファンタジーの小説を書くことを考えていました。そのジャンルでの現在の流行は、いわゆる「追放ざまあ」物です。日刊ハイファンタジーランキング上位はほとんどそれが占めています。「今更」「もう遅い」これらのキーワードが高確率で作品のタイトルに入っています。


 私もその流行に乗っていれば、作品を見られる回数も増えたのでしょう。


 しかし私は、「追放ざまあ」物を書く気にはなれませんでした。否、書けなかったのです。


 結局私は、自分が書きたいものしか書きたくないし、書けないのです。よしんば書けたとしても、長くは続かないでしょう。創作には、情熱が何よりも大事なのだと思います。


 なろうで閲覧数を増やすためにできることは、流行りに乗ることだけではありません。検索されやすいキーワードの設定、読者の興味を引く長文タイトル、なろう勝手にランキングのタグ設置、Twitterでの宣伝、活動報告をこまめに投稿すること……考えられるありとあらゆる手段を自分なりに試しました。


 それだけした私の作品のpv数、ブックマーク数は…………それほど伸びませんでした。やはり、なろうはそれほど甘くはなかったのです。


 デスゲーム開始から10日後の第一回中間発表。


 私の作品のブックマーク数は6。


 pv数は……751でした。

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[良い点]  私はこの企画を見て、チャンスだと思いました。  今こそ私の殻を破る絶好の機会だ。今しかない。この機会を見逃せば、結局このままずるずると、小説を書いて投稿する機会を逃し続けるだろうと。 …
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