09話 女の子の保健体育
小桜さんは俺のクラス担任にお願いして、退院までの連絡・勉強のフォロー役になったそうだ。この提案に先生側も助かるという事で、授業内容・小テスト・中間試験の範囲についても、小桜さんを通して伝達という事になり、今日は高1の教科書を全て預ってきてくれたのだ。
「こんなに沢山、重かったですよね?」
フルフル(首を横にふる)
いつも通りの否定だけど、今回はちょっとだけ反応が遅かったから、強がりみたいで、だからこそ下手な追及はよそう。病人は素直に感謝するのが役目で、そして毎日来てくれる以上、頑張るしかない。
なので今日はGWまでの勉強スケジュール作成となった。何事も目標を設定して、そこから逆算、限りある日々をどう使うかが重要だ。
因みに病院の面会時間は大抵午後3時~8時で、ココもその通りだ。なので俺は学校と同じ時間割で自習をして、16時頃に小桜さんが来て内容確認、あとは先生からプリント等の課題があれば実施して、20時前に小桜さんが帰宅という感じになった。そして今日はもう遅いので解散という事になったけど、
「小桜さん、本当にこのノート見てもいいんですか?」
コクコク(首を縦にふる)
教科書だけでなく、小桜さんが高1だった時のノートまで渡してくれたのだ。
「じゃあ、参考にさせていただきます」
そう伝えた後、小桜さんが帰っていった。勉強は明日からだが、新しい教科書が気になったので、軽く目を通してみたけど、さっぱり分からない。特に俺は数学が苦手で、試しに教科書内容と小桜さんのノートを見比べてみると、
「うわっ! めっちゃ綺麗!」
小桜さんのノートは要点・注意事項が簡潔に纏められていて、すっごく見やすい。参考書として売った方がいいと感じた程だ。他のノートも同様で、どうやら小桜さんの成績は上位っぽいと関心しながらノート確認を続けていた所で、手と思考が止まった。
そのノートの名は『保健体育』である。




