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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第3章:謎のご褒美編
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50話 高校生からの人付き合い

午後の授業開始チャイムが鳴り、先生が教室の前ドアから入るのと同時に、後ろのドアから檜山先輩のお米様抱っこで帰還。このシュールな絵面に『ココは笑う場面なの?』って反応をクラスメイトから返されちゃいました。


暫くはこのネタで茶化されるって覚悟したけど、意外にもそういう場面は殆どなく、それを織田に聞いてみたら、


「そりゃそうだ。お前が怪我人・檜山先輩が怖そうってのもあるが、俺達はもう高校生だぞ。異性とじゃれただけでガキっぽく揶揄からかったら、逆に嫌われるだけだって」


成程、確かに相手を卑下する人間と関わりたがる奴は少数で、正当な理由がなければ尚更だ。


人と仲良くなるには、自分がどんな人間かを積極的に伝えるのが一番だ。自分の趣味・好み等を話せば、相手はそれに合った話題・距離感で応えてくれる。だから自分について何も話さなければ、分かり合えないのだ。


だから俺は今まで本好き虚弱キャラをアピールして、気の合う連中を見つけてきた。それに堂々としてれば大概は認めてもらえるし、織田のオタク趣味だって邪険にされてない。こいつはイケメン補正かもしれんが。


「しかもお前にはロリコン勇者って勲章がある。下手に悪口言ったら返り討ちだぞ」


「現在進行形で悪口言われてますけど?」


「まぁそれはさておき、先輩が知り合いなのは普通に武器だ。しかもそれが美人先輩コンビならポイントが高い。だから、そんなお前に(あやか)ろうって打算的に近づく輩には注意しろよ」


「成程、つまりお前か?」

「ははっ、人付き合いには、したたかさも必要だぞ」


よく言うよ。だけど織田の意見は(もっと)もで、気を付けよう。そんな雑談をしていたのだが、スッと織田が身を寄せて、小声で尋ねてきた。


「で、実際その助けた妹とは、どうなんだ?」


「ああ、それなんだが、かなり懐かれてます。よく俺の家に来て、料理作ってくれたり、勉強教えてあげたり、あと俺の部屋にその子の私物がちょくちょく増えていってます」


小学校と小桜家の通り道に我が家があるからなぁ。両親も妹ができた感じで嬉しそうだし、俺も嫌じゃないんだけど……、



「お前、マジで勇者になるのか?」


「いや、その予定はないんだけど……」



それに美羽ちゃんに付きっ切りだと、小桜さんの機嫌が首と一緒に傾く訳で、やっぱり人付き合いはさじ加減も含めて、大切だなぁ。

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