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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第1章:入院生活編
4/94

03話 パーフェクト自己紹介

名前: 小桜こざくら 美夜みよ

年齢: 16歳

身長: 161cm

体重: 53キロ

誕生日:12月28日


スリーサイズ: 85/54/79


趣味: 読書

住所: XX県XX市XX区XXXX X-XX-X

携帯: 080-XXXX-XXXX

メール:XXXXXXX@XXX.XX

将来の夢:未定

etc


……

………


 どうしよう。

 ガチ情報っぽい。


 特にスリーサイズが見たまんまで、失礼と分かっていても見比べてしまう。それによく見れば顔の輪郭が整ってるし、地味な眼鏡を取って髪を整えれば結構な美人になりそうで、磨けば光る素材って感じだ。


 そしてようやく分かった。

 彼女の名前が、小桜美夜という事に。


「えっと、小桜さんでいいですか?」


 コクコク(首を縦にふる)


「じゃあ……、俺も書きますね」


 こうなった以上、書くしかない。そう腹を括って項目を埋めていく。




名前: 羽生はにゅう ゆう

年齢: 15歳

身長: 166cm

体重: 57キロ

誕生日:6月15日


スリーサイズ:



 あれ? 俺のスリーサイズっていくつだ? 男だから気にした事がない。何か参考になる情報がないか周りを見渡すと、小桜さんのスリーサイズ情報が目に入る。


 どうせ男のスリーサイズなんて興味ないだろうし、適当でいっか。


 ええっと、小桜さんの胸がパッと見それなりに大きくて85だから、ペッタンコな俺は80くらいだろう。それで小桜さんのほっそりウエストが54で、俺も太ってないけど男だから+3ってとこだな。尻も同じく+3で。


スリーサイズ: 80/57/82


 まぁ当たらずとも遠からずってとこだろう。

 そのまま住所や携帯情報を全部埋めて、小桜さんにプリントを渡す。


「どうぞ。あと小桜さんの情報もお返ししますね」


 正直口惜しいけど、仕方がない。ないのに、


 ????(首を傾げる)


 当の本人は不思議そうな顔をしている。


「いや、男として大変興味がありますけど、名前や年齢はともかく、体重やスリーサイズ情報を握ったままというのは……


 バッ!!


 えー、今更自分が書いたプロフィール食い入るように見てるよ。人間、緊張やテンパりで視野が狭くなる時があるけど、それなの? 


 この推理は正解だった様で、小桜さんが妙にワタワタしていて、それから俺と目があうと、二散歩後ずさった後、豪快に転んでしまった。


「ちょっ! 大丈夫でっ!」


 つい駆け寄ろうとして胴体を動かそうとした瞬間、体の軋みがそれを制止させる。


 それから小桜さんがすぐに立ち上がって眼鏡のズレを直した後、心配そうに駆けより、そしたらまた照れてワタワタ動作と、もう色々とパンク寸前になった所で。


 ペコペコ(頭を下げまくる)


 と、結局一言も喋らずに、自分の鞄を抱きかかえて逃げちゃいました。


 それから静寂が訪れた後、スリーサイズはともかく、携帯アドレスは控えておけばよかったなーと、ちょっとだけ後悔しました。

※成人男子の平均スリーサイズは「86/72/85」だそうです

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