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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第3章:謎のご褒美編
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53話 出戻り厳禁

「羽生君、お久しぶり~」


「お久しぶりです森谷さん。元気そうで……、あれ? お疲れですか?」


土曜の週末、左足の診察で2週間ぶりの来訪、回復は順調で松葉杖1本でOKとなりました。まだ走れないけど、歩行はほぼ問題なし。松葉杖も脇に添えるだけってレベルだ。そして診察後に森谷さんに声を掛けてみたけど、笑顔に影があるなぁ。


「ああ、分かっちゃう? ようやく後任が来てくれたんだけどね~。元気とやる気があるのは良い事なんだけ…


「せんぱーい 205の点滴行きますねー」

「ちょっと待って。ダブルチェックした?」


後ろを通り過ぎようとした、緩い三つ編み看護師さんを森谷さんが慌てて制止、因みにダブルチェックは、


「しましたよー。私がダブルでー」


「な・か・は・ら・さ~ん。前に違う点滴挿そうとしちゃったよね~。もしやらかしたら~、遺族・マスコミからの総攻撃で再起不能になった看護師達の無念と教訓が…


「怖い! 怖いです先輩! 分かりました! チェックお願いします!」


そうして森谷さんがチェックを開始、そして新人看護師の中原さん?がこちらに気付いて


「あー、駅の階段で転倒しかけた少年!」


「えっ? あー、松葉杖を拾ってくれた人だ。その節はありがとうございました」


あの時は駅員さんまで呼んでくれて、やけに手際はいいと思ったけど、まさかの看護師さんで森谷さんの後任だったとは。


「羽生く~ん。また大怪我で再会されても、お姉さん嬉しくないな~」

「すみません。あの日は中間テストで急いでいたので。それに小桜さんが支えてくれましたから」


「あれっ? 羽生に小桜って、もしかして君が先輩の言ってたカップル?」

「ええっと、多分そうですが、森谷さん、一体何を説明したんですか?」

「ん~、色々~」


全く、この不真面目ナースは。


「兎に角、羽生は早く足を治してね~」

「分かりました。森谷さんも退職したら、幸せになって下さいね」

「そうですよ先輩、看護師の出戻り率は地味に高いから、気を付ぐげっ!」


「あら~、心配してくれてありがとね~」


「いひゃい! いひゃいふぇふせんふぁい!」


頬を抓られる中原さん?に満面の笑みで答える森谷さん。ほんと幸せになって下さいね。


因みに、森谷さんにお願いして、俺がいた個室に小桜さんのやりたい事が書かれた紙が残ってないか確認してもらったけど、残念ながら清掃済みという事でありませんでした。

中原さんは46話で登場した人です。あと森谷さんと携帯アドレス交換しました。ついでに中原さんとも。

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