63話 教育的指導
????(首を傾げる)
いつも通りに出迎えだけど、俺の後ろに小学生コンビ、初対面の月山さんがいるから、警戒モード?になってるっぽいな。
こういう時の小桜さんは動かず、監視に専念して情報収集?をする習性があるのだ。だから警戒モードを解く為に、情報公開をしてあげないと、
「この子は美羽ちゃんの友達で、月山さんです。こざ……」
うっ、そういえば小桜お姉ちゃんは消滅したんだっけ? それに美羽ちゃんの姉じゃないのなら、どう扱えばいいんだ? この矛盾をどうすればと元凶の美羽ちゃんを見てみたら、汗だらっだらで明らかに狼狽している。なので全員が無言の最中、何かを察しった月山さんが
「うふふ、お兄さんの彼女?」
「違います! 彼女じゃないです!!」
全力で美羽ちゃんが否定、この発言に小桜さんは固まったままだけど、どう思ってるのだろう? 動きがないからよく分からない。
「ええっと。月山さん、この人は高校の先輩で、名前は……」
「羽生美夜です!!」
????????(激しく首が傾く)
美羽ちゃんのとんでも発言で、過去最大級の傾きっぷりだ! 嘘に嘘を塗り固めるのは良くないって格言は本当だな。状況がどんどんカオスだよ。
「えっと、羽生、さん? 今日はどうしました?」
そう尋ねたら袋を差し出しきて、中には湿布と傷口が入っている。どうやら昨日の事を気遣ってきてくれたらしい。嬉しい限りだ。
「ありがとうございます。ただ今は立て込んでいるというか、ほんとすみませんが今日はお引き取り願えますか? 後でちゃんと説明しますので!」
コクコク(首を縦に振る)
このサインに小桜さんが察してくれて、帰ってもらった後、
ガシッ (妹の頭を掴む)
「みーうーちゃーん」
「すみませんすみません。反省してます」
「月山さん、俺の本棚で読んでみたい本あった?」
「ありますが」
「じゃあ好きなだけ読んでいいよ。ちょーーっと今から兄妹会議がしたいので」
「うふふ、よく分からないけど、分かりました」
こうして月山さんを俺の部屋に連れていった後、リビングで妹の弁解を聞くことにしました。もちろん正座をさせながら。




