休日とります!
「も~……い~~や~~だ~~!」
「あはは…ついにこうなったか…」
私はいつも通り早朝から鍛錬に励む……のが嫌になり、毛布にくるまっていた。
ケイはやれやれと微笑しながら私の説得に試みていた。
「ほらユリア、今日頑張れば明日お休みだし、私も今日はずっと隣にいるから、ね?」
「休みといっても体幹トレーニングとか精神統一じゃない!そんなの休みなんて言わないわ!」
「………わかったよ」
そう言うとケイは静かに部屋を出て行ってしまった。
あまりの我がままにとうとう呆れてられてしまったのか。
鍛錬を始めてからほぼ休みなしの生活。
少しずつ成長はしている実感はあるが、毎日同じことの繰り返しで飽きてしまった。
やっぱり私にこんなこと無理だったんだ……。
「ユリアッ!」
「きゃぁっ!!え!なにっ!?」
ケイがいきなり扉を開けて嬉しそうな顔をして入ってきた。
「聞いてよユリア!今、王様に休暇を頂けないかお願いしに行ったら、許可もらえたんだ!」
「ほんとに!?」
「うん!しかも、3日間もらえたよ!」
「っっ!!!」
なんてことなの!ケイは私に呆れて出て行ったんじゃなくて、お父様にお休みの許可をもらいに行ってたなんて!しかも3日間!
あぁ…嬉しくて涙でてきたわ……
「ありがとうケイ!大好きっっ!!!!」
私はケイに抱き着いた。
「わぁっ!ちょ、ユリア、危なっ……ぷふっ、あははは!」
「それで3日間なにしようか?」
「そうね~…う~ん…」
最近全然できてなかった読書をするべきか、それともマッサージ師を呼ぶか、悩みどころ……。
「じゃあデートしようよ!」
「そうね、デートしま……え?」
「はぁっ!!嬉しいよ、まさかいいって言ってもらえるなんて!!」
「あ、え?ちょっと…!」
「あぁ~どこに行こう。せっかくだし王都の外に行ってみたいなぁ~!」
どうしよう、聞いてない……。
私はゆっくりするつもりだったのに、でもこんなに嬉しそうなケイにやっぱりやめるなんて言えない……。
「ケ、ケイ?外に出るのは全然いいんだけど、流石にお父様に止められないかしら…?」
「その許可もさっきもらってきた!」
ケイは目を輝かせて親指を立てた。
ん~、流石はケイね。準備がいいというか気が利くというか……
お父様には
(そーいえばここずっとまともに休み取らせてなかったか、いや~すまなかった!せっかくだし思い切り楽しんで来いっ!)
(城外に?ま~今回はケイもいることだし、特別に許可しよう!)
と言われたそうだ。
お父様のいつもの悪乗りだ。
こうなったら仕方ない、ケイに付き合うしかなさそうだ……




