31話 アンケート結果
「うわぁ、すっごい餃子の量」
昼食になったけど、メインが餃子で、大皿には規則正しく円盤状に並べられた大量の餃子があり、今も第二弾が焼かれている最中だ。
「とっても美味しそうだけど、何で餃子?」
駄目じゃないけど、来客料理としてはどうだろう? そう疑問に思っていたら、料理を運んできた美羽ちゃんが答えてくれた。
「だってお兄ちゃん、餃子が大好きですよね?」
「うん、そうだけど、何で知ってるの?」
「これにそう書いてありましたから」
そう得意げに差し出してきたのは、小桜さんがお見舞い初日に持ってきたアンケート用紙で、どうやらあのアンケート(01~03話)は美羽ちゃんの要望で、それで小桜さんが駆り出されたらしい。まぁ、助けられた相手がどんな人間なのか、事前に知っておきたいと思うのは当然だろう。
あと姉妹のやり取りを見るに、小桜さんは妹に甘いというか、逆らえないらしい。だからこそあの時、アンケート記入を最優先にして、暴走しちゃったんだろうなぁ。基本的には仲良し姉妹っぽいけど、小桜お姉ちゃんの苦労は堪えない様である。
それから準備が整い、餃子パーティーが始まって、美羽ちゃんお手製の餃子を食べてみると
「美味しい!」
豚ひき肉・キャベツがメインの王道レシピだけど、肉汁はしっかりと閉じ込められ、具も隙間なくみっちりと詰められているから、食べ応えがあって超美味しい! サイズはお店の餃子と同じだけど、具の密度が全然違う。こういうコスト面を気にせずな所が、手作りの強みだ。
「本当ですか? 頑張って作ったから、とっても嬉しいです」
「お世辞じゃないよ。これなら幾らでも食べられるって」
「良かったー。ずーっと練習した甲斐があります」
「ん、ずーっと?」
気になって周りを見てみたら、小桜さんとご両親が苦笑している。どうやら今日に至るまで、餃子祭りだったらしい。なんか、ごめんなさい。責任持って全部食べますので。
「ところで、何でお兄ちゃんは餃子が好きなんですか?」
「それは俺の母さんが餃子名人で、週の半分は餃子が出てくるんだ。しかも変わり種が豊富で、全然飽きなかったから、気付いたら好きになってた」
「変わり種?」
「餃子は豚ひき肉・キャベツが一般的だけど、それ以外の具だよ。我が母はチーズ・エビ・キムチ・トマト等じゃ飽き足らず、ウインナー・手羽先をはみ出た感じに包んだり、シーチキン等の缶詰の中身を入れたり、手当たり次第に詰めるんだ」
「へぇー、そうなんですね」
「うん、餃子はよっぽど変なモノじゃない限り、美味しく食べられるから」
「じゃあ明日から、それも作ってみますね」
ぴたっ
この提案に、小桜さん・ご両親の3名が固まってしまった。ヤバい、このままじゃ小桜家が餃子エンドレスになっちゃう。
「美羽ちゃん。折角だから、俺の家で一緒に餃子作ってみない?」
「えっ? ゆうお兄ちゃんの家に行っていいんですか?」
「うん、ココと比べたらちっさい家だけど、それでもいいなら」
「勿論です。美羽、狭いのは全然大丈夫ですよ」
ふっ、どうにか小桜家の食卓を守る事ができた。そんなこんなで、餃子パーティは美味しく幕を閉じました。ましたんだけど。
「じゃあ次はプレゼントです」
そう言って美羽ちゃんが用意を始めたけど、いいのかな? 立場上、ここは遠慮せずにご好意を受けるべきなのは分かっているけど、子供にこれ以上たかるのは気が引けるなぁ。
「美羽の気持ち、全部受け取ってね。お兄ちゃん」
うん、この笑顔を裏切ったら男じゃない。だからどんな物を貰っても笑顔で受け取ろうって決心してから、思いのほか巨大な袋を持ってきた美羽ちゃんと対峙した。




