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あなたの……が欲しい
少し前に出かけたデートで、ケイにプレゼントされたピンク色の花を模した髪留めを毎日つけている。
もちろんそれは、私の事をよく知っているケイだから選んでくれた、私好みのかわいらしい髪飾り。
でも、私が毎日髪飾りをつける理由はそれだけではない。
つけている私を見たケイの嬉しそうな笑顔が見れるからだ。
ケイの笑顔を見るだけで、自然と自分も笑顔になる。
王家の鞘に加えて花の髪飾り。
ケイとの繋がりを確かにする大切な物がもうひとつ増えた。
もっと増やしたい。
もっと、ケイと繋がりを感じられるものが欲しい。
恐らく、この欲は際限がない。
でも、それでいい。
だって私は、この果てしなく上に続く空のようにケイのことが大好きで……。
愛してるのだから…………
「……?どうしたの、ユリア?」
「……ううん。なんでもない!」
ケイの腕にしがみつくと、そのまま頭を傾けた――――




