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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第4章:仲直り編
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81話 引けない場面

「おいふざけんな! 何だそれ!!」

「ふざけてません! きっかけはどうあれ、今まであんな献身的に俺の為に尽くしてくれて、もう俺は小桜さんに惹かれまくりです!! けど左足が完治してない、包帯グルグル状態で告白はどう考えても卑怯でしょうが!!」


好きな女の子に告白する云々でお互いに胸ぐら掴んで睨み合い。相手が女子という紛らわしいシチュエーションだが、そんなのどうだっていい。


「てめぇ、もやし野郎と思ってたが、言うじゃねぇか」

「好きな人に関する場面くらい、格好付けさせて下さい」


自分でも本当にビックリしている。


檜山先輩に拒否された後、だったら力強で吐かせてやると思ってしまった自分に驚いて、何の躊躇もなく告白宣言までしてしまったが、恥ずかしさは一切なくて、撤回する気だって全くない。


「フラれたらどうする気だ? 小桜はお前を気に入ってるが、あの性格ならビビッて断るかもしれねーぞ」

「もしフラれたとしても全部終わりって訳じゃないし、所詮は高校生の恋愛です。変に遠慮して何もしない方がアホだって織田も言ってましたよ」

「ちっ、あの糞イケメンが」


もしフラれたら、一晩中泣きわめけばいい。


告白したせいで関係が壊れる可能性は勿論0じゃないけど、自分から飛び出さなきゃ何も掴む事なんてできない。物語の主人公も欲しい物を手に入れる時は、いつだって勇気を出して掴んでいた。


「それにもしフラれたとしても、俺は小桜さん妹の美羽ちゃんに好かれてますので」

「あっ! てめっ! 卑怯だぞ!!」


知らん。実際小桜さんにフラれた直後に美羽ちゃんに告白なんて外道行為をする気はないけど、とにかく今は檜山先輩を説き伏せるのが最優先。そうして睨み合いを続けていたら、檜山先輩が観念したかの様に溜息を出してくる。


「分かった。話す」

「ありがとうございます」

「ったく、コレだから男は」


そうして軽く頭をどつかれた後、檜山先輩と小桜さんの忘れられない昔話が始まったのだ。

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