申し訳ない
流石に悪いと思いました。楽しい気分を台無しにしちゃったなーとか、2人とも何気なーくいつもより気合い入った髪型だったのも部屋入ってきた時から分かってた。でも、私なせいで台無しにしてしまった。
その結果、私の両手は誠と琴子にガッチリ掴まれて私の自由意志は尊重されることなく握られています。少し力が強くないかなーと思うけど心配の現れなのがありありと伝わってきて、何も言えない。
うん、まあ、今回はちょびっとだけ悪いと思うよ。だから心配そうな誠の顔と、いつも可愛くないと生きている意味は無いみたいな事を常々言ってる琴子が髪を乱して私の前に居る事が、その、なんて言うか、まあ、申し訳なくなったのだ。
それで言ってしまったのだよ。
「も、もう逸れないように手繋ご?ね?」
途端グリンって2人の首が私に向いた時はちょっと後悔したけどね。
歓喜と狂気が混ざった顔ってこんな顔なんだと思いました。ゆらゆらとじわじわとこちらによってくる様はホラーですよ。まじで。
「……接着剤ってダイゾーだっけ?」
琴子がセットした髪をファッサと掻き上げて文脈崩壊したことを言ってら。
「こ、琴子さん?何に使うのかな?聞いてもいいかな?」
確認って大事だと思うの。ほら、こっちが思ってることと相手が考える事が違うと戦争になるから。
「それじゃあ普段の生活不便だろ?指輪売ってるとこあったよな」
あれ?あれあれあれ?なんで被せるようにわけわからないこと言うかな、誠さん。
「誠さん?ファッションだよね?その指輪の付ける場所聞いてもいいかな?」
2人とも曖昧に小悪魔スマイルと王子様スマイルで返してきた。
「……大人しく服を選びます」
私が折れないと終わらない気がするよお。
「……そっか、結婚考えといてね」
「え、理解が追いつかない」
「婚姻届は家にあるからね」
暴走が過ぎるが私は可笑しくて笑ってしまう。
あーあ、あんなにさっきまで怖い思いしてたのになー。2人が居るだけでこんなにも楽しいんだ。
暫く3人で笑っていた。もう何が面白いかとかじゃなくて笑ってきたかった。
「結構本気何だけどな」
ボソリと呟いた言葉はどっちが言ったのか。いや、私は何も聞いてない。うん。そうしとこう。




