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小桜さんは義理堅い  作者: 奈瀬 朋樹
第1章:入院生活編
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25話 1ヶ月ぶりの感動

「ギプス用サンダルはどう? しっくりしてる?」


「はい、大丈夫です」


遂に歩けるんだ! やっと背中の軋みが消えて、松葉杖を森谷さんに渡された後、歩き方の練習を開始。今は怪我していない右足・両肩に挟んだ松葉杖の3本で立っている所だ。


「右足に違和感はある? 一ヶ月も使ってなかったからね」


「それも大丈夫です。毎日マッサージしてましたから」


「うん、じゃあゆっくりと歩いてみて。あと左足は、体重の1/3までだよ~」


「はい、じゃあ、ゆっくりと」


前進して、両脇に松葉杖を通して全体重が加わり、左足を地面に添えてから、右足が地面に付く。


「うん、それでいいよ。じゃあ怪我した左足はバランスを取るだけって感じで10m歩いてみよ~」


そうして言われた通り、無事に進めたけど、


「松葉杖が太ももにぶつかりまくりで、痛い」


「うふふ、最初だから仕方ないよ。だから自分なりのリズムを覚えようね。でないと太もも、あざだらけになっちゃうよ~」


これも松葉杖あるあるらしい。それに怪我した左足にぶつけるのも駄目だし、予想以上にジャジャ馬な代物みたいだ。それから30分くらい練習をした後、今日の練習終了となりました。


「もっと練習したいけど、君は体幹を負傷したから、慎重にね。背中は痛くない?」


「えーっと、大丈夫です」


軽く上半身を捻ってみたけど、問題はない。因みに足の骨折だけなら、ギブス固定後に松葉杖を渡して当日退院ってケースもあるらしい。


「じゃあ明日の朝まで背中の痛みが出なかったら、本格的に練習するよ~」


「はい、分かりました!」


いよいよ退院間近だ。左足の骨折完治はもう1ヶ月かかるけど、やっと外に出られる! 本好きでインドアな俺でも、流石に太陽が恋しい。んでもって風呂とか、とにかく色々やりたい!


「そういえば、この松葉杖って借りれるんですか?」


「勿論。預り金はあるけど、壊さなければちゃーんと返すし、1日50円ってアコギは真似もウチはしてないからね~」


「レンタル料を取る病院あるんですか?」


「場所によってはね。国民の皆様から毎月高い保険料を徴収してるのにね~」


「まぁでも、50円くらいなら……」


「駄目だよ羽生君、こういう時こその保険だよ。それに君のご両親が国民健康か社会保険を毎月払ってるから、遠慮は不要よ~。君はしっかり保険の恩恵を受ければいいの。……そろそろ病室に戻ろうか。次は松葉杖生活の注意点について教えるよ~」


「あっ、その前に寄りたい場所があるんですけど、いいですか?」


「えっ? 院内ならいいけど、何処に?」



「勿論トイレです!!」



この心の叫びに、真面目モードだった森谷さんが思いっきり爆笑してしまった。


「そっ、そうだね。今日はオムツ卒業記念日だったね。じゃあ、病院の多目的トイレに行こっか」


あぁ、やっと、やっとトイレでウ●チができる。あの暖かい便座ヒータで致せる喜び、出した後に残らない感触、そして致した後の純粋なスッキリ感、あの日常が帰ってくるんだ。皆毎日、当たり前の様にウ●チしてるけど、それがどれだけ素晴らしい事か、是非思い返してほしい!


そんな恋焦れる俺の顔に、笑いを必死に堪える森谷さんを無視して、俺は約1ヶ月ぶりのトイレを体験。感動でつい、涙が出ちゃいました。

プロローグで全治1ヶ月としましたが、それは腰骨・退院の事で、左足はもう1ヶ月の松葉杖生活です。詐欺?ですみません。あと、流石に下品過ぎたかもで、修正するかもです。

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