お願い事
もう既に私の正体が小説家だとバレてしまっているので、意を決してお願いをしてみる。断られるのが怖いとかじゃ無くて、自意識過剰みたいに見られるのが嫌で言い難いんだよね。
琴子と誠がそういう事に寛容だし、優しいのは知ってるんだけど、こう言うのは自分の問題だったりする。
「あの、さ。私ってほら……本買いてるじゃん?」
「ああ、これね?サイン本だよ」
「うえ?なんで持ってるの〜?」
「私も持ってるよ。因みにこれは連れてく様なの」
「連れて用?」
「???」
困惑するし、理解が出来ない。今に始まった事じゃないけど、なんというか常軌を逸してるよぉ。
行けない行けない。ペースに飲まれるところだった。
数秒前の頑張るって感じの私を無駄にするな!
「取材というか、ね?華のJKの感じを纏めたくて」
「フムフム、用はいつもどんな感じか知りたいんだね?」
「ま、まぁ、そうかな?」
「任せてよ!このJK日本代表がそのリサーチ完璧なものにしてあげるから!」
「わぁ、ありがとう!どうしようか困ってたんだ!編集さんに先生はその、アレですね。枯れてますねって言われてて困ってたの!」
「ふーん、出版社どこだっけ」
「○○書房だよ。行くか……」
「行かないよ!?何しようとしてるの!?目が据わってるんだって!!」




