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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第2章:小桜姉妹編
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35話 小桜ファンタジー

昨日のおもてなしから一夜が明け、小桜さんと会い難い感じになっちゃったなーと思っていたのだが、


「おじゃましまーす、お兄ちゃーん」


朝から小桜姉妹が我が家に訪問、そして美羽ちゃんがとっても元気に挨拶してくれました。まるで昨日の嘔吐が嘘だったかの様に。なのでその事には触れず、とりあえず俺の部屋に招待してみたら。


「うわぁ、本当に本ばっかりです」


小桜さんと同じく、感嘆とした様子で部屋を見渡した後、


「あっ! 私が作ったブックカバーと収納袋、早速使ってくれたんですね!」

「うん。しおりも昨日寝る前に読んだ小説に挟んであるから」


やっぱりプレゼントは、ちゃんと使ってあげないとね。こうして使っている所を見たら、本人も喜んでくれる訳だし。


「あっ、この百羽鶴も部屋に飾ってくれたんですね。とっても嬉しいです」

「えっ? うん、そうだけど、これはクラスメイトからのお見舞い品で…」


「これは美羽が作ったものですよ?」


「そうだったの!?」


言ってよ小桜さん! クラスメイトのお見舞い品と一緒に渡されたら気付けないって! そうして小桜さんを見たら、ワタワタした後、ペコペコと頭を下げてから部屋から退散しちゃいました。やっぱり困ったら逃げちゃう習性らしい。


「ごめんね美羽ちゃん。小桜さんからクラスメイトのお見舞い品と一緒に渡されて、勘違いを」

「いいです。無口なお姉ちゃんが悪いので、お兄ちゃんは悪くないです」


最近は小桜さんと意思疎通できる様になったと思ってたけど、勘違いだった様だ。今までのコミュニケーションもアンジャッシュの可能性がある訳で、凹むなぁ。


「美羽ちゃん、小桜さんの意思を読み取るコツってある?」

「すみません、美羽も研究中です」

「ええっ!? 美羽ちゃんでも分からないの!?」


なんということでしょう。長らく妹をやってる美羽ちゃんでさえ意思疎通が困難なら、会って1ヶ月くらいの俺が理解できる訳がない。


そうして打ちひしがれていたら、我が母に渡されたであろう来客用の飲み物を持った小桜さんが戻ってきたけど、小桜さんを理解するには、まだまだ時間がかかりそうだなぁ。

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