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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第2章:小桜姉妹編
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30話 小桜美羽

★美羽ちゃんの性格・言動をちょっとだけ改訂しました

「い、いらっしゃいませ、羽生はにゅうゆう様。お待ちして、おりました、です」


「は、はい! お招き頂きまして、恐悦至極に、存じ上げます」


GW初日、招待状通り小桜家に到着。玄関で遂に小桜さんの妹と初対面したのだが、共にガッチガチなお辞儀で、しかも妹さんからまじまじと見られ続けるという有様だ。


小桜さん妹は身長130程の幼い容姿で、ツーサイドアップの髪・シンプルなワンピースと白タイツがとっても似合う可愛いらしい女の子なのだが、こっちは松葉杖の年上高校生・自分のせいで入院・そしてあの事故から1ヶ月も経過したうえでの対面だから、緊張しない方がオカシイ状況だ。


なのでココは俺の方から和ませるべきだけど、到着した小桜家が3階建のオシャレな外観・厳重かつ立派な門構え・トドメは俺の部屋より広い玄関という、庶民としては浮足立たずにはいられない状況なのである。


まさか小桜家が、ここまでの金持ちだったとは。

これからは小桜お嬢様って呼んだ方がいいのかな?


????(首を傾げる)


だけど横にいる小桜さんは今まで通りの超自然体で、何でそんなに緊張してるの?って言わんばかりの反応だ。小桜さんらしくて何よりだけど、な~んか納得できないなぁ。とにかく、何でもいいから会話をしないと。


「えっと、ご両親はお出かけ中かな? 玄関横の駐車場が空だったけど」


そう尋ねると、礼儀正しく直立不動だった妹さんがビクッとしてから、慌てて答えだす。


「ちっ、違いますです! 奥の部屋で待ってます。今日は家族みんなでお出迎えです。さぁ、どうぞ、です!」


マジかー。お出迎えは嬉しいけど、全力過ぎて緊張してしまう。そうして妹さんの手と足が同じタイミングで動きながら先導が始まったのだが、


「ちょっと待って。靴の履き替えに時間かかるから」


松葉杖での来訪は非常に面倒だ。外出で汚れた松葉杖で家に上がるのはNGで、杖に装着した外用つま先カバーを外してからあがる必要があって、当然ながら靴の履き替えも時間がかかってしまい、そんな動作にもたもたしていたら。


「ああ、ごめんなさい。ごめんなさい」


妹さんが慌てて駆け寄り、謝りながら手伝ってくれたのは助かったけど、


「肩を貸します。あと私がおんぶします」


「大丈夫、大丈夫だから」


ヤバい、お互いどんどん緊張していってる。てゆーか、幼女が俺をおんぶは普通に潰れて押し倒しちゃうから。どうやら妹さんは相当テンパっている様で、だけどこっちも人生初の女子家に来訪というシチュエーションも相俟って冷静になれず、2人して空回りを続けていたら、


   パパパーーーーン!!!


急に爆音がして、音源に目を移すと、後ろにいた小桜さんがクラッカーを発射させた様だ。何故ここでクラッカー?と思っていたら


「………………………おっ、おちっ」


台詞を言い切ることすら出来ず、一番落ち着きのない諭しに、俺と妹さんが呆気にとられた後、


////////(顔を手で覆う)


小桜さんが照れだしてしまい、そんな仕草に2人して笑ってしまった。それから緊張が解れたっぽい妹さんが小桜さんに駆け寄る。


「ありがとうお姉ちゃん。そのクラッカーは後で使う予定だったけど、おかげて落ち着けました」


コクコク(首を縦に振る)


「すみません。私、緊張しちゃってました」

「いや、俺も年上なのにごめんね」


「そんなことないです。今日は来てくれて、本当にありがとうございます。羽生夕様」(にこっ)


礼儀正しくお辞儀をしてきた辺り、とってもいい子でしっかり者っぽいな。それにさっきの笑顔が本当に眩しくて『守りたい、この笑顔』という言葉は、この子の為にあるんじゃないかって思ってしまった程だ。


「あとフルネームで様付けしなくていいから。呼び捨てでも何でもいいから」


「じゃあ……………、お兄ちゃん?」


「うっ、まぁ、それでいいなら」

「分かりました、お兄ちゃん」(にこっ)


おおう、中学でラノベ大好き野郎が妹の魅力について力説された事あるけど、確かに威力あるな。小説で妹キャラが多いのも納得だ。


「じゃあお兄ちゃん、私のことも好きに呼んで下さい」

「分かった。じゃあ1つ質問させてほしい」

「何、お兄ちゃん」


「今更だけど、名前、教えてくれない?」


この言葉に妹さんが固まった後、ギギギっと首が動いて視線が小桜さんの方に移る。


「お姉ちゃん、何で教えてないの?」


この言葉に小桜さんがワタワタしっぱなしで、妹に頭を下げまくっている。どうやら美羽ちゃんは笑顔で怒るタイプで、幼女なのにそれなりの威圧感というか、小悪魔?な感じで、因みにこの絵面からは、姉としての威厳は完全に0である。


「もー、しょうがないなぁ、お姉ちゃんは」


小桜こざくら美羽みうです。駄目なお姉ちゃんでごめんなさい」

「美羽ちゃん。いい名前だね。こちらこそよろしくね」


そんな無口だけど優しい姉、可愛くてしっかり者の妹に先導されてリビングに到着、小桜さんのご両親に対面した後、美羽ちゃんのおもてなしスタートとなった。

当初は小桜さん家の玄関で豪邸と騒ぐ→家に上がって妹登場でしたが、テンポが悪かったので全削除しました。構成って大事ですね(泣)

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