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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第3章:謎のご褒美編
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59話 終電

鎌倉駅に戻ってから鶴岡八幡宮に参拝、映画記念館は閉館済みで断念、小町通りで夕食&食べ歩き等、怒涛の勢いで各所を巡り、鎌倉駅旧駅舎時計台で一緒に写真を撮った所で遂に小桜さんから終了の合図が出たけど、既に22時過ぎ。もう駅に行かなきゃ駄目な時間だ。


「じゃあ、帰りますか」


コクコク(首を縦に振る)


駅は目の前、もうちょっとだけ我慢だ。痺れ気味の左手に力を込め、体を支えつつ、これ以上脇を刺激しない様に前進したが、ゴール直前で失速するランナーの如く、ラストスパートと分かったが故の気の緩みに抗えず、それでも気合で突き進もうとしたら、前を歩いていた筈の小桜さんが戻ってきて、


ぎゅっ (抱きしめられる)


「………………………………………ごめん。気付けなかった」


ああ、バレちゃったか。


これで完全に気が抜けて左手の握力がなくなり、カラーンと松葉杖が倒れて、抱き着き中の小桜さんに寄りかかる。傍から見ればカップルが抱き合っている様に見えたかもしれないが、そんな余裕は微塵もない。


歩き方は問題なかった筈だが、朝からずっと動きっぱなしで、挟みっぱなしだった松葉杖が左脇に擦れ続けて、昼過ぎから違和感、夕方に軋み、そして今はヒリヒリしっぱなしである。バレずにやり過ごしたかったのに、情けない限りだ。


「小桜さん、とにかく駅に行きましょう。もう時間が…」


ちょん (左脇を突かれる)


「あ゛あ゛っ!! くうううぅぅぅぅぅうう」


予想以上の痛がりっぷりに、小桜さんがペコペコと頭を下げまくる。小桜さん、天然鬼畜だなぁ。それから小桜さんがベンチに誘導しようとしたが、休んだ所で治まるものでもないので、松葉杖を持ってもらい、支えられながらの移動で駅に到着したが、それと同時に自分達にとっての終電電車が発進しちゃいました。


ベタな展開だなぁ。

次でネタばらしです。

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