10/20
肖像権
「手なんて振っちゃってさどうしたの?」
トレイにちゃっかりケーキも載せて誠が先にこちらへ歩いてくる。
「手なんて振っちゃってさどうしたの!?いやいやいや何?あれ?私がおかしいの?」
「そうだよ」
「そっか、そうか。とはならんのよ!店ん中で離れた距離で連射するやつ居る!?」
「ん?私だな」
「違う!そうなんだけど!常識的に!」
価値観の相違と言うにはズレすぎている!どうにか修正したいと思っていると琴子もチーズケーキをプラスして席に着く。
「え?紗奈だってディズニーとか行ったらミッキー撮るでしょ?」
「私=ミッキーなの?」
まさかのマスコット枠。
「そんなわけないじゃない!紗奈の方がっ!」
おっといけない。狂信者の目だ。何をのたまうか分かったもんじゃない。
無理に話題を逸らして私はここまでの話をなかった事のように振る舞う。
「おーけー、落ち着こう。あー、幾らだった?」
「もう貰ったよ?」
誠に聞けば既に受け取ったと言う。そんなはずはないし、また冗談かと苦笑い。
「いや、私の財布ここにあるし」
「肖像権」
「いや、ないから!」




